公明党が長年牙城としてきた兵庫8区(尼崎市)では、参院からくら替えし、30年ぶりの自民党公認候補となった新人の青山繁晴氏(73)が当選を確実にした。盤石だった公明前職が中道改革連合の候補として比例単独に回り、立憲民主党出身の中道新人、弘川欣絵氏(50)が立候補。自民と連立を組む日本維新の会の前職、徳安淳子氏(64)と保守票を奪い合ったが、知名度を誇る青山氏が制した。
「みなさんが心を一つにしてくださった。30年ぶりの自民党候補として当選させていただいた責任を全うしたい」。当選確実の報を受け、尼崎市内の選挙事務所に姿を現した青山氏は、集まった支持者らに笑顔であいさつ。「拉致被害者を救出するぞ」「尼崎モデルで日本を良くするぞ」と拳を突き上げた。
公明の「常勝関西」を象徴する兵庫8区で、公明と選挙協力を続けてきた自民は、保守派の論客である青山氏の知名度を武器に選挙戦を展開した。
「(投票の選択肢を奪われた)主権者の権利を取り戻す」として「尼崎に本物の保守の代議士を」とアピール。街頭での名前の連呼は控え、連日マイクを握り、個人演説会を積極的に開催した。先端技術を持つ町工場の経営者や伝統野菜の農家などとも対話を重ね、保守層を中心に支持を広げた。
一方、弘川氏は同市議会で第一党という公明市議らの組織的な応援を受けたが及ばなかった。徳安氏は、県議を5期務めた経験を生かし、地域密着をアピールして与党対決に臨んだが、維新の「国保逃れ」の逆風もあり、届かなかった。