川勝平太
かわかつへいた
大阪府で生まれ、京都府京都市で育つ。1997年以降長野県北佐久郡軽井沢町に自宅がある。静岡県知事時代は基本的に静岡市葵区にある知事公舎に入居していた。
早稲田大学政治経済学部教授、国際日本文化研究センター副所長、財団法人総合研究開発機構理事、学校法人静岡文化芸術大学学長(第2代)、静岡文化芸術大学理事長(第2代)を歴任した。
元静岡県知事の石川嘉延に自著で唱えていた「富国有徳論」を県のスローガンに提案するなどブレーンとして活動した。同書においてこの考え方はSDGsの考えと合致するとも述べている。意外なことに最初は知事になる気は無く、立候補の可能性を否定していた。教授時代から長年石川に関わっていたことにより、二転三転しつつ、地元の京都府ではなく静岡県で最終的に民主党、国民新党、社会民主党の推薦で同選挙への立候補を表明した(当初は自民党も推薦していたが離脱)。
2009年7月7日、静岡県選挙管理委員会の告示を経て、静岡県知事に就任。そこから4期(公選第17・18・19・20代、4期目は途中で辞任)。最初の当選では次点の坂本由紀子に約1万票差であったが、それ以降の三期はいずれも大差で当選している。県議会では「ふじのくに県民クラブ」に支持されていた。
失言で有名だが、その分議案の穴を指摘するのにも優れている。愛知県知事の大村秀章と併せて誹謗中傷ヘイトに強い知事として有名だったが、大村は中央新幹線の工事を許可しない件で他の沿線の知事同様に良い感情を持っているとは言えなかった。県庁所在地の市長と仲が悪いのも似ている(静岡の方は現在は異なる)。
また大村も辞職を求められる事件にあっているが両者とも本人達が必ずしも悪いとは言いがたい。そして選挙に強い。
知事在職中に数々の物議を醸す失言や行動が続いたため、何度か辞職の声が上がっており、特定の職業に関する失言が何度目かの炎上を以って2024年4月に知事辞任の表明を行った。5月9日、知事を退任し記者会見をし県庁を後にした。
色々あるが主に注目を集めたものを挙げている。
- 静岡空港
前任者に引き続き。空港駅案も前知事の石川の発案で川勝自身はそこまでこだわっておらず、JR東海が空港駅を造る事と引き換えにリニア中央新幹線を許可すると誤解されがちだがそんなことはない。
しかし山梨県知事の長崎幸太郎は空港駅を造る案を出すと川勝は好意的に受けとった。
- 中央新幹線
中央新幹線の工事を巡って、大井川の水量減少対策が示されていないとして、着工の許可を認めなかった。これもよく誤解されがちだが、川勝自身は反対も妨害もしていない。
そして一部の記者に県としての見解を出しているにもかかわらず川勝が一人で個人的感情論として切り取られる事もよくあった。実際はJR東海側にも専門の学者がいるように、静岡県側にも中央新幹線と大井川の対策のための学者が数人いて専門部会や工区現地調査に同行している。
その上で工期の遅れやトラブル、開業が延期したのもだいたいこいつのせい並や果てに全ての元凶言わんばかりに川勝が悪いように誘導されていて、ニュースサイトは事実とデマが入り混じってカオス状態であった。
ヤフコメでは当初川勝が批判されていたが、他県の工区の遅延、問題もあってかリニア中止を呼び掛けるコメントが多くなり、リニア推進のコメントにはうーんを乱打していた。ところが今度は100以上のコメントすべてがリニア批判という者が(1人2人ではない人数で)現れ、JR東海だけでなく国土交通省や山梨県叩きを始めるなど川勝がどうとかではなくなってきている。実際川勝が退任後もこの調子が続いており、結果川勝はリニア問題を隠すために批判されていたに過ぎないと言える。
ただ川勝関係なく、全国のリニア工区沿線の住民による静岡県も含んだ「リニア差し止め訴訟」は起こされており、問題も度々ニュースになっていたが川勝在任中はvsJR東海の構図が作られており、川勝批判が目立っていただけである。
- 対中韓外交
2010年1月の中華人民共和国訪問に際し、石川に同行。石川と並んで当時副主席だった習近平らと会談することになった。
2013年4月30日、大韓民国の忠清南道と友好協定を締結した。
2014年3月22日、同年6月の朝鮮通信使を顕彰する記念式典に当時の韓国大統領だった朴槿恵の出席を要請する招待状を送付していたことが明らかとなり、県内外から電子メールや電話など180件の苦情が寄せられた。
悪意のある切り取り繋ぎ合わせも存在するので注意。
リニア関連
- リニアの遅れは神奈川県のせい
神奈川県の用地取得が進んでいないことを受けての発言。
- 山梨県の水は静岡県の水
過去ジャイアニズムとされて炎上した発言であるが、実際は山梨と静岡の水源が繋がっていることへの危惧の発言で、その後「山梨の水静岡の水」発言はしないとしている。これもふくめてボーリング調査を知事の立場を利用して妨害したと誤解されているが、静岡市長の難波喬司は県境まで水平ボーリング調査してもよい説を唱え、川勝は県境300m地点まで許可し、実際はマシンの故障で300mまで達して無いので妨害してない。これは川勝辞任に至るまでとうとう県境300mまで到達する事は無かった。
その他
- コシヒカリ発言
2021年10月23日、参議院静岡県選挙区補欠選挙に出馬した浜松市中区出身の山﨑真之輔への応援演説を同市で行った際、対抗候補の若林洋平が前御殿場市長であることから、御殿場市と浜松市とを比較して下記の発言をした。
「こちら、食材の数でも439ある静岡県の食材のうち3分の2以上がここにある。あちらはコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている」⇒演説全文アーカイブ
その後「御殿場に対して何か批判めいたことを言ったというようにお受け取りになったのは、それは誤解であるということを明確に申し上げる」と主張し謝罪はしなかった。このため、苦情が殺到するなど炎上。この影響で御殿場産コシヒカリが注目を集めた。
- ヤクザ・ゴロツキ発言
自民党県議団に質問され、「県議会にはヤクザもいる、ゴロツキもいる。そういうゴロツキと一線を画してバンバンやってほしい」など、後に謝罪している。
- 中山真珠問題
先述の「ふじのくに県民クラブ」からの支持を受けて、川勝の不信任案が否決されたその後、メンバーの県議だった中山真珠が無免許で事故を起こし、県議会や県内外で辞職の声があがる中、川勝は「きわめて残念」としながらも、「中山県議は志の高い方。非常に苦労されて今の仕事をされていると承知している」と県議を続ける事を容認するような擁護をし、「自身の不信任案に反対票を入れた議員だから庇うよね」などと炎上した。
- きれいに見えない
知事選中の集会で、「めちゃくちゃ顔のきれいな子はあまり賢いことを言わないとですね、なんとなく、もうきれいになる。(略」と静岡文化芸術大の学長時代のエピソードを発言、半年後に女性蔑視だと批判された。
- 台風15号
2022年9月23日から24日にかけて台風15号の影響で静岡県が記録的な豪雨被害に見舞われた際、県による自衛隊の災害派遣の要請が遅かったとの批判が起きた、原因の一つとして、県と静岡市の連携不足や首長の不仲が取り沙汰された。当時の静岡市長だった田辺信宏は「知事の電話番号を知らない」と言って川勝に責任を押し付け、川勝は「市からの要請を待っていた」と返した。
その後「知事に連絡できなくともなんとでもなっただろう」と市民からの猛反発が田辺に向かい、任期満了で引退する原因になった事件である。川勝も炎上したが田辺も全国紙に載らないだけで炎上やトラブルを負けじと起こしている。
- 2022年の漢字は「水」
リニア問題への対応や台風15号の被害を例に挙げ、その後「送迎バス児童置き去り事件」と絡め、「牧之原市の幼稚園で、いたいけな子どもさんが熱気の中である意味水分を全部、体内から吸収されてお亡くなりになった、それもある意味で…広い意味で『水』と関係していると思う」と言い。不謹慎だと批判される。
- 職業差別
2024年4月2日、静岡県庁で新規採用職員向けの訓示を行った際、「実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね」と語り、読売新聞が物議を醸すだろうと報じた。他メディアも職業差別だと批判し、4日までは1400件以上の苦情が県庁に殺到した。
川勝は読売新聞に悪意の切り取りをされたとしているが、6月の議会を以って辞職を明らかにした(実際には4月で辞職し、5月に静岡知事選挙である)。
鈴木康友:現静岡県知事(2024年6月〜)。川勝の県政を一部評価しているが、中央新幹線の水平ボーリング調査の是非に関しては川勝よりも積極的であった。
リニア中央新幹線:良くも悪くも川勝の県政の評価を一番左右したのは、静岡工区の見解と姿勢である。さらに川勝が知事辞職をし、県知事選挙中に岐阜県の瑞浪市でのため池が枯れ、井戸の水位が低下してもJR東海が一年放置してた事が報じられ、知事が代わった途端にどんどん問題が表面化した。
細川ガラシャ:静岡県知事辞任の際、現在の心境を記者に問われて辞世を引用したが、辞任の理由が理由だった為、「自己陶酔が過ぎる」「ナルシスト」等の批判を浴びた。ガラシャの辞世を退任時に引用した政治家は、他に細川護熙元首相がいるが、彼の場合は熊本藩主細川家の当主であり、ガラシャの直系子孫にあたったため、さしたる批判は受けていない。