「人口5万人」の要件満たせず 茨城・阿見町が来秋の市制移行見送り
2027年11月の市制施行を目指していた阿見町は11日、要件となる25年秋の国勢調査の結果が人口5万人を超えなかったとして、市制移行を見送ると発表した。 【写真】市制施行見送りを表明する町長 阿見町は23年11月、常住人口が初めて5万人を超えたと発表。24年度に市制施行準備室を立ち上げた。25年秋実施の国勢調査の結果を踏まえ、27年11月、市への移行を想定していた。 町は市制施行を円滑に進めるために、本来は今年5月までに公表される国勢調査の速報値の使用承認を2月27日に取得。その結果、5万人に311人足りない4万9689人だったという。 ■圏央道、JR…交通の便が魅力 首都圏中央連絡自動車道の牛久阿見インターチェンジやJR荒川沖駅(土浦市)など町周辺の交通の便が良く、宅地開発も進んでいることが若い世代の移住を促しているとみられる。 町のHPによれば、毎月更新される3月1日現在の常住人口は5万721人。5万人を初めて突破した23年11月以来、24年4月をのぞいて、5万人を下回ることはなかった。緊急会見した千葉繁町長は「国勢調査の速報値が常住人口より少ない結果になるとは思わなかった」と困惑の表情を見せた。 千葉町長は「阿見市誕生を住民も職員も本当に楽しみにしてくれていただけに残念。今後も令和初の市制施行に向けて、人口増加の施策を進めていく」と話す。 結果を踏まえ、市制施行準備室はいったん廃止する。今後は常住人口が5万人を超えても30年実施の国勢調査の確定値を踏まえてから、市制施行を目指す方針だ。 総務省によると、直近では福岡県那珂川市が2018年10月に町制から市制施行に移行した例がある。茨城県によると、県内では「平成の大合併」を除くと、02年2月の守谷市が最後という。県市町村課は「人口5万人以上が法定の必須要件で、市制を施行できないのはやむをえない。人口は増加基調でまちづくりの方向性は変わらないと認識しており、県としては企業誘致や子育て支援策など、個別施策を支援していくことになる」と話す。(斉藤勝寿、床並浩一)
朝日新聞社