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Conversation

それにしても、日本は今やアメリカ以上に、つまり世界でも際立って左翼アレルギーが強い国になっているわけだが、これはなぜなのか、少々不思議に思っている。 これは実際の政策というよりも、ラベルの問題で。 伝統的にアメリカでは、福祉国家政策を掲げる政治勢力(民主党に代表される立場)を、「リベラル」と呼んできた。 米国でいう「リベラル」は、実質的には欧州でいう社会民主主義におおむね相当するが、米国人は社会主義嫌いが強いから、socialというような言葉は避けられたのだと説明される。 ところが、近年の米国では、自らDemocratic Socialism(民主的社会主義)を標榜する政治家が広い支持を得るようになってきた。 代表格はバーニー・サンダース。NYの新市長のマムダニもそう。 サンダースやマムダニ等の主張がゴリゴリの社会主義なのかというとそうでもなくて、なお北欧型の社会民主主義の範疇にとどまるとの指摘もある。 しかし、彼らは敢えて左翼色を強調し、LiberalismでもSocial Democracy(社会民主主義)でもなく、民主的社会主義者を自ら称している。 あのアメリカでさえこういう状況になってみると、日本の特殊さが際立つ。 第2党である立憲民主党が左傾化していると見る向きもあったが、実はこれは旧民主党が分裂して、旧民主党の右側が切り離されたから当然そうなったに過ぎない面が強いと思う。旧民主党勢力全体として左傾化したかというと、そうでもないだろう(なお、米国の民主党は昔よりも明らかに左寄りになっている)。 現に立憲民主党は、「中道」を掲げて公明党と合流するに至った。 立民を左翼政党とみなしてきた人は、そもそも立民が排除された末にいわば仕方なくできた政党だという成り立ちを見落としていたのかもしれない。しかし元々は、それこそ90年代政治改革の頃から、自民党に対抗できる大きな包括政党を作ろうとしてきた人たちなのである。 元々立民と公明は考え方もかなり近いし、今回の合流は自然なことであったと思う。 さて、しかし、「中道主義の大きなかたまり」を作ろうと言って立民と公明が合流してみると、左がぽっかり空いていることがわかる。 共産とれいわを足しても、衆院に16議席しかないのである。 これから日本でも米国のように、正面から左派を名乗る勢力が大きく伸長するのかというと、これは単なる主観だが、日本に限ってそんなことは起こらなそうな気がする。日本国民の左翼嫌いが今後変わるとも思えないので。なぜ日本人だけそんなに嫌いなのかは不明だが。 だから、今後の対立軸は保守対中道(これは中道改革連合に限らない、中道路線という意味の)で、左は少数派にとどまる構図が続くのではないかと思う。