2020年08月19日 (水) 19:56
[時計が消え、黒いガラス質の面全体が揺らめく赤色とオレンジ色のグラデーションカラーで発光し以下の内容の白い文字と共に凡そ3秒間続く]
【Zur Verfügung gestellt vom German World Trade Center.】
[前筆の場面が切り替わり、Pi、Pi、Piと規則正しい音が音楽と共に87秒間流れる。その際、盤面の左下に赤で塗りつぶされた四角の枠があり、その中には白い文字で【BBC】【News】と書いてあり、これは87秒間、常に表示される。また、右下には古代文字の数字と思われる字が87秒間をカウント。この87秒間、場面は秒単位で次々と移り代わり、様々な服を着た謎の者達や、街の上、街中や森の上を飛ぶ赤い帯状の様な物が映し出される。また、この87秒間の冒頭の5秒間には盤面の上部分に【Da die Sendung nicht empfangen werden kann, wird die Sendung, die am letzten Sendetag ausgestrahlt wurde, erneut ausgestrahlt.
】と表示されている]
[場面が移り変わると奇妙な白と赤色の動く壁を背景に奇妙なテーブルの席についた男1が現れる。盤面の下に細い赤色の帯が出現し、帯の左側には白い文字で【BBC World News】と書かれ、その右側ではその後、断続的に古代文字が流れてくる]
おはようございます。2282年8月9日午前6時のBBCワールドニュースをお伝えします。
[音楽に合わせて太鼓の様な音が流れ、場面が移り変わり、青い壁を背後に国旗様な旗が傍らに置かれた部屋で口を動かしている男が映し出される]
アメリカ大統領府は1日より全世界で発生している家畜の反乱について、国家非常事態宣言と戒厳令の布告を正式に発動しました。
[音楽に合わせて太鼓の様な音が流れ、場面が移り変わり、夜の街の上を飛ぶ奇妙な二つの物体と、混乱し逃げ回る者達が映し出される]
モスクワからのリポートによるとロシア政府は政府機能を被害の少ないエカテリンブルクに移転しました。
[音楽に合わせて太鼓の様な音が流れ、場面が移り変わり、燃える巨大な街が映し出され、緑色の鎧を着た者達が奇妙な道具を持って動き回る場面や空を飛ぶ奇妙な翼を羽ばたかせずに飛ぶドラゴンの様な物体に切り替わる]
3日から行われている戦闘で東京が炎上しています。
[音楽に合わせて太鼓の様な音が流れ、場面が移り変わり、街で暴れまわる者達が映し出される]
1日以降、南米では暴動が絶えません。
[音楽に合わせて太鼓の様な音が流れ、場面が移り変わり、奇妙な形をした大きな塔が映し出され、次に眼鏡らしき物をかけた老人が口を動かしている男が現れる]
パリからのリポートによると著名な学者はこの状況を宇宙から降り注ぐ謎の電波が原因と話しています。
[音楽が一旦止まり、場面が奇妙な白と赤色の動く壁を背景に奇妙なテーブルの席についた男1に戻る]
アメリカのデイブ・ハディソン大統領は、現在、全世界で発生している前代未聞の事態に対して国家非常事態宣言と戒厳令の布告を正式に署名したそうです。ワシントン支局からトーマス・オバマ記者のリポートです。
[場面が移り変わり、彼方此方に灯りの灯った夜の街を背景に奇妙な厚着を着た男2が現れる]
おはようございます。ワシントンDCは現在、午前3時を向かえました。私の後ろがワシントンDCの現在の様子ですが、昨日とは違い、治安は安定を保っています。ですが、昨日まで、ここはまるで戦場でした。
[場面が複数回に渡って変わり、荒れた街の様子や荒れた街を片付ける人々の様子が流れる]
アメリカは世界最大のゲノム家畜の畜産国です。大都市圏の郊外には多くの牧場が存在しています。全米畜産物生産者協会が公表している家畜の数は牛だけでも、1億匹を超えています。1日に全世界で同時多発的に発生した家畜の反乱で、ここワシントンDCは昨日、ワシントン近郊より雪崩込んできた鶏や牛によって軍が出動する事態になりました。
[場面が複数回に渡って変わり、奇妙な形状をした建物や、全裸で家畜の様に扱われる人々の様子や、象形図が流れる]
この映像は昨日のワシントンの映像です。銃を持った兵士達が銃を持った家畜と銃撃戦を繰り広げています。昨日、ワシントン市内には様々な兵器がまるで戦争映画の様に活躍しました。戦車やヘリコプター、装甲車もしかりです。今だかつてこの様な事態をワシントンは経験していませんでしたが、昨日、私たちはそれを経験してしまいました。アメリカのデイブ・ハディソン大統領です。
[場面が複数回に渡って変わり、奇妙な格好をした者達が炸裂音を発しながら忙しなく動く様子や、空を飛びながら街に向かって火を放つ巨大な虫の様な物や、奇妙な大きな箱が炸裂音を発したり、中から複数の人々が現れたりする場面が流れる。その後、場面が再び切り替わり、青いカーテンを背後に演説台の様な台座を前に立つ男3が現れ喋り始める]
今日、私は今発生している事態に対応して、合衆国憲法に従い、全ての連邦市民を生命と財産を守る為に、国家非常事態宣言を採択する事を決断しました。本日の0時より、アメリカ全土及び全ての属州での交通、通信は事態が収束するまで、軍と警察の管理下に置かれます。各市民は軍と警察の指示に従い適切な行動を取るようお願いします。ご存知かもしれませんが、すでに全米各地から耳を覆いたくなる様な知らせが幾つも届いています……。ですが、政府と軍は全ての市民が再び安全に暮らせる社会を取り戻せる事をお約束します。この事態は72時間以内に終息するでしょう。
デイブ大統領は72時間以内に終息するとしていますが、本当にその様な見込みはあるのでしょうか?
[場面が移り変わり、二つの枠が現れ、男1と男2を映し出す]
はい。政府の見込みはあながち間違いとは言えません。アメリカ政府が公表している資料によると、家畜の反乱が起きた農場の数は全体の3割です。国務省の調べでは残りの牧場でも一部の家畜による異常行動が確認された例もあるそうですが、その数は現状では少なく、すでに異常行動をした家畜は殺処分が行われている様です。
ですが、この反乱は全世界で同時多発的に発生していますよね。本当に大丈夫なのでしょうか?市民の間ではゲノム家畜の欠陥や大規模テロではないかという声が上がっていますが。
現状では何も分かっていません。ゲノム家畜の生産企業は全世界に20社近くあり、今回、反乱が発生した家畜は全て製法も製造元も違う家畜である事が判明しています。アメリカの大手ゲノム家畜製造企業のゲノム・エンタープライズは今回、BBCの独占取材に答えました。ゲノム・エンタープライズのジョージ・スーンCEOです。
[場面が移り変わり、幾らかの奇妙な装飾品が置かれた部屋で、椅子に座る男3とその前に画面に対して背中を向け男3の方を向く女と思われる女1が現れる。男3は男1と似た服装を着ている。]
今回の騒動の原因はゲノム家畜の欠陥ではないかとの声が上がっていますが。
ありえませんよ。
ありえませんか?ゲノム家畜は元々、人間の遺伝子情報が元になっているのでは?
ええ。ですが、ゲノム家畜は安全性を第一に非人間化処理が遺伝子レベルで行われています。確かに生物学的に見たら人間にも見えますが、これが人間に見えますか?
[男3は全裸で家畜の様に扱われた人の精巧な絵を指し示して言う]
見えませんね。
そうでしょう。これらは我々が設計した本能の中で生きているのです。知性や理性など持ち合わせてはいませんよ。人間のような姿ではありますが、耳や尻尾や牛そのものです。それに知能指数もかつての牛と同じです。
ですが、現に反乱が各地で起こっていますよね?これに関してはどう思われますか?
私としては答えかねます。確かに反乱紛いの事が全世界で起きていますがゲノム家畜の設計ミスを言うのでしたら、同じ技術で作られているゲノムペット類はどうですか。反乱なんて起きていませんよ。犬も猫も問題ないでしょう。なんでしたら、これを見て下さい。
[男3が胸ポケットから黒い板の様な物を女1に見せる]
可愛い猫ちゃんですね。
[画面上の一角に大きく枠が現れ男3と思われる人物に戯れる全裸で動物の様な行動をする人が現れる]
そうでしょう。私のペットです。これは今朝、私が撮影したものですが、何の問題もありませんでしたよ。
[男3が喋り終えると、場面が移り変わり、二つの枠上に男1と男2が映つる場面に戻る]
完全否定でしたね。
はい。ゲノム・エンタープライズは今回の反乱に自社の製品に問題が無い事を確信しているとまで言っています。それにこれはゲノム・エンタープライズだけではありません。
5日にはニューヨークで全世界の名だたるゲノム家畜の製造企業がゲノム家畜には不備はないと一斉に公表しました。ケンブリッジ・エンタープライズや、ロシアのロモス、日本の三菱グローバルゲノム製薬など16社です。
[場面が複数回移り変わり、広い部屋で集まる人々や、何らかの紋章や建物が現れる]
[場面が移り変わり、二つの枠上に男1と男2が映つる場面に戻る]
では、ゲノム家畜の欠陥ではない場合は、何者かによる大規模テロでしょうか。
その可能性は否定はできませんが、テロの可能性は現状では薄そうです。ここまでの大規模テロともなると、一界のテロ組織では不可能だとアメリカ国防総省の関係者は述べています。その為、多くの専門家は疑いがあるのはゲノム家畜の生産企業と訴えていますが、この様な状況ですで各国の捜査機関も研究機関も本格的な調査には今だ入れていません。
原因の究明にはまだ時間がかかるという事ですね。
その通りです。
ありがとうトーマス。以上、ワシントン支局からのリポートでした。続いてのニュースです。
[男2が消え、場面が男1の居る部屋に戻る]
ロシア政府は先程、政府機能をエカテリンブルグに移転しました。モスクワからの現地のリポートをモスクワ支局のミリーナ・ドレイク記者が伝えます。やぁ、ミリーナ、モスクワはどんな状況ですか。
[場面が移り変わり、廃墟に見える街を背景に鉄兜を被った女2が現れる]
はい、モスクワ支局のミリーナ・ドレイクです。私は今、モスクワ市内の有名な観光スポットでもあるアルバート通りに来ています。ご覧ください。銃撃戦や軍の爆撃によって多くの建物が被害を受けています。観光地の面影はありません。現在、モスクワ市内は近隣の農園から侵攻してきた家畜によって、全市が危険な状態です。あちこちで銃声や爆発音が聞こえてきます。ロシア軍の消息筋によると、反乱した家畜は農園を破壊した後、ロシア軍の兵器庫を襲撃し、多数の武器を強奪して市内に突入したそうです。
[僅かな間、女2が指し示した方向に画面が移動し、壊れた街並を映し出す。度々、遠くから響くような炸裂音の様な音も聞こえる]
ロシア当局の発表によると、すでに市民に多くの犠牲者が出ており犠牲者数は当局が把握しているだけで、5893人。しかし、これはあくまで当局が把握している数字で、実際の犠牲者は遥かに多いと考えられます。
[場面が複数回に渡って移り変わり、逃げ惑う人々の様子や、崩れる建物、爆発、奇妙な格好をした者達が炸裂音を発しながら忙しなく動く様子や、空を飛びながら街に向かって火を放つ巨大な虫の様な物、火を噴きながら街に落ちる巨大な虫の様な物が現れる。女2が喋り終えると女2の場面に戻る]
こうした事態を受けてロシア政府は先程、首都機能を被害の少なかったエカテリンブルグに移転しました。BBCのカメラはこの時の様子を捉える事に成功しました。
[場面が切り替わり城の様な建物から2つの巨大な虫の様な物が飛び立つ様子が映しだされる。巨大な虫の様な物が街の建物の影に隠れて見えなくなると場面は再び女2に戻る]
ロシア軍のミル2000大型輸送ヘリコプターです。2機のヘリコプターがクレムリンを離れて行きます。ロシア政府が、エカテリンブルグを避難先に選んだのには、エカテリンブルグにあるクリーン・アース以前に使われていたアーコロジーの存在が大きい様です。
[場面が移り変わり青空の下、建っている大きな建物が2回ほど現れる]
エカテリンブルグにはアーコロジー、ヨムナ16とヨムナ17があります。この二つのアーコロジーはロシアが保有する23のアーコロジーの内の2つです。
幾つかのモスクワ当局者の話によると、ロシア政府はこれらのアーコロジーを再稼動させる方針を既に決定しました。アーコロジー自体はすでに80年以上前にその役目を終えていますが、これらのアーコロジーは現在でも1基で10万人を収容する能力があります。さらにエカテリンブルグにはその産業上、周囲に家畜を飼育する牧場が無かった事からロシアの他の街に比べて被害がほぼありませんでした。その為、ロシア政府は被害を受ける可能性が少なく、かつ、自然界と隔絶されたアーコロジーを拠点に事態の収拾を図る方針の様です。
[場面が複数回移り変わり、地図の様なものや、先程の大きな建物の内部と思われる場面が流れる]
クリーン・アースから80年。ロシアは再びアーコロジーを使用する事態にまで追い込まれています。戦闘は激化する一方です。
[場面が女2に戻る]
[場面が男1の居る部屋に戻る]
以上、モスクワからのリポートでした。続いては同じく家畜の反乱によって混乱状態にある日本からのニュースです。
これは日本の首都、東京の現在の様子です。想像絶する光景が広がっています。
[燃える街と思われる建造物群の様子が映し出される]
[場面が複数回移り変わり、奇妙な格好をした者達が炸裂音を発しながら忙しなく動き回る様子や、走る緑色の箱が映る]
東京では3日から反乱した家畜との間で日本の自衛隊と激しい戦闘が繰り広げられています。4日、自衛隊は東京の隣接している埼玉県との境に防衛線を構築しました。
[場面が複数回切り替わり、粉塵と炸裂音に覆われた中、動き回る者達や、爆発する建物、逃げ惑う者達の姿が現れる]
しかし、6日には防衛線は突破され、東京での戦いは市街地戦へと突入しました。この事態に日本政府はすでに東京を離れ政府機能を東京湾上に位置する洋上空港へと避難しています。東京ではロシアに次ぐ大規模な家畜の反乱が発生しており、その被害は甚大です。
[場面が男1の居る部屋に戻る]
この事態に対する日本政府の今後の対応をBBCユナイデット香港支局より伝えてもらいます。BBCユナイデット香港支社のエリ・ミヤギ記者です。エリ記者、東京はどうも大変な状況の様ですね。
[場面が移り変わり背後に巨大な街を望む女3が現れる]
はい。東京は深刻な状況が続いています。すでに東京、埼玉での民間人の死傷者数は5万人を超えているとの情報も上がっており、日本政府は昨日、避難先の洋上空港で外国特派員向けに行った記者会見で家畜の反乱により、深刻な人道問題が発生していると声名を発表しました。
どうしてこの様な事態に陥ってしまったのでしょうか。
はい。今回、日本で起きた家畜の反乱は、主に東京に隣接する埼玉県で起きました。埼玉県は日本最大の畜産産業の主要拠点です。そちらでも一度は聞いた事があるでしょう高級肉の和牛や神戸牛も生産しています。日本の経済産業省が発表している資料によると、日本に存在する畜産牧場の実に87%が埼玉県に集中していました。日本の畜産業は世界的見ればアメリカやロシア、中国程、大きい規模ではありません。しかし、牧場が埼玉県に集中していた事で、今回、反乱が起きた家畜の数ではロシアでの反乱とほぼ同じ規模にも匹敵すると推測されいるのです。
[画面上の一角に地図と思われる図が現れる]
なるほど。この事態、日本政府はなにか状況をすぐに打開する策は持ち合わせているのでしょうか。
残念ながら、状況の打開には時間がかかりそうです。当初、日本政府はこの事態の鎮圧の為に日本の首都防衛を担う精鋭部隊の第1師団を投入しました。しかし、その第1師団は敗走し現在は地方から別の師団の増援が送られてきている状況です。
東京の状況は厳しさを増してるという事ですね。
その通りです。
[場面が切り替わり女3が消え男1に戻る]
以上、日本の状況をBBCユナイデット香港支社のエリ・ミヤギ記者がお伝えしました。続いてのニュースです。
これは今日の南米のベネズエラの首都、カラカスの様子です。暴徒が警官隊と衝突しています。この様な事態は現在、南米の至る所で発生しています。ブラジル、コロンビア、チリ、アルゼンチンなど、南米の主要国の殆どで起こっています。一体、南米で何が起きているのでしょうか。
BBCブラジリア支局のアンナ・ハッピー記者のリポートです。
[男1の横に枠が表れ枠内で黒い甲冑姿の兵士と見られる者達と色とりどりな奇妙な服を着た者達が乱闘をしている場面が流れる]
[場面が切り替わり、女4が現れる。女4の横には枠が表れ、男1と似た服装をした男4が演説台で何かを喋っている様子が流れる]
BBCブラジリア支局のアンナ・ハッピーです。1日、ベネズエラ保険省は世界各国で家畜の反乱が相次いでいる事を受けて、国内にある13の畜産牧場を全面閉鎖しました。
[場面が切り替わり、門から馬に引かれなくても動く馬車と見られる乗り物が次々と入っていく様子が流れる]
これは閉鎖発表直後のロス・テケス27畜産牧場です。正面ゲートからベネズエラ保険省と軍の輸送トラックが次々と入っていきます。
ベネズエラ保険省のアーロン・ケベス長官です。ケベス長官はこの会見で牧場の閉鎖を家畜の反乱を防止する為だと市民に説明しました。このベネズエラから始まった畜産牧場閉鎖の動きは南米各国に波及し殆どの畜産牧場が閉鎖されました。
[女4の姿が消え男4が現れるが、男4の声は小さすぎて聞き取れず、女の声が続く]
[男4の姿が消える]
しかし、多くの市民はこの閉鎖に関して非常に反感を持っている様です。
[場面が切り替わり露天商と思われる男5が現れる]
カラカスのラ・パストーラ市場で露天商をしているフアン・アギラールさんです。アギラールさんは政府の対応に憤りながら私たちのインタビューに答えてくれました。
本当に許せないね。ただでさえ、みんな食べ物が無くて困っているのに、畜産牧場を閉鎖するなんて政府はどうかしてるとしか思えないよ。これじゃあ飢えるしかないじゃないか。
[場面が女4に戻る]
アギラールさんの様に政府の対応を批判する人々は後を絶ちません。南米では現在、慢性的な食糧不足の問題が発生しています。7年前にボリビアの遺伝子加工工場から流出したイムルチン菌が急速に蔓延し、南米の殆どの地域の植物が汚染されてしまっている為です。その為、南米の国の食料はその殆どを屋内の畜産牧場や菜園工場に頼っています。しかし、現状、これらの工場は足りておらず、食料品が不足してしまっているのです。
[途中、場面が切り替わり、巨大な虫の様な物が森の上を飛ぶ様子や、何かを撒く様子、全身を覆う奇妙な服を着た者達が街中に水を撒く様子、屋内に植物が植えられた様子が流れる]
そんな最中に起きた今回の畜産牧場の閉鎖はすぐに市民生活に影響を与えました。様々な商店で食料品の買占めが発生。買占められた食料品の中には閉鎖のされていない菜園工場の野菜までもが含まれます。SNSを中心にフェイク情報が拡散した為です。
[商品が殆どない人だかりや、市場のような場所の場面が数回と奇妙な動く絵の場面が流れる。その後、女4に戻る]
この事態に各国の政府は市民達にすぐに食料が不足する事は無いと落ち着くように訴えました。しかし、この事態の前から食糧不足に喘いでいた多くの市民は今回の買占め騒動によってより困窮する事態となったのです。
[奇妙な塊を背景に男6が現れる]
もともと、政府のこれまでの対策が酷すぎたのさ。
こう話すのはチリの首都、サンティアゴ郊外で自動車修理工場を経営するウンベルト・ムニョスさんです。
この国もそうだけど、南米の色んな国じゃ、政治家の汚職が酷いんだよ。僕たち普通の一般市民が困ってるのに政治家達は腹いっぱい美味しい物を食べてるんだ。酷すぎるよ。それに、7年前の病気の流出だって南米のどの国の政府もなんの対策もしなかったじゃないか。そんな連中の言う事は信用できないね。
[場面が切り替わり女4に戻る]
南米全土で発生しているこの暴動は、食糧問題だけでなく、これまでの国民の政治への不信がその根底にありそうです。
ありがとうアンナ。以上、ブラジリア支局からのリポートでした。続いては、現在、世界中で起こっている家畜の反乱について、とても興味深い仮説を唱える学者が現れた様です。フランスのパリ支局と中継でお伝えします。
[場面が切り替わり男1の部屋に戻る]
[画面上に枠が現われ、本棚を背後に席に座る歳をとったが男6が現れる]
ピエールエマリーキュリー大学の天体物理学者、ジルベール・ギロー博士です。博士、本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
博士、聞いた所によると博士は今回の全世界で発生している家畜の反乱について興味深い説を提唱している様ですね。
ええ、その通りですね。一見、荒唐無稽に思えるかもしれませんが、私はこの説に自信を持っています。
それでは博士、博士の提唱する説をご紹介していただけますでしょうか?
はい、分かりました。
[男6の姿が大きく映る]
私は今回の家畜の反乱が始まってから、私の研究対象としていた現象と奇妙な類似点を発見したのです。まず、こちらをご覧ください。これは、昨年の1月に初めて観測された。謎の発光現象です。地球の月軌道に比較的近い位置で発生しています。
[男6は1枚の紙の様な物を取り出し見せる。紙には黒い背景と白い点が描かれている]
光っていますね。
はい、ですが、この発光現象は肉眼で確認できるものではなく、電波望遠鏡によってのみ確認できます。
これは一体なんなのでしょうか。
それはまだ分かりません。分かっているのはこの現象が何も無い宇宙空間上で発生しているという事と、電波を放出しているという事だけです。
博士、率直にお聞きししますが、この現象は確かに興味深いのですが、私には家畜の反乱と関係がある様には思えないのですが。
それはそうでしょう。私も最初はそうでした。しかし、このグラフを見てください。
[男6は再び紙の様な物を取り出し見せる。紙には歪曲した線が描かれている]
そのグラフは。
これはこの未知の発光現象から検出されている電波出力の値を示したグラフです。私は世界中で起こっている家畜の反乱と、このグラフについて、奇妙な一致点を発見したのです。
それはなんですか。
1月から7月までの検出された電波量はこの様に低い値を示していました。地球上に降り注ぐ電波量は非常に微弱で大気と接触する段階で自然界における電波量の平均値と殆ど変わりませんでした。しかしです。ここを見てください先月の8月初旬から急激に電波の放出量が激増しているのです。
[男6は紙上の線を指し示す]
8月中旬には地球上に降り注ぐ電波量は実に旧世代の4G通信の出力と変わらないレベルにまで達しました。これは明らかに異常な増加現象です。発信源に何も無いのですから。
そして、注目すべきは8月下旬と9月1日から7日までの電波量です。なんと、地球上に降り注ぐ電波の量は最大値で旧世代の5G通信並の値にまで達したのです。
[男6は紙上の線を指し示す]
すごく多いですね。
ええ。旧世代の5G通信並の電波量ともなると、これはかなり強力な電波の値です。もしも、現在の通信が9G通信でなければ、今頃、各地の通信障害が発生しているレベルでしょう。そして、ここからが重要なのですが、この電波量の増加が発生したタイミングを見てください。家畜の反乱が発生したタイミングと酷似するのです。
つまり、博士は電波が今回の騒動を引き起こしていると?
はい。私はそう考えています。
ですが、流石にそれは無理があるのでは?私は電波の専門家ではありませんが、にわかには信じられません。
果たしてそうでしょうか。かつて我々の先祖達が5G通信を導入した時、各地で動物の異常行動や人体への影響が確認されました。先祖達は、5Gを次世代通信としていたので、そうした自然界への影響や人体への影響を否定していましたが、今日ではこれらの電波通信技術が生物に対して悪影響を与える事は科学的に認められている事実です。それを考えれば、現在、全世界で発生している家畜の反乱は、今この時も宇宙空間より放出されている強力な電波の影響がおおいにあるのではないか。と私は考えます。
博士の提唱するその説が仮に事実であった場合、どの様な対策をすべきだとお考えですか?
難しい質問ですが……家畜を完全に電波の遮断環境下で隔離する。もしくは、電波の発生地点を電磁遮蔽材で囲ってしまうなどです。電波の発生地点はある程度把握できていますので、充分に可能ではないかと思います。
なるほど……博士、本日は興味深い説をご紹介頂きありがとうございました。
いえ、こちらこそ。
[場面が切り替わり男6の姿が消え男1の部屋に戻る]
続いては今日の天気をお伝えします。
[場面が切り替わり男1の姿が消え、地図らしき絵が映し出される]
ドイツの今日の天気と気温、降水確率です。
ドイツの週間天気予報です。
ヨーロッパの各地の天気です。
ヨーロッパの各地の週間天気予報です。
カナダ、アメリカ、中央アメリカの各地の天気です。
カナダ、アメリカ、中央アメリカの各地の週間天気予報です。
南アメリカの各地の天気です。
南アメリカの各地の週間天気予報です。
アジアの各地の天気です。
アジアの各地の週間天気予報です。
[場面が切り替わり再び男1が現れる。音楽が流れる]
本日はBBCワールドニュースをご覧頂きありがとうございました。BBCは公平中立の報道を心がけ今後も世界の皆様にニュースをお伝えしていきます。では、皆さんまたお会いしましょう。さようなら。