メガソーラー建設現場の近くにいたタンチョウの親子(筆者撮影)
メガソーラー建設現場の近くにいたタンチョウの親子(筆者撮影)

「京都の山」でのメガソーラー建設計画

日本エコロジーは住民説明会で「本州で約700件の太陽光発電施設を建てているが、法令違反はせず、地元に寄り添い、いままでクレームは1件もない」と強調する。だが、取材を進めると、過去の計画地でも複数のトラブルを起こしていた。

2014年に京都府八幡市で起きた、同社が絡んだトラブルを取材した京都の地元紙記者が説明する。

「日本エコロジーとコスモスエナジー(大阪市)が男山の約9万平方メートルの山林の中にメガソーラーを建てる際、無許可で造成工事を強行し、宅地造成等規制法違反に問われました。事業者は後から届け出を提出しましたが、その間にも山の木を切り倒すことで起きる自然破壊や災害発生を危惧する市民の声が高まり、市議会は全会一致で太陽光発電設備建設反対と規制条例の制定を求める請願を採択し、規制条例が施行されたのです。

しかし、男山の開発は規制対象に入らず開発を止められないため、市が土地を買収することになった。日本エコロジー側からの提示金額は土地代、FIT権利料、逸失利益などを加えて約4億円。協議の末、市はおよそ1億5000万円の税金を使って土地を買い取る羽目になりました」

さらに、2024年7月には山口県下関市の造成工事現場から土砂が流出する事故が発生。工事許可を得た区域以外で森林伐採を行い、土砂流出措置も不十分だったことが原因とされる。大阪府は同社が建設業法に違反したとして、昨年12月から今年2月までの間、37日間の営業停止命令を出していた。

釧路湿原展望台からの眺め。太陽光パネルが立ち並ぶ景色を見る日が来るのだろうか
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こうした違反歴がある日本エコロジーについては、反社会的勢力とのつながりがあると指摘する声もある。地元紙記者が続ける。

「日本エコロジーの松井政憲社長と組んで男山のメガソーラー計画の事業主となった『コスモスエナジー』の実質的経営者・F氏は山口組系の元幹部。暴力団同士の抗争で射殺事件に関わるなど5度の前科がある人物です。松井氏とF氏は、日本エコロジーの事業に関して資金スキームなどを担当するN社でも、同じ役員として名前を連ねていました(注:F氏は有罪判決を受けた2018年11月にN社の役員を辞任)」

日本エコロジーは今年7月、釧路で計画するメガソーラーの建設予定地のうち複数件の土地を同じ太陽光発電事業を行うE社に仮登記しているが、このE社もF氏と旧知とされる人物が代表を務める企業だ。その上、日本エコロジー、コスモスエナジー、N社、E社の4社はすべて大阪市内の同じビルに本拠がある。

さらにF氏は、政界とのつながりも噂される。

「自民党幹事長だった二階俊博氏が2015年に主導した大訪中団にF氏も参加し、その縁で二階氏の次男と知り合います。F氏と二階氏の次男は、その後、太陽光関連の企業の役員にも共に就任している(注:二階氏の次男は2017年に辞任、F氏は2018年に辞任)。

ちなみに、E社からはその後の2022年にも二階氏の派閥である志帥会に100万円の政治献金が行われています」(全国紙社会部記者)

釧路で進行中の事態を受けて、関係する省庁や与党関係者も慌ただしく動いている。「真の地産地消・地域共生型エネルギーシステムを構築する議員連盟」の会長を務め、釧路を視察した自民党の古屋圭司衆議院議員に尋ねると、概ねこう回答した。

「釧路湿原へのメガソーラー設置は相応しくないことは言うまでもありません。今回のメガソーラー設置工事が行われている場所は、規制地域から外れていること、釧路市と事業者の意見や主張が食い違っており、さらには申告も不正確であることから、今後、法律改正や是正、地方自治体における対策の徹底など含め、早急に対応を進めていきます。

再エネは否定しませんが、地域の合意を得て地域の発展に資する良質な地域共生の再エネを推進するべきであり、都市部や外国資本の事業者が自らの利益を優先させ、地域の合意を得ることなく、美しい山々や田畑を潰し乱開発を進める事業は断固として反対し、規制を強化していきます」

工事を一旦中止した北斗のメガソーラー施設は、完成後の売却先が決まっている。最終的な売却先となる外資系企業に今後を尋ねると「お答えできる内容はありません」としつつ、「自分たちの利益よりも環境を優先し、今後どうするかは社会の情勢を見極めたうえで決めたい」と話した。

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