私は今34歳だ。世間的には若い方だろう。
でも、もっと若い頃、20代までの間で、後悔が3つある。
貴重な時間とエネルギーを失った後悔が、最近まで、心にへばりついていた。
手放したと思っても、すきあらばやってくる後悔。本当に困っていた。でも、心と向き合い、ようやく、後悔との付き合い方が見えてきた。
若い頃を無駄にした後悔とどう付き合うか。
後悔に囚われた心を癒すには、3つのステップがあると思う。
3つの後悔と、3つのステップ。
私の経験談を書いていきたい。
同じように、過去に囚われ、苦しんでいる人の参考になれば嬉しい。
私の3つの後悔
「なんだこんなことか」と思われる内容かもしれない。
でも、本当につらかったから、どう思われるかよりも、自分のつらさに正直に、書いてみたい。
1つ目は、中高時代の部活選び。
中高一貫校で、演劇部に入っていた。
当初、地理研究会に入ろうと思っていたが、体験入部があまり楽しくなかった。一方、演劇部は、新入生向けの公演がとても面白かった。体験入部も、舞台の裏側を見せてくれたり、セリフを読む体験をさせてくれて、ワクワクした。
演劇自体、そこまで好きではなかった。日本各地の地理を研究するほうが明らかに好きだったし、しっくりする。
でも、舞台のキラキラ感に魅せられ、演劇部に入った。
もちろん、楽しいこともあったけど、基本的に無理に頑張る日々だった。
また、無駄に上下関係が厳しく、先輩に萎縮して、意見を抑え込むことが当然になった。
2つ目は、社会人になって付き合った元彼のこと。
完全にワーカホリックだった。私の方なんか、全然向いてくれない。すぐに疲れたと言って、会う約束をドタキャンする。
自分を大切に生きていたら、とっと付き合いをやめていたはずだ。
なのに、四年間も付き合ってしまい、時間とエネルギーをかなり浪費した。
当時は、自己肯定感がかなり低かった。
「こんな自分と付き合ってくれているから感謝しなくちゃ」、と本気で思っていた。
また、愛のある人間になりたいと、真面目に頑張っていた。相手をまるごと受け入れられる人間になれば、自分に価値があると思えたから。
今思うと、ゆがんだ洗脳みたいだ。
3つ目は、8年前に経験した、マレーシア出張。
英語で自社の事業説明をする海外出張があり、参加を表明した。
前向きに挑戦する人が素晴らしい。英語ができる人がカッコいい。当時は(今も?)そんな風潮があった。
そもそも、英語も、スピーチも好きではない。なのに、デキる自分になりたくて挑戦した。親友がインド出張を経験していて、何もしていない自分への焦りもあった。
若い頃にしかできない経験だったと思う。
でも、めっちゃ疲れた。
本当はやりたくないことに、大量の時間と労力を捧げてしまった。
後悔を手放す3ステップ
どうでしょう。しょうもない後悔でしょう。
でも、本当に手ごわくて、ことあるごとに心を占拠してたんです。
34にもなって、中学の部活選びを後悔し続けるなんて嫌だ…
元彼に囚われるのはもっと嫌だ!
いい加減自分の人生を生きたい!
試行錯誤した結果、後悔を手放す3ステップにたどり着いた。
1ステップ目。
今現在、自分が抱えているつらさを、しっかり受け止めること。
専門家に相談し、建設的な解決方法を考え、実行すること。
なんでこんなに後悔するんだろう?
そう考えたとき、根底に「今」を否定したい気持ちがあると気づいた。
私は、夫と争い、夫の人間性を疑問に思うたび、後悔に襲われていた。
演劇ではなく、大好きな地理に没頭していたら。
元彼とサッサと別れて、色んな人と付き合っていたら。
英語の勉強に労力割かずに、今は閉業した喫茶店、銭湯に通って、心地よい空間を楽しんでいたら。
のびのび明るい自分になって、夫とは結婚しなかったのに。
この思考が、とてもしんどかった。
私の場合、ひとりで夫婦関係について悩み、もがくたびに、後悔も深まっていた。
つらさの原因を過去に探ることで、今のつらさから目を背けようとしたのかもしれない。
後悔は、過去の自分を責めることだ。
「なんでお前はあんな選択をしたのだ!」
今、とてもつらいのに、さらに過去の自分も責めて、本当に息苦しかった。
後悔に囚われて苦しい人は、今のつらさに、まず気づいてほしい。
もし、友人がつらい思いをしていたら、友人の過去を責めたりしないだろう。
「どうしたの?」と話を聞き、「これからどうするか」、一緒に考えるはずだ。
自分に対しても、同じだ。
まずは、今のつらさをしっかり感じて、「つらいんだね」、と寄り添うこと。
そして、これからどうするか、考えること。
ぐるぐる悩んでいると、視野が狭くなり、一人で考えるのは難しいかもしれない。
そんなときは、専門家に助けを求めて、一緒に考えてもらうことで、一歩を踏み出せるはずだ。
私も、夫婦問題の専門家によるカウンセリングを何度も受けた。
1年以上かかったけれど、夫婦関係、自分の心、夫と自分の特性を見つめ直した。
「これからどうするか」にフォーカスすることで、後悔も減ったと思う。
2ステップ目。
心の痛みを、感じ切ること。
あまりにも後悔を繰り返すので、一度、心の痛みを全部ノートに書いてみた。
部活、本当に嫌だった!先輩も怖くて大嫌い!
元彼のくそ野郎!一生会社に埋もれてろ!
英語なんて嫌い!海外なんてどーでもいい!!
もっとのびのび生きたかった…私の20代を返して…
罵詈雑言、悲しみだらけだ。
すると、変化があった。
今まで、無意識に、心の傷を無視していたと気づいたのだ。
苦しいから思い出したくない。
過去を引きずっているのはカッコ悪い。
そんな思いがあったから、痛みにふたをしていた。
でも本当は、今だって、ザクザクと、生々しい傷がついている。
ああ、痛い…痛いよう…
痛みを感じ切ることで、傷の存在を受け入れることができた。
痛みを感じまいと力んでいた心が、ふっと緩んだ。
治せない傷もある。忘れられない傷もある。
これからも、傷を抱えたまま、生きていく。
痛みを忘れずに生きることで、過ちを繰り返さずに済むかもしれない。
この傷は、生きるための道しるべにしよう。
少し前向きな気持ちが湧いた。
痛みから必死に目を逸らそうしていたときには、気づけなかった視点だ。
ただ、心の傷と向き合うのは、かなり勇気がいる。
元気なときに、できれば専門家のサポートの下、挑戦することをおすすめする。
3ステップ目。
過去の自分の頑張りを認めること。
若い頃は、どうしても人生の経験値が少ない。
ゲームで言えば、レベル10程度、まだまだ序盤だ。
今はレベル34で、特殊技も使えるかもしれない。でも、当時は、パンチぐらいしか覚えていない。
レベル10の自分が、一生懸命、出来る範囲で頑張っていたのだ。
痛い思いをして経験値を積んだから、今、レベル34の自分がいる。
そう考えると、過去の自分に優しく寄り添いたくなりませんか?
そりゃ、楽しそうな演劇部を選んでしまうよな。
愛のある人間になりたかったよな。
海外出張憧れたよな。
成長したくて、素晴らしい人生を生きたくて、頑張ったんだよな。
しんどかったよな。嫌だったよな。泣きたいよな。
でも、あなたが頑張ってくれたおかげで、向き不向きがわかった。
高揚感や憧れよりも、しっくりを選びたいって気づいた。
成長よりも、日常を大切にしたいって、思った。
大切な価値観が見えてきて、レベル34になれたんだ。
今の私が、あなたの苦しみを無駄にしないから。
これからの人生に生かして、絶対に意味がある経験にしてあげるからな。
痛くても、悲しいままでもいい。
でも、過去の自分を責めずに、認めてあげたい。
傷を抱えて生きてゆく
3ステップを踏んで、ようやく後悔に囚われなくなってきた。
でも、たまにやっぱり後悔する。
そんなことの繰り返しだ。
若いころを無駄にした後悔って、みんなあるのかな。
みんな傷を抱えてるとしたら、少し気が楽になるかも。
傷を抱えたまま、黒歴史を抱えたまま、生きてゆく。
それがレベルアップ、大人になること。
人生なのかもしれないな。