名探偵コナンで学んだオタ活文化
実は5年前に体調を崩して家からでれなくなってしまった私を外の世界に連れ出してくれたのは名探偵コナンだった。
小学生〜中学生時代にどハマりしていたコナン。
当時怖いものが苦手な私は"殺人ラブコメ"なんて絶対読めないと思っていた。でも幼馴染の姉弟はコナンのアニメや映画をちょいちょいみていて、なんとなく気になって何度か試そうとしては避けてた。
結局二人の家の畳の部屋でみた『戦慄の楽譜』が最初だったのか、それとも幼馴染家族に劇場に連れて行ってもらってみた『漆黒の追跡者』が最初だったのかはもはや思い出せない。ただ江戸川コナンがカッコ良すぎて一瞬で心奪われた。
コナン映画の事件現場の描写は怖くなかった。血の色は赤くなくて黒っぽいし、遺体の目は閉じられていてリアリティをあえて抑えた表現にしてくれている。
でも内容はちゃんと難しくて、頭をひねってあれこれ推理したり知らない言葉を調べたりするのが楽しかった。
青山先生がインタビューで "子供向けにつくらないようにしてる" "子供って頭いいのでこどもだましだとすぐバレちゃう" 的なお話をされていたのをあとで読んですごく腑に落ちた。
アニメを見始めたら灰原哀に憧れを抱いた。こんなかっこいい小学生(小学生じゃないけど笑)になりたいと思って自分のメアドに哀ちゃんのイニシャルを刻んだなあ。それといつも美味しいところを持っていくキッド様が今でいう"推し"になってたと思う。
高校生くらいからお仕事が忙しくなってコナンからは離れてしまっていた。
その後しばらくして体調不良で仕事ができなくなりひきこもりになった。
ひきこもり生活の初期は愛猫と寝るか任天堂のポケ森で遊ぶかくらいしかできることがなかったけど、ある日いつも通りポケ森を開いたら新しく導入されたコスチュームが"ほぼキッド様"のようなデザインで私の心が久しぶりに躍ってしまった。またコナンの映画を劇場でみたいかも…怖い気持ちはあったけど頑張って近所の映画館に足を踏み入れた。
シリーズ第25作目、コナンの超人気キャラクター安室透(降谷零)がメインキャラを務めた『ハロウィンの花嫁』。私がコナンに夢中だった時代に安室透はまだ原作にも登場していなかったのでこの映画でほぼ初めて動く彼をみた。(もちろんコナン連載再開時の安室vs赤井など原作の方では目にしていた。)
人気者になる理由はいくらでも思いつくくらい魅力的なキャラクターで当然のようにあむぴ推しになった。たぶん私の1番の決め手はその声と、超ハイスペックなのに人間味のある不完全さを持ち合わせていたことかな。
ただこの映画の一番好きなところは、やっぱり江戸川コナンが圧倒的主人公だったこと。またみたくなってきちゃった。
ここから私のオタ活ライフが始まった。最初はインスタに購入したグッズの写真を投稿したりしてたけどコナンともだちが欲しくてXのアカウントを開設した。コナンの懸賞やキャンペーンに応募できるのはXが圧倒的に多かったというのもあるけど。
初めて知る文化だった。あの頃はオタ活という概念が自分の中にはあまりなくて、基本的には単行本を読んだりアニメと映画をみたりして青山先生が生み出す物語をワクワクしながら待っていた。今思うとミステリーツアーにはよく叔母と二人で参加していたのであれはオタ活に入るのかな?
私は、「ほぼ箱だけど安室とキッド様推し」である。
オタクにもいろんなタイプがあることも知った。私は同担◎他担◎といって、"自分と同じ推しを持つ人も他の推しを持つ人もお友達になりたい"
というジャンルに属している。
ほぼ箱 というのは、一応推しは決まってるけど名探偵コナンという世界そのものが好き いわゆる箱推しに限りなく近いよ!というニュアンスだ。
考察が好き、グッズを集めるのが好き、友達と聖地巡礼するのが好きなど
関わり方も当然人それぞれ違う。
私はぜんぶ好きだけど、コナン友達と一緒におでかけしてハイティーの前にアクスタを並べて写真を撮ったり次回作についてあれこれお話するのが特に好き。コナンを通じてできる新しいお友達は、ただ"同じ好き"を共有している関係性から始まる。本名も知らないしどこに住んでるかもわからない。
Xで繋がったともだちとリアルに会うのはリスクもあり、私の場合は1年くらいコミュニケーションスタンスや投稿の雰囲気をみて「この人は会ってみたいな!」と思った人と遊んでいた。
ほんとに楽しかったし、たくさんの幸せをもらった時間だった。
でも分かったことがある。
オタ活は心のコップを満たす手助けはしてくれるけど、
そのコップに穴が空いていたとしてもその穴を閉じてはくれない。
私の心のコップには無数の穴やヒビが入っていた。
少しづつ補強しながらコナンを注いでいったことで確実に状態は良くなっていった。
でもコップの底にまだ穴が残っているから、水が溜まることはない。
だから私はこれからその穴を金継ぎしてみようと思う。
そしたらまた、美しいお水をたくさん注げるようになるんじゃないかな。
劇場で蘭と新一が再会している頃には私のコップが生まれ変わっていることを祈る。
仁禮彩香


コメント