見解「診断が出てから」が当たり前になりがちな社会で、診断を待たずに「困っているなら、今支える」という大学の姿勢に心温まりますね。 ただ、現実的な視点として学生時代は「単位を落とす」や「期日に遅れる」などの結果は、自分に返ってくることが多いです。しかし、社会に出ると話は違ってきます。 遅刻ひとつ、メールの見落としひとつが自分の評価だけでなく、チームの損失になりえるプレッシャーは想像以上。だからこそ、学生の頃に自分の特性を理解した自信があっても、社会人になってから心が折れて二次的な抑うつ状態になってしまう人もいます。 発達障害に関係なく、人は出来ないことを減らすより、上手く出来ない自分とどう付き合うかを知る方が難しいけど、大切なこと。学校での支援はゴールではなく、そのヒントを拾う道中。ただ『一人で抱えなくていい』という成功体験を持って社会に出ることは、いざという時のお守りになります。
コメンテータープロフィール
兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。