Pがなんやかんや彼女と別れて悲しんでいるのを見て好感度限界突破しているアイドルが手段を選ばない一口SS【樋口円香】
ヨワクタッテイインダヨ
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傷つき、一人黄昏れるあなた―――
ずっと、叶わないと思っていた願い―――
やっと、巡ってきた奇跡―――
コレデ アナタハ ワタシダケノモノ―――
事務所の屋上に行くとプロデューサーが泣いていた。ひどく傷つき、必死に涙を堪らえようとしている。
私は知っている。この前、彼の彼女が事務所に来て一方的に別れを告げたことを。
彼に落ち度はなく、彼女の独りよがりで幼稚な理由。
それでも彼は彼女を愛していたのだろう。その証拠に今でも彼は黄昏れて悲しみに浸っていた。
不自然に口角が上がる、歓喜に満ち溢れ歪んだ笑顔になる。
どれほど願っただろうか、どれほど待ち望んだか。
彼女がいると知って、ずっと叶わないと思っていた夢が今、叶うということに。
例え、誰かに蔑まれようとも、卑怯者と言われようとも、彼が手に入るのなら、私だけのものになると言うのならば些細なことだった。
傷つき悲しんでいる彼に私は――――――
「こんなところで休憩ですか、ミスター・サボり魔」
「ははっ、厳しいな。ちょっと休憩も入れないと大変なんだよ」
「意外ですね、情熱だけで動いているあなたがサボるなんて」
「手厳しいな・・・」
あぁ、もう手を伸ばせば届く距離にいる。仕事にすら手が付けられないほど傷ついている。
私は向き合っている彼にしなだれかかる。
「ま、円香!?」
「知っていますよ、彼女に振られ傷ついて、仕事にも集中できなくて・・・本当は結婚まで考えていたんですよね?」
「な、どうして―――」
「もう、忘れましょう。あなたを捨てた女のことなんて―――」
そうして、首筋に一つ、頬に一つ、うなじに一つキスを落とし耳元で囁く。
「あなたは悪くない、彼女が悪いだけ」
「そん・・・な・・・こと」
「ふふっ、歯切れが悪いですよ」
「円香・・・」
「安心して下さい、あなたには私がいます。コレからもずっとこの先も、永遠に。あなたを一人にしません、あなたが望む事なら何でも叶えますよ。」
「気が付きませんでしたか?ずっと前からあなたの事が好きで好きでたまらなかった。私に自由をくれたあなたが。私の事を真剣に考えてくれるところが。あなたは悪くないのに自分を責めてしまうところも」
「私はあなたの全てを慰めたかった、自由をくれたお礼に癒やしたかった」
甘い、甘い毒のような吐息を彼の耳元に吐く。
「ダメ、だ」
「いいんですよ、彼女がさせてくれなかったこと・・・あるんでしょ?全部していいんですよ?私なら何をしたって構わないんですよ?」
彼の吐息が荒くなる、もうあの女の事など頭にはないだろう。もう、彼の頭の中は、今、私のことだけだ。
「円香は勘違いしてるだけなんだ」
彼は理性を振り絞り私に諭すように言う。あと少しだ。
「あなたの事が好きです。大好きです。愛してます。付き合って下さい。私の彼氏になって下さい。ずっと一緒にいてください。大切にしますから。好き、好き、アイシテル」
「うぐ、ぁぁ、まど、か、円香ァ・・・」
「はい、ココにいますよ、ずっと側にいますよ」
ついに彼は泣き出し私を抱きしめる。彼だって人間だ。愛に飢えていて当たり前なのだ。そして、そんな事も気がつかない奴なんて忘れて、私の愛だけで満たされればいい。やっと叶った、コレで彼は私無しでは生きていけない、私だけのもの。私だけのプロデューサーだ。
「愛してますよ、プロデューサー」
「一緒にどこまで溺れましょう」
円香は倒錯的な描写が似合いすぎる