納豆を1万回混ぜるとどうなるか?など“しょうもないこと”を記事にし続けるサイト「デイリーポータルZ」社長が記す、「面白い」を見つける方法
レビュー
『「面白い!」を見つける』
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面白きこともなき世を面白く
[レビュアー] 佐藤健太郎(サイエンスライター)
※画像はイメージ
「デイリーポータルZ」というウェブサイトをご存知だろうか。ペリーがパワポで開国の提案書を持ってきたらとか、納豆を一万回混ぜるとどうなるかといった実にしょうもないことを、真面目に丹念に記事にすることを、四半世紀近くも続けてきたサイトだ。
そのウェブマスターにして社長である林雄司の新刊『「面白い!」を見つける 物事の見え方が変わる発想法』が出た。特に変わったこともないように見える日常の中から、自分だけの「面白さ」を見つけ出してくるための思考法――というとなんだか硬い本のようだが、実は中身はゆるゆるだ。しかしただゆるいだけかと笑いながら読んでいると、ところどころで読者をしびれさせるパンチが入るから油断がならない。
日常生活を縛る基準や暗黙のルールを、ふっと「ずらした」目で見つめるだけで、何か面白みが生まれる。金科玉条のごとく必死に守っている決まり事って、実は大したことないものだったんでは、なんて気づきが生まれたりもする。ものの見方を変えることは、世界を変えることなのだ。
内容的には「AI時代を勝ち抜くための発想法」とか「バズる記事はこう書け」なんてタイトルにしてもいいくらい実用的な本でもあるのだが、そういうさもしい根性は見せないのが林流なのだろう。厳しい国際情勢の中で何をしょうもないことを考えているのか、とおっしゃる生真面目な方にこそ、読んでいただきたい一冊なのである。