今再び注目を集める「鯨肉」 日本の鯨食文化は復活できるのか #エキスパートトピ
今「鯨肉」に再び注目が集まっています。縄文時代から日本人の食卓を支え、戦後の食糧難を救った鯨肉。1987年の商業捕鯨停止によって食卓から姿を消し、竜田揚げを知る世代も中高年以上となりました。2019年のIWC脱退と商業捕鯨再開、そして2024年には73年ぶりとなる新捕鯨母船「関鯨丸」が就航し、ナガスクジラの捕獲も約50年ぶりに解禁され、捕鯨産業の再構築も進んでいます。
しかし長いの空白期間によって、鯨肉を食べたことがない若い世代が増えているのも現実です。日本の鯨食文化は本当に復活出来るのでしょうか。
ココがポイント
スーパーで、立ち飲みで…クジラ人気上々 低価格で大衆化
出典:時事通信 2026/3/15(日)
日本の食文化「クジラ」を未来へ 学生が学ぶクジラの歴史と栄養価
出典:BSN NEWS 2026/1/22(木)
捕鯨母船が山口・下関に帰港 ナガスクジラなど238頭を今年度捕獲
出典:朝日新聞 2025/12/3(水)
静かに続く日本の商業捕鯨、「令和の鯨肉」はどこまで食卓に届くのか
出典:JBpress 2025/6/27(金)
エキスパートの補足・見解
鯨肉は高タンパクでありながら脂肪が比較的少なく、鉄分やビタミンB群も豊富に含まれている食材です。特に鉄分は牛肉より多いとされることもあり、栄養面では非常に優れた食材といえます。
さらに鯨は資源効率性の高い食材です。例えばナガスクジラは体長およそ20メートル、体重70〜80トンにも達する巨大な動物で、可食部分はおよそ3〜4割とされます。単純計算でも一頭から20トン前後の肉が得られる可能性があり、これは牛や豚と比較しても非常に多い量です。さらに鯨は家畜とは異なり、飼料を与えて育てる必要がない天然の海洋資源です。牛や豚、鶏などの畜産と違い、人間が餌を与えたり飼育施設を整えたりする必要がありません。
日本政府の立場としては、資源管理のもとで持続可能な捕鯨を行っているという考え方ですが、国際的には捕鯨に対する反対意見が根強いのも事実です。こうした国際的な議論の中で、日本の鯨食文化をどのように位置づけ、次の世代にどう伝えていくのかが今後の大きな課題となっています。鯨を「捕るか、守るか」という単純な対立ではなく、資源管理と食文化の両立をどう考えるのかが問われていると言えるでしょう。