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The Works "ちょっと男子ィ、真面目に掃除やりなよぉ【術弓】" is tagged "腐向け" and "キャス弓".
ちょっと男子ィ、真面目に掃除やりなよぉ【術弓】/Novel by 85市

ちょっと男子ィ、真面目に掃除やりなよぉ【術弓】

2,072 character(s)4 mins

閻魔亭イベ楽しいですね。
年末っぽい何かと新年っぽい何かを書きたかった。
CP要素少ない術弓!!

鯖がごっそりいなくなったあそこで弓さんは今のうちに!と掃除しそうだなって思って書き出したら楽しくなりました。
大掃除は全員でしそうだけど、ワックスがけはやってないから弓一人でやりそうですよね。
弓さんには常日頃小学生っぽいことやってほしいのでやってください。それを咎めるのは術か槍がいいです。今回は術!!

※しれっと誤字直しましたいつもすみません!!

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昼間だというのにがらんとした食堂。
普段だったらお腹を空かせたサーヴァントたちで溢れかえっている筈だが。
ここにいるのは誰もいない空虚に低音を響かせた赤い外套を纏った弓を使うサーヴァントだけだった。
 
「よし、やるぞ!!」


弓を使うサーヴァントこと、アーチャー・エミヤはこの好機を逃さまいと躍起になっていた。
テーブルの上へ手際よくくるりと椅子を回転させ次々と乗せていく。次に埃を取り除き、端から水で、洗剤で、また水で床を拭き汚れを取る。床を乾かすために数十分休憩を挟むことにしたアーチャーは倉庫へ行き、現状でまだ使えそうな資材の分別を始めた。主に年末の大掃除の際にこのまま残すか廃棄へまわすか判断がつかなかった物ばかり。流石に時間が経って冷静になった頭は判断が早い。全体の三分の一が廃棄になることが確定し、それらを焼却室へ持っていった。食堂に戻り時計を確認すると三十分ほど経っていた。
「ふむ、良い頃合いだな」
そう言うとアーチャーはバケツの中にとぷとぷと液体を入れていく。床磨きのために持ってきたワックス剤は独特な匂いを放つ。それを入口付近に置くとアーチャーはわざとらしく中腰になり、用心深く辺りを見回した。

食堂内、異常なし。
厨房内、異常なし。
廊下、異常なし。

この周りに自分以外の人がいないか、丁寧に確認する。鷹の目のスキルも使用し、本当に人がいないことを確認したアーチャーは大きく深呼吸した。
「投影、開始!!」
お決まりの掛け声と共に魔力で投影したもの、それはワックス掛けに使用するためのモップだった。何ら変哲の無いただの、朱色のモップ。なのだが、どことなく何かに似ている。何か、というか誰かが愛用している得物そっくりである。モップなのに鋭利さを醸し出しているそれをアーチャーはくるりと一回転させた。両手で持ち、軽量感や質感、太さ等をある程度確認する。本物と寸分違わない、唯一違うとすればその尖端がモップ形状になっていることくらいだろう。アーチャーはフッと鼻で笑い、液の入ったバケツにモップを入れた。予め装着していた液を搾り取るモップ絞り機でモップ糸を挟み丁寧に回していく。そうして液が垂れないようになったモップを食堂の端へ持っていく。
改めて誰もいないことを確認し、咳払いをひとつ。そして、

「──────呪いの朱槍をご所望かい?」


得物を構えるその姿、自分が見据えるその向こうに敵はいないが、今のは完璧だったのではないか。新年早々に自己満足で口元が歪みかけたアーチャーは誰もいないのに三度咳払いをする。落ち着け、落ち着けオレ。軽く深呼吸をしながら片手で熱くなった顔を扇ぐ。
トットット、当の昔に動きを止めた筈の心臓が速めのリズムを刻んでいる気がしてならない。早いところワックスがけを終わらせないといけない、終わらせないといけない、そう言い聞かせてアーチャーはモップをしっかりと構え、ぐっと力を入れた。


「……その心臓、貰い受ける!!ゲイ・ボ────」
「……なにしてんだ、お前」


目の端に見えた薄い青、耳によく通るこの朱槍の持ち主よりも落ち着きのある声。
アーチャーは態勢を崩さず、顔だけをその人にゆっくりと向けた。
訝しげな瞳と目が合う。眉間に皺を寄せたその人、キャスターのクー・フーリンはもう一度アーチャーに問いかけた。
「いやマジで、お前さんなにしてんだよ……」
「……?」
「オイしらばっくれんな。ここにはお前しかいねぇぞ」
きょとん、わざとらしく首を傾げるアーチャーにキャスターは呆れた声を出す。アーチャーはふぅと息を吐き、態勢を戻すとモップを壁へ立て掛けた。そうして纏っていた外套を綺麗に消し、第二再臨姿になった。撫で上げていた髪をぐしゃぐしゃと手で掻き回し乱すと、キャスターを見下ろすように射ぬく。
「なんだ、誰かと思ったらクー・フーリンじゃないか。私はシャドウサーヴァントのエミヤ、聖杯の泥に侵されて狂化がかかっ」
「いやいやいや無理ある無理ある!!笑えねーです!!笑えねーですよ!?誤魔化そうとすんな!!こんなところに特異点エフが出来てたまるか!!」
「炎上してないか?」
「お前だけが炎上してんだよ」
「ところでキャスター、貴様は槍を欲しがっていたな?これをやろう」
「物握らせて黙っているんだぞじゃねぇよ、何がしーっだ。おいジェスチャーをするな片目を瞑るな、あの後じゃ何してもカッコがつかねぇぞ」

「そうか、では……」
眉を少しだけ下げたアーチャーは、仕方ないとでも言うようにまた赤い外套を身体に纏わせ、手にはキャスターも見慣れた双剣を握り込んだ。

「貴様を殺すッ!!」
「ほんっっとお前、手段選らばねぇよな」
褐色の肌でもわかるほど全身を赤くさせたアーチャーを前にキャスターは受け取ったモップにルーン文字を刻む。そんな恥ずかしいならやるんじゃねぇよ、やっと込み上げてきた笑いを耐えながらキャスターは双剣が叩き込む重みに槍モドキで応戦した。



2020.0109

Comments

  • そー
    January 13, 2020
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