Vol.563「首相は日本国債の『信用保証人』である」
(2026.1.27)
【今週のお知らせ】
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…高市早苗が衆院解散会見で「積極財政」と「食料品2年間消費税ゼロ」をダブルで打ち出したことが、日本の信用を国際的に揺るがす事態となっている。これは、国債を増発して借金を増やしつつ、税収を減らすという政策だ。日本国債を買っている国内外の金融機関や投資家の間では、日本の財政運営への不安が広がり、長期国債が売られて利回りが上昇した。「長期国債の利回りが上がる」とどうなるのか?近年、日本では「自国通貨建ての国債なら、どれだけ発行しても、日銀がおカネを刷って買えばいいので、破綻しにくい。だから緊縮財政なんかやめるべき」と主張するMMT理論(現代貨幣理論)がもてはやされてきたが、それは一体どうなったのか?
※「ゴーマニズム宣言」…今回の選挙に当たって、自民党と統一協会の癒着を批判したら、ネトウヨが「立憲民主党だって公明党=創価学会と一体になったじゃないか!」とか言い出すらしい。もちろん、創価学会の問題についても聞いてはいるし、わし自身も創価学会に入信した友人がしつこく折伏しに来て辟易した経験がある。しかし、そもそも自民党の方が26年も公明党と連立を組んでいたのだが、それを措いても、創価学会と統一協会とは全然違う。文化との観点から、統一協会とは違い創価学会を評価できることとは何か?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…なぜ、鳥山明先生と同じような路線にいながら、地味な政治というジャンルのマンガを描こうと思ったの?NHKの朝の連ドラを始め、最近のドラマや映画で描かれる恋愛は「ピュア」すぎでは?漫画を描いていく上で、カルトとの対峙は避けて通れない宿命だった?「ヤンキー」「不良」についてどう思う?K-POPのガールズグループ・ILLITの魅力とは?日本が男尊女卑の国で無くなったら、酒の席で女性が自主的に男に対して酌をすることもなくなる?資産防衛策を何かしている?…等々、よしりんの回答や如何に!?
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第387回「首相は日本国債の『信用保証人』である」
高市早苗が衆院解散会見で「積極財政」と「食料品2年間消費税ゼロ」をダブルで打ち出したことが、日本の信用を国際的に揺るがす事態となっている。
これは、国債を増発して借金を増やしつつ、税収を減らすという政策だ。
日本国債を買っている国内外の金融機関や投資家の間では、日本の財政運営への不安が広がり、長期国債が売られて利回りが上昇した。
国債とは、国におカネを貸した際に受け取る「借用書」のようなものだ。
「長期国債の利回りが上がる」とは、日本に30年、40年と長期間おカネを貸したままだと損するかもしれない、という見方が強まり、「そんな国債は買いたくない」「今持っている国債を売りたい」と考える人が増えて、国債の価格が下落、より高い見返りをつけなければ売れなくなっているということである。
これだけだと庶民からは遠い話のように感じるかもしれないが、国債の金利は、いずれ銀行の金利に影響を及ぼす。
住宅ローン、教育ローン、奨学金、自動車ローン、中小零細企業向けの融資。1~2年もすれば、クレジットカードの分割払い手数料や、賃貸物件のオーナーの財布を通じて、家賃や更新手数料にまで影響が及ぶだろう。
そして、おカネを貸してくれた人に、高い見返りを支払うのは日本だ。
つまり今後、日本は借金をするたびに高金利になってしまい、そのツケは数年後、国民に回ってくる。高い金利負担が財政を圧迫し、医療や介護、子育ての支援にまで圧力がかかる可能性まで出てくるのだ。
日本の借金は、1324兆円(!)。
国が1年間で稼ぐおカネ(GDP)の2.3倍以上にまで膨れ上がっていて、主要先進国の中でもケタ違いの水準だ。単純に人口で割ると、国民1人あたり1000万円以上になる。
それでも「責任ある積極財政」と、なんだか強そうでプラスの感じがしてカッコよく感じさせる単語を使って、29.6兆円もの国債を発行して借金を増やす一方、食料品の消費税・約5兆円を2年間ゼロにしたいと言う。
減税は、消費者には歓迎されるが、肝心の「どう穴埋めするか」の説明がない。野党の減税政策に対抗心をかまして、「財政ポピュリズム」と言っていい政策を打ち出したことは明らかだった。
この事態に、金融市場はたちまち「やばくない?」と反応したというわけである。
◆日本の首相は「日本国債の信用保証人」
もちろん、野党の減税政策にしても、財源や効果について腑に落ちる説明がない。メディアは「与党も野党も、実現性のない減税競争で、どっちもどっち」という論調だ。
食料品を減税したところで、農業・漁業などの生産者も、加工品の製造工場も、円安で燃料や肥料、材料が高騰しているのだから値上げをしないと苦しい。特に、新鮮なうちに売り切らなければならない生鮮食品は、生産者にしわ寄せとなり、後から値上げとして跳ね返るのではないかと私は疑問を持っている。
与野党いずれにしろため息が出るが、世界が見ているのは、やはり「首相」として盛大に演説した高市早苗の発言なのだ。
そもそも日本の首相は「日本国債の信用保証人」である。
その首相の発言は、たとえ国内向けの記者会見であっても、「国債市場に対するメッセージ」になる。
国債という借用書は、「日本国はお借りしたおカネを、きちんとお返しします」「財政運営には責任を持ち、無茶はいたしません」という国家としての信用があってこそ成り立っているものだ。そして、日本国債は、これまで「世界最大の安全資産」と言われてきた。
その信用を、言葉と態度で体現する立場にいるのが、首相である。
ところが、その本人が、国債増発を「選挙のカード」として使い、借金を増やす一方で税金は減らすという、とても健全とは言えない財政運営に対する軽々しい態度を晒してしまった。
高市:実現するとは言っていません、「検討を加速する」だけですよ。
国民:なんだ、選挙用のリップサービスかよ。
日本国内なら、この程度で済むだろう。だが、市場の見る目は違う。
「日本は、国債の信認よりも、選挙を優先する国なのか?」
本来なら、首相は財政ポピュリズムのブレーキ役となるべき存在だったのに、みずから率先して火に油を注いでしまったのだ。高市の言葉は、あまりにも軽々しかった。
◆国内外で非難轟轟「日本、こわっ……」
この事態を受けて、日本では、長期国債の大きな買い手である生命保険会社に動揺が走り、金融庁が急遽調査を行ったと報道されている。
生命保険会社は、将来の保険金支払いに備えて巨額の国債を保有しているため、金利が上昇すると損失につながり、経営そのものに影響しかねないからだ。



木蘭さんのトンデモ見聞録・第387回「首相は日本国債の『信用保証人』である」 拝読しました。 統一協会問題追及から逃れるための総選挙。 選挙で勝つことにだけとらわれて、「世界最大の安全資産」といわれた日本国債の信用をドブに捨てた高市首相は実に罪深い。 一度失った信用は、そう簡単…
木蘭先生の記事を読みました。正直難しいです。仕方ないけど金融の教育を学校などでやらないから、内容が入っていきにくかったです。 ただ、元々人口減少や白物家電企業の衰退で日本の存在感が薄れてたのに、高市の軽弾みの言動で海外の投資家から更に日本を見限られていくの……政治家として責任感は…
遅くなりましたが小林先生、酷い質問でしたがQ&Aの回答ありがとうございました。 今更だけど、nisaやりつつ家庭菜園の規模を少し増やしていこうかと。 これから貧困世帯は地獄を見ていくと思うので、できたら子ども食堂に寄付をしていきたいなと。
ゴーマニズム宣言・第592回「文化を育てる宗教団体なら良しとする。」拝読しました。 ・潮出版社に、一般出版社で経験を積んだ社員がいなかったこと ・潮出版社の母体が創価学会で財力に余裕があったこと これらが功を奏して、潮出版社の「希望の友」「少年ワールド」「コミックトムで、横山光輝…