京都大は5日、霊長類研究の新体制として「ヒト行動進化研究所」と「霊長類フィールド研究センター」の2つの組織を4月1日付で設置すると発表した。同大は国内外の霊長類研究を牽引(けんいん)した「京大霊長類研究所」(愛知県犬山市)を研究費不正支出の発覚で令和4年に解体。ガバナンス(組織統治)の強化と研究の効率化に向けて学内で検討、議論していた。
同大によると、ヒト行動進化研究所は霊長研があった犬山キャンパスに置き、引き続き飼育するサル類の世界的な研究リソースを活用した実験的な研究を担う。霊長類フィールド研究センターは大学本部のある吉田キャンパス(京都市左京区)に設置。学内の別のフィールド研究分野と連携しながら、野生のサル類の研究を通じヒトの行動特性の解明などを目指す。
同大広報室は「キャンパス単位で2つの組織とすることで、それぞれの研究手法の特性を生かしつつ、研究の効率化とガバナンスの強化を図っていく」としている。
霊長研は人間の起源と進化の解明を目指し生態学や行動学、認知科学など多様な学問から霊長類を総合的に研究するため昭和42年に設置。国内外の研究をリードしたが、令和元年にチンパンジー用飼育施設の設備工事をめぐる研究費の不正支出などが発覚。同大は元所長らによる約5億円の不正支出を認定して計6人を解雇や停職などの懲戒処分とし、組織改編で事実上、霊長研を解体していた。