筑紫フォントが使えなくなる日
2025年11月ごろからMonotype Fontsまわりがざわつき始めました。
「フォントワークスLETS」が終了するというのです。
LETSサービス終了、Monotype Fontsサービス移行しろという話の金額が目が飛び出るほど高くて、これはもう無理じゃない…?という感じ
— あかね (@akane_neko) November 4, 2025
Monotype Fontsサービス、なんで高いのかというと基本ライセンス料金も高いんだけど、そこに「プロダクトフォント」という謎運用料金を追加してんのよ。
— あかね (@akane_neko) November 5, 2025
Monotypeのサイト記載わかりにくいからChatGPTに簡潔に説明させたけど、こういうの。
基本契約で使えるのはテストだけで本番で使うのは別料金。 https://t.co/XmDQDCz3eK pic.twitter.com/ktcPkE85T3
「フォントワークスLETS」に代わる新サービス「Monotype Fonts」では、フォントは閲覧のみ。仕事として使用できるフォント(プロダクションフォント)は5書体のみというのです。
ちょうど機会があったので、中に人に聞いてみたところ、危機感としては十分に理解されているようでした。
Monotype Fontsについて直接質問してきました。
— DTP Transit (@DTP_Transit) November 12, 2025
・現時点では、明確に伝えられることは少ない
・年末のイベントで発表予定
・まだフワフワしている部分もある(マーケットの声は聞いており、調整の余地がありそうなニュアンス)
12月9日にMonotypeから次のようなプレスリリースが出ました。
従来のプログラムをグローバル基準に合わせる取り組みの一環として行なわれた今回の変更ですが、サービスをご利用中のお客様に対し、移行についての十分な説明や明確さが欠けていました。その結果、この変更がどのように影響するのかについてのお問い合わせもいただいております。そのため、安定性を確保し、ガイダンスの見直しと改善案を検討するあいだの措置として、既存の条件を維持することとなりました。本サービスをご利用中のお客様にはご心配をおかけし、混乱を招きましたことを深くお詫び申し上げます。
長期的には LETS を Monotype のグローバル基準である高品質なプロダクト、サービス、サポートに合わせるべく、まずは2026年早期を目安に日本の市場に沿った新たなサービスプランを発表し、クリエイティブ、およびゲームのコミュニティを支援し続けることをお約束します。
フォントワークスLETSとは
2002年から提供している年間定額制フォントサービス(いわゆる「サブスク」)です。振り返ってみると、Creative Cloud導入の10年前。その当時は、定額制のフォント利用プランはありませんでした。
MORISAWA PASSPORTやCreative Cloudは、フォントワークスLETSの後続です。
MORISAWA PASSPORT(現在は、Morisawa Fonts):
2005年サービス提供開始Creative Cloud:
2012年にサービス開始(当時のCS6にはパッケージ版もあり)
ゲーム組込オプション
今回、特に大きな反発を生んでいるのが、フォントワークス書体のゲーム組込オプションの大幅な値上げです。その声を受けてか、Monotypeは「契約更新の受付期限を2026年3月31日まで延長」と発表しました。
X(Twitter)では、クリエイターや企業からの阿鼻叫喚ともいえる声が次々と投稿されています。
申し訳ないのですが合計6万円だったのが300万円になった告知を受けた時点で、個人制作者としてはLETSとの契約を終えてすべてをフリーフォントに差し替えた(このコストすら相当時間がかかった)ので、Monotypeでの条件が戻らない限り再契約はないです。 https://t.co/Ahtm4dX5rC
— 坂本昌一郎🍄RPG制作中 (@Jun_A_sakamoto) December 9, 2025
フォントメーカーって散々普及させた後で規約後付けで変更しお金請求しますよね。
— 武蔵野うどん@ (@AlchemistGothic) December 10, 2025
昔、ダイナフォントが具満タンでばら撒き、映像やゲームはダメねって後で言いだして請求していたのを思い出させる
このような改変が、ゲーム業界だけにとどまらず、グラフィックデザインでの使用にも及ぶ可能性が出てきました。
内情:Monotypeは“オモチャ”になっている?
少し調べてみると、背景には投資ファンドによる経営の揺さぶりがあるようです。数年前から海外で話題になっていた流れが、ついに日本市場にも波及してきたという状況です。
Monotype の現状は,この Medium の記事から読み取れます。投資ファンドに買収されてから,Monotype はファウンドリ買収で大きくなりました。しかし現在,Monotype は短期的利益のみを追求し,社内は疲弊しているそうです。記事末の書体設計者のコメントに説得力が増します。 https://t.co/pxFPgJZbIm
— 秘書 (@hisho_of_imy) December 9, 2025
フォントに理解のない経営層が短期利益を優先、エンジニアやデザイナーなどを大量レイオフ、AI開発に資金をつっこんだけど頓挫と。
— あかね (@akane_neko) December 10, 2025
結果、目先の利益を追って今の滅茶苦茶な料金プラン提示につながるとしたら、こんなとこに買収されちゃったフォントワークスが不運だったね…https://t.co/Bad1nGY3Lp
Monotype(フォントワークス)についての最近の話題は,数年前に同社に対して海外が経験したことが日本にもやってきた,ということのようです。この reddit のトピックを話半分に見たとしても,リンク先の TypeDrawers の投稿で否が応でも話の信頼性が増してしまいます。 https://t.co/LaAStAXIGo
— 秘書 (@hisho_of_imy) December 9, 2025
https://www.reddit.com/r/typography/comments/18yi487/whats_going_on_with_monotype/?tl=ja
次のブログで、この流れを的確に解説くださっています。
買い切りでも大幅値上げ?
サブスク(Monotype Fonts)じゃなくて、買い切りの手があるじゃん!!と思いきや、結構な金額になっていてビビります。
愛用しているMonotypeの「たづがね角ゴシック」、2017年に買ったときはキャンペーンもあって7万くらいだったけれど、いまは30万弱なんだね。
— LLL_Kobayashi (@luktar) December 12, 2025
仮にフォントワークス書体がMyFontsでバラ売りされたとしても、数揃えようとするとなかなかのお値段になりそうな……😥 https://t.co/K7zK2Hi8ML
「買い切りなら安心できるのか」といえば、それも安心できません。
「モノタイプ令和の役」
フォントワークスがMonotypeに買収されたのは2023年。そこからさほど時間も経っていませんが、状況は非常に不穏な方向へ進んでいます。
もしこのままフォントワークス書体が使われない流れになったら、後世の書体、デザイン、DTP、印刷の歴史に「Monotypeショックによりフォントワークス書体の使用が激減。モリサワ一強の時代へ」みたいな項目が追加されることになるのでは(本当にどうにかしてほしい)
— LLL_Kobayashi (@luktar) December 9, 2025
発表も遅かったしそりゃこうなるよね…としか思えんです
— Al shamaryh (@AShamaryh935) December 10, 2025
結局LETSサイドは顧客と信頼を、ユーザーは安心して使えるフォントブランドを失っただけで、誰も得してないのが悲しい…..
後世、モノタイプ令和の役と呼ばれるかもしれない。
— 樋口泰行/イラレおじさん (@higuchidesign) December 9, 2025
フォントのライセンス料が上がるとしたら、当然ながら我々デザイナーは「別のフォントで代替できないか?」を考えるようになります。
本記事のタイトルは「筑紫フォントが使えなくなる日」としましたが、正確には「筑紫フォントを使わなくなる日」ですね。
「日本だけ特別」というわけにはいきません。次のような心構えをあらかじめ検討しておく必要がありそうです。
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筑紫フォントの生みの親御さんは、すでに20年前から筑紫書体は自分の手から離れて独自に一人歩きしていき、、、自分の意思などとは別なのだなと感んじているそうです。 筑紫書体は多くの方に支持されて世の中にたくさん使われています。この方もXをよく更新されています。Xを見ているんですね。この方…