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ノルウェー王太子妃との協力解消・見直しへ。人身売買や性的虐待に反対する団体 性犯罪者との親交を受け

北欧ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会会員
性犯罪者ジェフリー・エプスタインとの親交が文書で明らかになり、王太子妃の後援を受ける団体が協力の解消や見直しを検討する事態となっている。写真:Splash/アフロ

性犯罪者ジェフリー・エプスタイン氏と親交があったことがエプスタイン文書で発覚し、ノルウェーのメッテ=マリット王太子妃は厳しい立場に置かれている。

両者のメールのやり取りからは、エプスタインが子どもに対する性犯罪者であることを、王太子妃がグーグル検索を通じて知っていたであろうことが判明した。それにもかかわらず、なぜ交流を続けていたのか。

ノルウェー世論は王太子妃自身の言葉による説明を待っている。

だが現在、王太子妃の長男であるマリウス・ボルグ・ホイビー被告は、性的暴行を含む38件の罪に問われ、裁判が同時進行中。

どういう目的であれ、記者会見をしたり、報道陣の前に現れれば、裁判のことも質問されるのは避けられない。

裁判中はコメントしないとしていたが、7週間も続く裁判が終わるまで、エプスタイン文書に関しても何も言わないというのは、危機管理対策としては好ましくない。

王太子妃は2018年に肺線維症と診断され、酸素の取り込みが困難な状態にある。健康状態が悪化していることから、肺移植の可能性も昨年末に発表されたばかりだ。

そのため、ノルウェー国民は、王太子妃の体調が良くないことも知っている

先日、夫であるホーコン王太子は「私は王太子妃を支え、守らなければなりません」「彼女は話したいと思っています。しかし今はそれができません。そして私は彼女に対して、今はそれをしてはならないとも伝えています」と話した。

「彼女には気持ちを整理する時間が必要」という王太子の言葉の裏には、妃の体調も関連しているであろうことは、ノルウェー国民なら予想がつくことだ。

しかし、のんびりと待っていられない立場の人々もいる。

王太子妃の高位後援を受け、協力関係にある団体だ。

ノルウェーの王族は、それぞれが特定の団体を後援している。

王室後援には長い歴史的伝統がある。

今日ではこの制度は、社会生活の重要な分野における団体や行事に対する認知・評価として機能している。

かつてのより不安定な時代には、実際の物理的保護、すなわち護衛や保護状といった形での保護を意味することが多かった。

現代においては、王族がこれらの団体およびその重要な活動についての知識と関心を高めることに貢献することが目的である。

団体に加え、フェスティバル、展覧会、会議などの単独イベントも王室後援を受けることができる。

王族は、自らの後援先について、代表者が活動内容を報告する謁見の場を通じて、あるいは各種行事への出席や周年記念における参加・祝辞などを通じて関与することがある。

王室公式サイト Kongelege beskyttarskap

後援を受けているのは、ノルウェー社会に貢献し、社会的に弱い立場にある人々を守ることを目的とする団体やイベントが中心だ。なかには、子どものために活動する団体もある。

子どもに対する性犯罪者と王太子妃とのメール内容を見た後も、「後援を受けるのか?」という質問が報道陣から投げかけられている。

後援対象となっている団体側も、「このままでよいのか」と自ら判断を迫られる状況に置かれている。

だが、王太子妃からの説明は、まだノルウェー社会にされていない。各団体が決断を下すための材料が不足しているのだ。

性と生殖に関する健康と権利のセンター「Sex og samfunn」は2月2日という早い段階で、この関係を解消すると発表した。

王太子妃が後援していたのは、同団体が「性にまつわる偏見や恥の意識を取り除くことに貢献してきた」人に贈る「恥知らず賞」だ。

当財団にとって重要であったのは、私たちの患者、すべての性的虐待被害者、そして性的虐待の予防に取り組んでいるすべての人々への配慮である。

恥知らず賞の受賞者の中にも、そのような活動に尽力してきた人々が複数含まれている。

そうした人々への配慮から、私たちは今メッテ=マリット王太子妃陛下に対し、恥知らず賞の後援者としての協力を終了したいと考えている。

Sex og samfunnは、本件についてすべてを把握しているわけではないことを認識している。

しかし、すでに明らかになっている事実だけでも、恥知らず賞が掲げる理念とは両立しないと考えている。

Uttalelse fra Sex og samfunn

さらに2月9日、ノルウェー精神保健評議会は、王太子妃との協力を一時停止すると発表した。

私たちは協力を一時停止する。

この重大かつ深刻な状況において、その時間を持つのは当然のことだと私たちは考えている。

2026年に王太子妃との活動や協力は予定されておらず、今後も計画していない。

性的虐待で有罪判決を受けたエプスタインとの関係について、より多くの知識と全体像が必要だ。

人身売買、暴力、性的虐待に関する事案について、私たちはいずれも強く非難する立場である。

性的被害を受けた子ども、若者、成人は、より高い確率で心身の不調を抱える大人となり、自ら命を絶つリスクも高まる。

誰も沈黙や曖昧さに加担してはならない。

それは被害を受けた人々に恥を残すだけであり、加害者を自由にしてしまうことにつながる。

これは私たち全員に関わる問題である。誰一人として性的虐待の被害に遭ってはならない。

公共局NRK:Rådet for psykisk helse setter samarbeidet med kronprinsessen på pause

王太子妃は読書好きとして有名だ。エプスタイン氏とのやり取りでも読書に関する内容がある。ノルウェー図書館協会は、王宮との対話が行われているとして、王太子妃との関係を解消しないことを決定した。

子ども、性、メンタルヘルスといった分野で活動する団体ほど、今後の関係について深く悩み、内部で協議を重ねているのが現状だ。

複数の団体は、王太子妃からの直接の言葉がいまだ社会に発せられていないとして、王室からさらなる説明が必要だと訴えている。

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参照

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ありがとうございます。
北欧ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会会員

あぶみあさき。オスロ在18年目。ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信。写真家。北欧・日本プロジェクトコンサルタント。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者(9言語目:ノルウェー北極大学の授業「北サーミ語」を受講中)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』

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