高額療養費限度額引き上げとOTC類似薬値上げ
高市早苗が就任してわずか3ヶ月。1/23に衆議院を解散し、1/27に公示、2/8に投開票が行われた。解散から投開票までわずか16日間という戦後最短の選挙戦であった。解散総選挙の意義も公約の説明も不十分なまま、自民党が総定数465議席のうち316議席を確保した。なお、今回の選挙にかかった費用は855億円だという。はっぴゃくごじゅうごおく!
財務省が作成した「令和8年度社会保障関係費の全体像」によると、社会保障関係費は39.1兆円を計上、高市政権が昨年末に決めた高額療養費制度の限度額引き上げによる国費削減分は300億円、社会保障関係費全体の0.076%である。今回の解散総選挙がなければ高額療養費の限度額引き上げは2年間は阻止できた金額である。
高額療養費制度は1ヶ月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、限度額を超えた分が後で払い戻される大変ありがたい制度である。入院や手術で医療費が限度額を超えることはよくあり、老いも若きも人間は病や怪我からは逃れることはできない。私自身も家族も友人も世話になったことがあり、この制度がなければ気軽に医療が受けれられないと言っても良い。それが2026年8月から一律に7%値上げされ、年1回から3回までの利用者が対象となるため制度利用者の約8割が値上げされることになる。
厚生労働省は限度額引き上げの目的のひとつに現役世代の保険料負担軽減を掲げているが、加入者1人当たりの保険料軽減効果は年間で約1400円、月額でわずか約116円にとどまる。また、限度額引き上げに伴う受診抑制は1070億円を見込んでおり、社会保障関係費を削るために国民の命が削られるという本末転倒の愚策である。石破茂が首相だった時は限度額引き上げを見送る方針を表明していたが、高市早苗に政権が変わってからまた蒸し返されて限度額引き上げが現実となり、命に関わるのでここは大いに反対したい。
また、2027年3月からはOTC類似薬の77成分・約1100品目が窓口で追加で自己負担が増える。薬剤費の25%を「特別の料金」として保険外で徴収され、残りが3割負担とされる。OTC類似薬とは、医師の処方箋が必要な医療用医薬品のうち、ドラッグストアなどで処方箋なしで購入できる一般用医薬品(OTC医薬品)と同じ成分や効能を持つ薬を指す。例としてあげると、ロキソニン、イブプロフェン、アレグラ、アレジオン、ガスター、ヒルドイド、リンデロンといった解熱鎮痛剤や抗ヒスタミン剤、ステロイドなどお馴染みの医薬品であり、偏頭痛やアレルギー持ちの私も日常的によく使用しているものである。
具体的にどれだけ患者負担が増えるか見てみよう。3割負担の患者に1,000円の医薬品が保険診療で処方された場合、患者はまず薬剤費の25%として250円を支払うことになる。さらにこの250円は保険診療外となるため消費税10%分の25円も支払う必要があり、「特別の料金」として計275円の支払いが発生する。残りの750円(薬剤費の75%)にも健康保険の3割負担(225円)がかかるため、自己負担額は合計で500円となる。現行なら300円で済んでいたのが約1.7倍になり、最終的に薬剤費全体の5割を負担することになる。
こういった日常的によく使用する医薬品の価格が上がるのは虚弱でもやしっ子な私には大変辛く、心底やめてほしいのでこちらも大反対である。なお対象薬剤一覧はこちら。消毒用エタノールまで対象になっててビビる。しかも今後、対象の医薬品が増える上、「特別の料金」の割合も増えるという。殺す気か。
そもそも保険料を支払っているにもかかわらず3割負担以上の給付を求められることは、健康保険法等の一部を改正する法律(平成14年法律第102号)附則第2条 「医療保険各法に規定する被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持するものとする。」に反する。法律に抵触している制度が罷り通ることがあってはならない。
厚生労働省は、OTC類似薬の患者負担増に関しても高額療養費限度額引き上げ同様、現役世代の社会保険料負担軽減を目的としているが、1人あたりの保険料軽減効果は年間で約1200円、月で約100円にとどまる。現役世代も病気になれば当然これらの医薬品を利用するのだから、全世代にとって全くありがたくない話である。日曜討論も出演できないくらいリウマチで手が痛い人も痛み止めとしてロキソニンを処方されているはずだから、リウマチ患者にとっても当然嬉しくない制度である。
このように高額療養費制度限度額引き上げやOTC類似薬の窓口負担増は、虚弱でもやしっ子な私には死活問題なのである。
高市政権になって憲法改悪が現実味を帯びているが、すでに社会保障制度という国民の安心や生活の安定を支えるセーフティネットすらもしれっと壊そうとしているので、随時監視して全力で批判・抵抗しなければならない。社会保障制度は社会保険、社会福祉、公的扶助、保健医療・公衆衛生からなり、まさにゆりかごから墓場まで私たち国民が安心して生活を営むために、生涯にわたって国が責任を持って支えなければいけないものである。それを後回しにし防衛費を上げ(防衛予算案は過去最高の9兆円)、改憲を目論む政治家や、自称「身を切る改革」の維新は国民の命を削るだけのゴロツキ集団なので激しく糾弾されなければならない。近々、高市政権反対およびEND維新スタンディングをやりたいと思うので、また路上でお会いしましょう。


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