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なぜ米税関は「世界に50本の幻のソフト」や130万円超のゲームを破壊したのか 背景と対策 #エキスパートトピ

アニメライター/ゲームライター
Image:Stephen Kick/X

非常に貴重な「幻のソフト」が、米税関により無惨に破壊されました。1999年冬のコミックマーケットで、同人サークル時代のTYPE-MOONが配布した『月姫』の体験版フロッピーディスクです。製造はわずか50枚のみ。その緩衝材が取り除かれ、ディスクがズタズタに裂かれた状態の写真が、X上で公開されています。

こうした悲劇は以前からあり、そのたびに「税関職員が怖い」と騒がれながらも、数年ごとに繰り返されています。なぜ税関職員は、歴史的価値のあるオタクグッズを破壊するのか。そして、それを防ぐ手立てはないのでしょうか。

ココがポイント

世界に“50本だけ”幻のソフトが破壊される…『月姫』99年冬コミの体験版フロッピーを入手した海外ユーザーを襲った悲劇
出典:Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト 2026/2/27(金)

130万円以上の価値ある「ポケモン ピカチュウ」未開封品、米税関で破壊される
出典:GetNavi web ゲットナビ 2023/1/23(月)

Double Jump Video Games

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エキスパートの補足・見解

税関の職員数は数万人に対し、日々の荷物は数億件にのぼります。そのなかで、ごく一部のオタク関連品に関する知識を職員が持つとは考えにくいでしょう。

また、米税関では麻薬やテロ対策が最優先され、文化的価値の保護より「中身を徹底的に調べる」方向へ踏み込みやすいとみられます。

とくに未開封のゲームは「隠し場所」として疑われやすく、『ポケットモンスター ピカチュウ』初版も壊滅的な被害を受けました。今回紹介した事例では、グレーディング企業Wata Gamesのアクリルケースも破壊。レトロゲームの価値はこのケース込みで評価されるため、被害は見た目以上です。

対策は、まず商品名や正確な価値を明記したインボイスを添付すること、そして梱包を徹底することです。

これにより職員の裁量的な判断を抑えられるほか「梱包し直すのが面倒だ」と判断され、開封を避けられやすくなります。さらにFedExやUPSなど、コストは高いものの信頼性の高い運送会社を選べば、リスクは8割ほど減るとも言われます。

こうした事態は日本の税関では前例がないとみられるため、極端に言えば「そもそも米国に住まない」ことが、ゲームコレクターにとって最善の対策なのかもしれません。

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ありがとうございます。
アニメライター/ゲームライター

京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、マグミクスで記事を執筆中。

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