もうすぐ共同親権制度が始まりますが、私の懸念事項を記しておきます。
第一の懸念は、単独親権が原則化して共同親権が例外的採用に留まる可能性。第二の懸念は、仮に共同親権が原則化しても、監護者指定によって単独監護権が原則化する可能性です。
まず、第一の懸念ですが、改正法は、DVや虐待のおそれがある場合、単独親権としなければならないしていますが、DVや虐待のおそれがない場合に共同親権にしなければならないとは規定していません。つまり、
DV・虐待のおそれあり→単独親権
DV・虐待のおそれなし→単独・共同どちらでもよい。
と読むのが法文上は素直なのです。後者のケースで、父母高葛藤→共同親権行使ムリ→単独親権という判断枠組を家裁が採用すると、単独親権が原則化します。
しかし、このような事態になると、改正当初から指摘されていたように、共同親権は骨抜きになります。そこで、家裁の裏ワザとして、共同親権を採用した上で監護者を指定し、単独親権ならぬ単独監護を原則的運用にしてくるやり方です。
家裁にとってこの手法のメリットは、共同親権者の間で監護計画が整わない場合に、家裁が監護計画を決めるのではなく、単独監護にしてしまう。そうすることで、家裁の仕事はかなり楽になります。自ら監護計画を考える必要がないからです。加えて、共同親権も採用しているので、改正法の面子も維持されてます。
しかし、この「共同親権・単独監護権」が原則化すれば、監護権を失った別居親は従来の面会交流で子供と会えるに過ぎなくなります。そうすると、これまで通り、面会交流不実施→親子断絶というパターンに陥り、何も変わりません。このような事態は、共同親権を望んでいた人たちの期待を大きく裏切ることになります。
このような事態を防ぐためには、代理人自らが合理的で実行可能な監護計画を立てて裁判所に提出する、「なるほど、これならできそうだし、適切な内容だ。これに反対する親は我儘だ。」と裁判官が納得してくれそうな監護計画案を提供する。これしかないと思います。裁判所は考えてくれません。
代理人弁護士は忙しくなります。頑張りましょう。