かすみ荘について その2
前回の話はこちら
入居。居候先からえっちらおっちら徒歩10復くらいで荷物を運んで引越しが終わった。初めてかすみ荘に来た時に出てきた寝癖の彼ことTくんが家のことをちょっとだけ説明してくれた。共用で使えるものたちとか、ちょっとしたルールとか。
当時の住人は大学院生の管理人、若いフリーター2人、若いニート(芦田愛菜)で、私が加わって計5人でのシェアハウスだった。
私が入居してすぐかすみ荘の芦田愛菜は実家に連れ戻されて挨拶の機会を失った。
Tくんはいつも家にいた。
管理人は私の内見を案内したあと大学がある東京に戻ってしまい、暫くは居ないとの事だった。
もう1人のMくんは、普段は住んでいないらしい。
たまにひょっこり現れるらしく、ある日家に帰ったらリビングで麻雀をしていた。はじめまして。Mくんは人懐っこい感じで、会って数分で歓迎会やるね!と言ってくれ、入居1週間後くらいに鍋パを開いてくれた。ありがたい。
歓迎会当日、私は予定が9時まで入っており主役堂々の遅刻帰宅をかますと、もう既に場は盛り上がっており8人がワイワイやりながらお酒と材料を並べて待っていてくれた。あれ、人多くない?笑と思いつつ順番に自己紹介を聞いていくと、どうやら住人は2人だけ(TくんとMくん)であとは「かすみ荘界隈」の人達らしかった。あのめちゃくちゃ人が入ってるオプチャの人達か!
私はほぼみんな初対面なので、配られたお酒と美味しそうな鍋を口に詰め込んでいた。周りの人達はよく会うメンバーなのか私と話したり話さなかったりしながら、麻雀をしたり人が死にまくるよく分からない映画を見たりしていた。端的にカオスだったと思う。
若干失礼だが許して欲しい、かなり混乱していたんだ…
当時の私は日中かなり忙しく、朝早くから夜遅くまで家に帰らなかった。帰ると疲れてお風呂に入ってすぐに寝るだけの規則的な生活。
かすみ荘は住んでいない人もよく訪問してくる場所だったので、3日に1回は家に帰ると知らない人がいてお酒を飲むか麻雀をしていた。深夜2時くらいまでいて、帰ったり帰らなかったりで賑やかな場所だった。
リビングのすぐ隣に風呂場があるので、カーテンを閉めて洗面台の前で脱衣をしてどんちゃん騒いでいる人達の隣でシャワーを浴びることが多かった。
男性が多かったシェアハウスだったけど(入居時は芦田愛菜もいたし、女性の訪問客もそこそこいた)、特に何も事件じみた事が起こらないのがいい所だった。住んでいる人も訪問してくる人もみんなちょっと変わっているけど、いい人たちばかりだった。ゆるゆる集まってひらひら解散していくかすみ荘はまるで樹液がある場所のようで、それはそれは美しいたまり場だったと思う。
家に帰ったら管理人が庭で露天風呂をしてたことも、芦田愛菜がマッチングアプリの人とのスクショをオプチャに投げているのも、深夜3時に私の後に入居予定のおじさんが慌てた様子で騒いでたことも、今ではいい思い出かもしれない。お酒が飲みたい!と唐突に酒盛りをはじめたり、バ先のパンを配ったら喜んでくれたり、唐突にご飯を作りたい!という輩がやってきて家に帰ったらご飯が用意されていたのも、今では手が届かない非日常だった。
入居1ヶ月で家具が全部無くなってしまった事もサイコーだった。(芦田愛菜退去に伴い、全部無くなってしまった。私物だったんかい。)
こうしてかすみ荘での2ヶ月はあっという間に過ぎていった。


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