領土の扱いが和平交渉最大の障害に 譲歩求めるトランプ氏、ウクライナ「不公平」と反発

ウクライナ侵略4年

1月24日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで、ロシアのウクライナ侵略終結に向けた協議を行う米露ウクライナ3カ国の高官ら(UAE政府提供・ロイター)
1月24日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで、ロシアのウクライナ侵略終結に向けた協議を行う米露ウクライナ3カ国の高官ら(UAE政府提供・ロイター)

24日で開始から4年を迎えたロシアによるウクライナ侵略では過去1年間、早期和平を目指すトランプ米政権の仲介で和平交渉が活発化した。ただ、ウクライナ領土の扱いなど重要問題を巡ってロシア、ウクライナとも安易な譲歩を拒否しており、交渉は今後も難航が続くと見込まれている。

ロシアとウクライナは昨年5月、米国の仲介で約3年ぶりに和平交渉を再開。交渉は7月までに計3回行われたものの、ロシアはウクライナに東・南部4州の割譲を求めるなど強硬な姿勢を崩さず、和平への具体的な進展は得られなかった。

プーチン露大統領は8月、米北部アラスカ州アンカレジでトランプ米大統領と会談。ロシアは公言はしていないものの、この会談で「ウクライナが東部2州を割譲し、南部2州では現在の前線で戦闘を凍結する」との方式で停戦を実現するとした「アンカレジ精神」が米露間で確立されたとの立場を示唆している。

米国は11月、ロシアの主張に沿う形で、ウクライナに東部2州の割譲などを課す和平案を提示。ウクライナは和平案の修正を求めて米国と協議した。協議で米国は領土割譲案を取り下げる代わりに、ウクライナに東部2州の保持地域からの撤兵と同地域を「経済特区」とする案を提示した。

トランプ氏は「ウクライナは早く交渉の席に着いた方がいい」などと述べ、ウクライナ側に譲歩を求めている。ただ、同国のゼレンスキー大統領は撤兵には原則として応じない立場だ。トランプ氏がロシアではなくウクライナに譲歩を求めていることについて「公平ではない」と不満を示している。

和平案の策定作業が難航する中、米露とウクライナは今年1月下旬、初めての3カ国高官協議を開催。2月中旬までに計3回の協議が行われたが、領土の扱いに関して結論は出ていない。

ロシアも、米国が当初の和平案から東部2州の割譲案を削除したことなどに不満を表明。プーチン氏は「交渉で和平が達成されない場合、ロシアは東部2州を武力で掌握する」と妥協しない姿勢を強調している。

領土以外でも、停戦後のウクライナの「安全の保証」の仕組みや、露軍の占拠下にあるウクライナ南部ザポリージャ原発の扱いを巡って3カ国の見解は一致をみておらず、ロシアとウクライナ双方が受け入れ可能な和平案を策定することの難しさが浮き彫りになっている。(小野田雄一)

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