警察による交通取り締まりへの信頼の根幹を揺るがす由々しき問題だ。全国の警察にとって、今後の取り締まりに悪影響を及ぼしかねない。実効的な再発防止策を徹底しなければならない。
神奈川県警の第2交通機動隊の40代男性巡査部長らが、速度違反の取り締まりなどでうその書類を作成していたことが明らかになった。県警は交通反則切符(青切符)に事実と異なる取り締まり状況を記載したなどとして、巡査部長ら7人を書類送検した。
裁判所の判断を仰がず、警察官の「現認」に基づいて反則金納付で処理する交通反則通告制度は、警察当局への信頼によって支えられている。それを裏切った責任は極めて重大と言わざるを得ない。
県警は関与した違反2716件を取り消し、納付済みの反則金約3457万円を還付する。取り消し対象者の居住地は1月時点で岡山、広島、香川など38都道府県に及んでおり、順次個別に連絡する。不適切な手続きによって免許取り消しや停止などの処分を受けた運転手もおり、トラックなど職業ドライバーの場合は仕事に支障が出た可能性もある。対象者への真摯(しんし)な対応が急務だ。
具体的な不正行為では、パトカーなどで一定の距離を保って追跡し、速度を計測しなければならない取り締まりで、実際の追跡距離より長く青切符に記載した。また、違反を否認され、現認した警察官らが現場で実況見分調書を作る必要があるにもかかわらず、再訪したように装って虚偽の書面を作っていた。
看過できないのは、不正が発覚した第2交通機動隊の小隊では、虚偽の書面作成などが常態化していたことだ。取り締まりの経験が豊富だったとされる巡査部長の誤った手法を他の隊員が追随。小隊内で自浄作用は働かず、巡査部長の上司に当たる小隊長も加担するなど管理監督責任は全く果たされていなかった。
交通部門では、事故抑止にどれだけ貢献したかが評価基準となり、取り締まり件数も一つの要素になるとされる。巡査部長は「事故防止のため」などと釈明したとされるが、取り締まりのルールそのものを守っていなかったのは言語道断だ。不正が繰り返された背景には、成績主義への偏重もあったのではないか。
再発防止として警察庁は、全国の警察本部に取り締まり状況を点検、指導するチームの新設を指示した。書類の作成状況などを確認し、業務に不適切な点がないかなどを調べる。客観的に検証するため、違反告知時に運転手が否認した場合は、警察車両のドライブレコーダー映像を保存し、幹部職員らも確認できるよう検討する。
こうした点検や検証に当たっては、抜き打ちで実施するなど厳正なチェックが欠かせない。摘発件数のみを評価するような意識からの脱却も必要だろう。
神奈川県警の第2交通機動隊の40代男性巡査部長らが、速度違反の取り締まりなどでうその書類を作成していたことが明らかになった。県警は交通反則切符(青切符)に事実と異なる取り締まり状況を記載したなどとして、巡査部長ら7人を書類送検した。
裁判所の判断を仰がず、警察官の「現認」に基づいて反則金納付で処理する交通反則通告制度は、警察当局への信頼によって支えられている。それを裏切った責任は極めて重大と言わざるを得ない。
県警は関与した違反2716件を取り消し、納付済みの反則金約3457万円を還付する。取り消し対象者の居住地は1月時点で岡山、広島、香川など38都道府県に及んでおり、順次個別に連絡する。不適切な手続きによって免許取り消しや停止などの処分を受けた運転手もおり、トラックなど職業ドライバーの場合は仕事に支障が出た可能性もある。対象者への真摯(しんし)な対応が急務だ。
具体的な不正行為では、パトカーなどで一定の距離を保って追跡し、速度を計測しなければならない取り締まりで、実際の追跡距離より長く青切符に記載した。また、違反を否認され、現認した警察官らが現場で実況見分調書を作る必要があるにもかかわらず、再訪したように装って虚偽の書面を作っていた。
看過できないのは、不正が発覚した第2交通機動隊の小隊では、虚偽の書面作成などが常態化していたことだ。取り締まりの経験が豊富だったとされる巡査部長の誤った手法を他の隊員が追随。小隊内で自浄作用は働かず、巡査部長の上司に当たる小隊長も加担するなど管理監督責任は全く果たされていなかった。
交通部門では、事故抑止にどれだけ貢献したかが評価基準となり、取り締まり件数も一つの要素になるとされる。巡査部長は「事故防止のため」などと釈明したとされるが、取り締まりのルールそのものを守っていなかったのは言語道断だ。不正が繰り返された背景には、成績主義への偏重もあったのではないか。
再発防止として警察庁は、全国の警察本部に取り締まり状況を点検、指導するチームの新設を指示した。書類の作成状況などを確認し、業務に不適切な点がないかなどを調べる。客観的に検証するため、違反告知時に運転手が否認した場合は、警察車両のドライブレコーダー映像を保存し、幹部職員らも確認できるよう検討する。
こうした点検や検証に当たっては、抜き打ちで実施するなど厳正なチェックが欠かせない。摘発件数のみを評価するような意識からの脱却も必要だろう。