light
pixiv's Guidelines will be updated on March 18th, 2026.
View details
The Works "このあとめちゃくちゃドンキ行った" is tagged "槍弓" and "腐向け".
このあとめちゃくちゃドンキ行った/Novel by とろろ

このあとめちゃくちゃドンキ行った

7,909 character(s)15 mins

数日後、そもそも私は君のことが好きなのか?とか言い出したので今度こそ泣いた。

アーチャーが猫(広義)になる話です。
現パロで2人とも同じ会社の同僚として書きましたが、びっくりするほど内容に関係ないので忘れて大丈夫です。

1
white
horizontal

「君が喜ぶかと思って」
「何をどう……どのように……喜ぶんだ、これで……?」

部屋に入って、お互いの第一声がこれであった。

全く怪しい気配を感じなかったといえば嘘になる。そもそもの話、今日はアーチャーと飲む約束をしていた。昨日タバコ休憩で一緒になった際にオレの家で飲もうなんて話がまとまって、じゃあオレ明日は定時で帰っから、準備も含めて19時くらいに来いよ、と言ったのだ。いつものことだ。
アーチャーの家に行く時は20時に出向いて、既に完成されてるテーブルについてグダグダと飲み明かす。オレは生憎小洒落た料理は出来ねえから、キュウリと味噌とか和えて待ってる。
そのルーティーンを壊すように、さりげなく視線を外したアーチャーが言ったわけだ、「いや、明日は有給をとったから、早めに行って準備する。鍵だけくれ」。
別に今更隠すようなモンは無けりゃ、なんなら普段から酔って片付け魔になるアーチャーをルンバ扱いしてるから全く構わねえんだけど、ただ謎ではあったわけよ。まさかこんな事になるとは思ってなかったけれども。
なんなんだ、オレはあの時鍵を渡すべきではなかったのか?そうしたらこいつは大人しくしてくれていたのか?

「それにしても良かった。一応鍵が無くてもなんとかなるよう練習はしていたんだが、手間が省けたのでな」

駄目だ。渡した方がまだマシだった。
つーか最近鍵穴に細かい傷が増えてて超怖ぇなと思ってたのアレテメーの仕業かよ、弁償しろよ普通に。

「これは一体なんの冗談だ?」
「冗談でこんなことはしないだろ」
「冗談じゃなきゃこんなことしねえだろうが!」

頭を叩くついでに気味の悪いブツを取り上げてしまおうと手を掲げたが、さっと飛び退かれる。ご丁寧に、頭のカチューシャを手で押えながら。

「……何処で買ってきたそれ」
「ドンキだが」
「いつ」
「今日だな」
「何のために?」
「だから、君が、喜ぶと思って」

喜ばねえよば〜〜〜か!!!
頭に白い、髪の毛とおなじ色の猫耳カチューシャをセットしたアーチャーが、「鳴いてほしいか?にゃー」などと言うのを殴りたさを堪えながらしげしげと眺める。
ご丁寧に首に輪っかも通しているが、ちゃんと動く度にリンリンと鳴る上に、色が青なのがムカつく。
なんなんだ。何故こんな嫌がらせをされているんだ。この間の飲み会で何かやらかしたのかオレは。タイミングの悪いことに、前回の飲み会の記憶が朧気なのだ。ここまでされるほどの何をしたって言うんだ。
オレがこんなに拒絶しているのに、一体こいつは何を見ているのだか、何故か満足そうに微笑まで湛えてしまっている。怖い。

「何?オレの性癖がケモ娘系、みたいな話をどっかで聞いたのか?」
「そうなのか?てっきりソフトSM系が好きなのかと思っていたが」
「そうだよば〜〜〜かなんで知ってんだテメー!」
「君の本棚を整理してるとわりとわかる」
「お前が酔ってももう二度とルンバ扱いとかしねえから、許してもらってもいいか?」
「あと君、エロ系はエロ系でまとめるために本棚に無理矢理DVD入れてるから結構目立つ」
「明日ちゃんと箱買ってきて全部そこに詰めるから、あっちはもう視界に入れないでもらっていいか?」

なに。やっぱり嫌がらせ以外のなにものでもなくないかこれ。なんでこんなことされて喜ぶと思われてんのオレ。
現時点でのオレ目線だと同僚がクソ真面目な顔で猫耳つけて他人の性癖暴露してるだけなんだけど。サイコパスかよ。お前が。もし喜んでいるとしたらオレが。

「なんなんだ、何の文句がある?」
「お前こそなんなんだよ、全てに文句があるんだよ……オレはただ飲もうと思っただけなんだよ……酒を……」
「私はただ、君が望んでいるから!
さすがに毎日こうしているのは無理だが、土日は空いてる!」
「は!?お前それただの拷問だからな、せっかくの休みに猫耳つけた同僚がチリンチリンうるさくてなんかヤダってだけだからな!」
「だって君が言ったんだろ!」
「言ってねえ〜〜〜!」

次第にお互いにヒートアップし、気が付けば肩で息をするほど怒鳴り合っていた。かたや私服に猫耳をつけ、かたやスーツの成人男性2人組が。
やべえ〜〜死にてえ〜〜。なんならお前だけ死ねオレを巻き込むな〜〜。

「……そもそもお前図体でけぇんだから猫より犬だろ」

もう、こんな、こんなことしか言えねえ。
蚊の鳴くような声で、別に本当はそんな事ど〜〜でもいいと思ってる文句しか言えねえ。怖いから。自分の常識を根底から覆されるような恐怖を感じているから。
これ以上こいつと話していると電波にやられそう、もしかしてそういうことかな、宇宙からの電波受信しちゃってんのかなこいつ。だとしたら可哀想なのでちょっと優しくしたい。
うわウソ、めっちゃこいつ眉釣りあげたもん今、ガチギレする気満々だもん、全然優しくしたくない。優しくされたい。むしろ。

「だから!」

なんで分からないんだ、という態度のアーチャーにキレたいのはオレの方なんだが。ここまでされて感謝するわけがなくないか?
アーチャーさんは一体何の幻覚に踊らされてんだ、だからあれほど早めに病院へ行けと言っていたのに、恐らくもう手遅れだろう。

「君が飼いたいって言ったんだろうが!」
「は?何を?」
「だから、猫だ!」

その瞬間オレの頭に蘇ったのは、先日のサシ飲みの記憶である。これは恐らく、前回の朧気な記憶の一部分だ。
正体をなくすほど酔いがまわってるわけでは無いと思っていたが、ここに来て漸く思い出すということは思っていた以上に酔っていたのかもしれない。もしくは信じられない、信じたくないという思いが敢えて記憶にフタをしていたか。
だとしたら大正解なので海馬さんには是非その意志を貫いていただきたかった。別に思い出したくなかった。解き明かしたくない真実も世の中には結構ある。


その日のオレは、簡単に言えば非常にアーチャーが可愛く見えていた時期だった。
アーチャーという男はとても頑固で話し方も考え方もうざったく、そのうえめちゃくちゃ口煩いという母親の悪いところを煮詰めたような、つまりクソババアのような人間なのだが、長く付き合っているとそれが5周くらい回って可愛く見えてくる時期があるのだ。大体半年に1日くらいある。
たまたま唐揚げを3つ連続で食うとすかさず「野菜も食わないと肥満になるぞ」と菜の花のおひたしを無理矢理口に突っ込んできたりだとか、オレの注文したコロッケに断りもなく勝手にソースをかけて渡してきたりだとかするこいつに、普段であればクソババアうぜぇな〜〜以外の感情が浮かばないところを、この周期に入ると健康にまで気を使ってくれる良妻だな、くらいの気持ちで接することが出来る。
この現象を、オレは過度のストレスによる一種の逃避行動であると認識していた。
その日、顔もイケメンだし良妻だし腕も立つし悪いところが無さすぎるな、完璧すぎるのが逆にアレなんかな、などと頭の沸いたことを考えていたオレはしみじみと、「こういう家政婦欲しいな〜」と思った。
家の事やってもらえる上に、ちょっと運動したくなったら手合わせまで願えるし、めちゃくちゃイケメンなのだ。最高だ。
その日のオレは何故かアーチャーの顔についてかなり真剣に向き合っており、気の強そうな雰囲気と髪下ろした時の童顔とのギャップがいいんだよな、などと考えていた。今となっては家政婦に顔とかどうでもいいんじゃねえかなと思う。アーチャーの顔が可愛いのはちょっとわかる。
ともかくその時のオレは頭がおかしかった。あろうことか本人に、「お前みたいな家政婦欲しいわ」と申告したのである。馬鹿か。絶対殴られる。シラフだったらタコ殴りの上に身ぐるみ剥がされて店から追い出されてた。しかし幸いアーチャーの方もかなり酔いが回っていたため、当時のオレがピックアップしていた『可愛い童顔』をキョトンとさせて、眉を下げながら破顔したのだった。

「馬鹿か君は、あえて私みたいなのを雇わずとも、相応しいプロがいるだろう」
「いや、お前だからいいんだって。なんだかんだ1番気使わねえし、オレんちにいりゃいつでも一緒に飲めるし」
「家政婦は一緒に酒飲まないだろ」
「あ〜……」
「っふ、」

酒うめ、とか思いつつ、アーチャーの行儀悪く片足を立てて酒飲んで、下りてきた前髪を払う仕草なんかを、何気なく見てた。
オレのアホ面が面白かったのかなんなのか、静かに笑ったアーチャーのはにかむような幼い笑顔が、とすんと胸に落ちた。そしてその瞬間、ついでに恋に落ちた。


「──いやタンマ!」
「なんだ。何がだ」
「いやテメーじゃなくて」

ダイニングで立ち尽くすオレを放置して、ドスドスとキッチンに向かっていたアーチャーがカウンター越しに振り返る。のを、手で物理的に遮る。
や、まあアーチャーではあるんだけど、どっちかっつーとここで引き合いに出したいのは過去のアーチャー、もっと言えば過去のオレなので一旦そのまま放っといてもらっていいか?
暇なのは分かるんだが。オレが帰りに寄ったスーパーの袋物色して、冷蔵と冷凍に振り分けて収納してくれてるのは普通に有難いんだが。一旦な、放っといてもらって。そういう感じで。
……いや、オレ……馬鹿か?
何が恋に落ちた。だバカ、そんな簡単に落ちるかクソ。え?マジ?つーか忘れんなよ。そこ。とにかくそこに触れたい。うわ〜こいつの事好きだな〜って思ったのを酒を理由に忘れていいのは大学生までなんだよ。こっちはもう24なんだよ。社会人だわ。ゴミが。
何、オレこいつのこと好きなの、マジか、そう思ったらちょっと可愛く見えてきたんだが。青い首輪とか健気じゃねえかよとか思い始めたんだが。こんな恋の始まり嫌なんだが。
心なしか過呼吸一歩手前みたいな状態なので満身創痍だが、記憶の扉の向こうをチラッと覗く。チラ見。全部は怖いから無理。


「お前さァ〜……」
「なんだ」
「あの、……いや、お前可愛いな」

じわりじわりと思い出す。さながら検尿だ。全部出ちゃうとまずいから。全部思い出すとまずいから。心とかが。死ぬから。
このときの心境は覚えているが、心底くだらなすぎて笑いも出てこない、アーチャーが好きだ愛おしいしか考えてない、酒がうまいという感情すら追いやられてたはずだ。
その証拠にほら、もうこのときのオレジョッキ手放してやがる、それどころかアーチャーの後頭部を片手で引き寄せて、


「──っと待て!!!」

思わず強制的に記憶をシャットアウトする。一気にプツンと途切れた記憶に頭がクラクラしたが、頭を抱えたのはそれだけが原因ではないだろう。
待て。待て。なんだこれ。なんだこの気取った台詞回しは。本当にオレか。可愛いなってお前。そもそもこんなことしたか。
ありえなさ過ぎて自身の記憶の捏造を疑ったが、こんな記憶を捏造する理由が分からなかったので却下した。じゃあこんなことしでかす理由はあったのかってねえよボケ。分かりきったこと聞くんじゃねえカス。
なんだこれ。手を握るな。顎を摩るな。肩を寄せるなキスするな!!!!……キス???

「……アーチャー」

掠れた声に応答したのはいつもの「なんだね」botではなく、首を傾げると同時に虚しく鳴り響いた鈴の音であった。
あーーーそうですかもう役に入りきってるってことすか、あざとく上目遣いしたところでオレよりでけぇし肩幅に開いた足のゴツさは変わんねえからな、あと腕組みながらそんな顔されても首から上だけ雑コラみたいになってるだけだから別に可愛くねえから、な、な、な、そうだよな?
可愛いとか思わねえもんな、そのうえ勢い余ってキスなんかするわけねえもんな、……キス???

「オレさァ……あの〜〜……した?」
「……」

更に深く首を傾げる。リン、と涼やかな音が鳴った。意味がわからない、ということかもしれない。違うかもしれない。それすら分からない。普通に会話が成り立たない。
喋れ。もういいから喋ってくれ。

「いやあのだから〜〜……した?
……こう、あの〜。言うなれば、小鳥どうしが啄むような……啄み……合うような……口と形容される部位に位置する皮膚を、もう一方の口と形容される部位に位置する皮膚に、接触させるような……やつを」

チリン!
心なしかこれまでよりも力強く響いた鈴の音に、オレは頭を殴られたかのように崩れ落ちた。四つん這いで必死に呼吸を整えるオレを冷たい視線で見下ろすアーチャーという図は完全に飼い主と猫が逆転しているので、もういっそその猫耳と首輪は譲ってほしい。オレが装着する。
こっちがゲロ吐きそうな思いで禁断の扉をこじ開けている最中に、恐らく既に記憶の扉全開でいらっしゃったアーチャーは手持ち無沙汰に欠伸などをしている。控えめに言って殺してえ。
なんかさ、猫ってストレス解消になるって聞いたんだけど。日々の生活の癒しになるって聞いたんだけど。むしろこの猫来てから胃に凄まじい負荷を感じてんだけど。不良品って返品とか出来ねえの。いや生き物だから倫理的にNGなのか。
冷たい目でオレを見下ろすアーチャーは、その通りにオレを見下しているのかと思ってたが、こっちがいつまでも起き上がらないでいるとそわそわと動き出し、胸ポケットから取り出したメモ帳に何かを書きつけた。

『どうしたんだ、大丈夫か』
「喋れよ!」
『無理だ、私は猫だから』
「そんなスラッスラ字書く猫がいるかよ〜!
頼むよ〜オレこのままだと気が狂っちまうんだよ〜」

精一杯泣きついた言葉は当然のように無視されたが、依然として心配そうに様子を伺うような気配は感じ取れた。そこまで気になるなら喋ってくれよ。なんなんだよ本当に。
ボールペンとメモ帳を胸ポケットに常備してる猫よりは、喋る猫の方がまだ現実的だろうがよ〜。猫の恩返しを知らねえの?あいつらがポケットからメモ帳出したとこ見たことあんのかお前。
もうこの男を頼ることは出来ない、最初から出来てなかったが、1人の男から1匹の猫になったので尚更出来なくなった。
こうなったらもうオレがなんとかするしかないのだ、とりあえずさっき強制的にシャットアウトした記憶を再び蘇らせ、あの日の全貌を知ることが必要だろう。
とうとうしくしくと涙を流してもおかしくねえな、と思いながら部屋の隅へ行き膝を抱えた。大股でついてくるアーチャーのあまりにも猫になれてなさが逆に可愛く感じられてきて、いやオレマジで、好きなのかな、好きかも、ヤバいな、好きな気がしてきた。なんなら半年に1回めちゃくちゃ可愛く感じる周期来る時点でちょっと怪しいもんな。なんだよ。好きだったのかよ。言えよ、オレらの間に隠し事はナシだろ。へへ、すまん、ちょっと照れくさくてさ……。


「──可愛いな、お前」

既にアーチャーが可愛い、で頭がいっぱいだったオレは何の疑問も持たず顔を寄せ、キスをした。そうだ、キスをしたのである。
辛うじて舌は入れなかったが、それはただ単に近づいた途端アーチャーの顔がぼやけてイラッとしたからであり、恐らく2度目があったらじっくりと至近距離で顔を眺めてからディープな方をしていたに違いない。だからオレは馬鹿なのか?
アーチャーも抵抗しなかった、当時はなんとも思っていなかった、強いていえばぼんやりしてて可愛いなと思っていた。
今になって疑問に思う。いや抵抗しろよ。なにされるがままになってんだよ。
目を閉じるでもなく、顔を背けるでもなく、ただ無言でオレの奇行を受けいれたアーチャーは一体何を考えてたんだ。もしかして好きなのかオレのこと。吝かでは……ねえな……。

「……君の中では可愛いのか、私は」

頬を指の腹ですりすりとやられながらも無抵抗なアーチャーが言った、オレはノータイムで頷く。何を今更そんなことを確認しているのだと思った、世界の何よりも可愛くて、愛おしい、本気でそう思っていた。
つんと澄まして、言いたいこともやりたいことも口を噤んで、大事なことは自分の中に溜め込んで、他人に明かすのはどうでもいいことばかりで、懐く素振りなんて見せない。
そのくせこっちが首を触っても、不機嫌な声一つあげないのだ。

「猫みたいなもんだよ、テメーは」

それがもどかしい。
もっと明け透けに、尻尾を振ってくれればもっとアーチャーのことがわかるのに、オレを拒みはしないくせに。

「猫みたいなのか」
「おう」
「好きなのか」
「おう」
「……飼いたい?」
「ん」

もうそのときのオレは正直ほぼ寝かけてて、最後の質問に至っては寝る直前に絞り出したもんだから、ほぼ会話になってなかったと思う。
現にその後の記憶はほぼ無くて、タクシーに乗せられてなんとか家に辿り着いた、気がする、だけだ。
つまりこれがあの日起こった全てということになる、だからまあ、その、まずオレはその、よくもまあこいつの事をここまで美化できたもんである。
ヤバいだろ普通に、普段「このクソババアうるせえ〜」と思ってる奴に、「猫みたいで可愛い」って思うのはおかしいだろ。はいはい、わかるぜ、それはわかる、うるせえでも実際そう思ったんだから仕方ねえだろうが、正直な話すると今でも可愛いって思ってるわ。ストレスだろうか、さっきから人格がじんわりと2つに分かれていっているのを感じる。
いやだがわかる。あの時の記憶が復活した今のオレには、その気持ちが痛いほどわかる。アーチャーは猫だ。犬とかじゃねえの。
誰だよ「お前図体でけぇんだから猫より犬だろ」っつったの。わかってねえよお前。何タッチの差でアーチャーよりちっせぇからって猫の座奪おうとしてんだよ、あの猫耳が似合うのはあいつだけだよ自惚れんなカス。

『大丈夫か?』

いきなり視界に飛び込んできた文字に(お前の頭は)大丈夫か?という神からのお告げかと思ったが、あまりにも長い間部屋の隅で膝を抱えていたオレを見かねたアーチャーのメモ書きであった。
久々に見た生のアーチャーの顔はやっぱり驚くほど可愛く、いや可愛くはねえんだけど、中身やこれまでの経歴を加味した上でこいつこの顔なのか〜と思うとめちゃくちゃ愛おしく、半年に1回どころか毎秒更新しているような気がした。有り体に言って、愛とかを。
ゴミのように見下されてるとしか思えない鋭い眼光も、こっちの膨大な愛の前では『プリティー猫ちゃんのキャワイイおメメ』に大変身である。プリティー猫ちゃんのキャワイイおメメという単語は生まれて初めて構築したが、アーチャーのためにあると言ってもいいな、と思うほどしっくりきている。
気に入った。今後毎朝挨拶する時にはこう呼びかけちまおっかな。それともこれだと目単体に呼びかけてる変質者みたいになんのかな。
難しいことはよく分からんので、明日以降こいつの反応を見て決めようと思う。時間はあるはずだ。どうやら土日限定だが、飼われる気はあるみたいなので。
ただとりあえず、『猫がそんなに嫌なら、ドンキで犬耳を買ってきてもいいが』とかいうメモを呑気に渡してくるクソ猫には、一つだけ言っとくべきことがあるよな。そりゃ犬耳バージョンも見てえけども。
座っててよかった。顔も見れなくて、体育座りに顔をうずめる。

「……いや、口説き文句だ馬鹿」

Comments

There is no comment yet
Potentially sensitive contents will not be featured in the list.
© pixiv
Popular illust tags
Popular novel tags