東日本大震災
復興計画策定の6割で外部コンサル利用 9割弱が東京本拠 本紙調査
東日本大震災後のまちづくりの方針を定めた復興計画の策定にあたり、被害の大きかった岩手、宮城、福島3県42市町村で外部のコンサルティング会社を利用した計画の割合が62%に上ることが毎日新聞のアンケートでわかった。このうち86%は東京都内に本社のあるコンサルで、大半が大手。東京電力福島第1原発事故で全住民が避難した福島県7町村は90%と特に利用率が高かった。自治体職員の人手や知見不足を補うため重宝される一方、専門家は、地域の実情に見合わない計画内容となり、役場内や地域でノウハウが蓄積されない危うさを指摘する。
契約額は平均1724万円
復興計画は被災後の自治体運営や復興まちづくりの基軸となる。法律上の策定義務はないが、地域の将来像などを住民や国、県に示すために大半の被災自治体が策定している。毎日新聞は1~2月、復興計画や付随する関連計画のコンサルの利用状況を尋ね、全42市町村から回答を得た。
復興計画や復興まちづくり計画など地域全体に関わる計画を集計したところ、92の計画のうち57の計画でコンサルを利用していた。契約額は判明分で平均1724万円だった。
コンサルの選定方法は、地方自治法で原則禁止される随意契約が56%で最も多かった。国が契約したコンサルの利用は23%、入札は15%、公募型プロポーザル方式は6%だった。
コンサル利用の理由を選択肢を示して複数選択可で質問したところ、「職員不足」と「知見不足」が大半を占めた。コンサルの役割についても選択肢を示して複数選択可で尋ねたところ、「計画の骨格(たたき台)づくり」が最も多く、住民への説明会やワークショップの資料作成▽住民の意見の集約▽計画策定へのアドバイス――が続いた。
地域別では、岩手県12市町村が11計画(利用率46%)▽宮城県15市町が12計画(同52%)▽福島県15市町村が34計画(同76%)でコンサルを利用していた。
自治体ごとにみると、42市町村の過半数の24市町村で利用があった。人口上位3市(仙台市、福島県いわき市、宮城県石巻市)は利用がなかった。一方、9市町村は複数の計画で同じコンサルを利用していた。
全住民が避難した福島県7町村(双葉町、大熊町、浪江町、富岡町、飯舘村、葛尾村、楢葉町)では、葛尾村を除き、避難指示解除の前後で改定するなど複数回にわたり計画を策定した。飯舘村は4計画で三菱総合研究所(東京)にすべて随意契約で委託(契約額計5034万円)。富岡町は8計画(同2億3560万円)中4計画(同5734万円)で日本工営(東京)を利用した。うち3計画は随意契約、1計画は競争入札だった。
人手不足でコンサル頼みに
近年は復興計画に限らず、国の補助金獲得などのため、自治体は多くの計画を策定することを求められ、人手不足からコンサル頼みとなっている実情がある。
国立環境研究所の辻岳史・主任研究員(社会学)は「自治体が時間をかけて被災した住民の声を聞き、身の丈に合った復興計画を作るのが理想だが、国の復興予算獲得のためにコンサルの力を借りて策定を急がなくてはいけない構造がある」と指摘。「コンサルへの依存度が高いとノウハウが役場内で継承されない恐れがある。大手コンサルの活用は優良事例収集や効率的なデータ解析などの良い面もある一方で、自治体が主導権を握ることが重要だ」と話す。【最上和喜、尾崎修二】