定年を過ぎたエンジニアが、デレステ後継ゲームについて考察してみた
9月15日に最後の新規ガシャが終了し、 『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(以下、デレステ)は 新規エピソードおよび楽曲の追加更新を終えました。
その後、予定されていた LIVE Carnival ~2025 Winter~ が実施され、 続く ~2026 Spring~ の開催も発表されています。
とはいえ、サービスの長期的な見通しに不安を抱くプロデューサーの声は少なくありません。
そこで本稿では、冬休みの時間を利用し、 Gemini や Copilot と議論を重ねながら、 デレステ後継ゲームの可能性について多角的に考察しました。
要約
本稿では、デレステ後継タイトルの可能性を、 売上推移・ユーザーニーズ・AI技術動向 の三点から検討する。 これらを総合すると、AI時代のゲームが要求する「個別最適化された体験」と「共有可能な文脈」の両立を実現できるIPとして、 既存の文脈の豊かさとコミュニティ文化を備えたシンデレラガールズが最も適していると考えられる。
故に、シンデレラガールズ後継タイトルが開発される可能性は決して低くないと予想する。 ただし、その未来を現実のものにするためには、 デレPコミュニティがこれまで通り文脈を共有し、発信し続けることが重要となる。
1. 売上推移から見た後継ゲームの必要性
本章では、アイマス関連スマホゲームの売上推移をもとに、 後継タイトルが必要となる経営的条件を整理する。
売上推移を見ると、
スマホゲームは一般に「5年で売上が半減」するライフサイクルを持つ
アイマス総計は 2028 年に 200 億円台へ落ち込む
これは「戦略的空白(売上の谷間)」を意味する
という構造が見えてくる。
この谷間を埋めるためには、 2028 年頃までに新規大型タイトルを投入する必要がある。 開発期間を考えると、すでに何らかの企画が動いている可能性は高い。
そして、過去の売上実績と既存ユーザー数を考えると、 その新作タイトルがシンデレラガールズの IP を採用する可能性は十分にある と考えられる。
なお、本章で用いた売上推計の詳細な算出方法については、 本文末尾の付録Aにて補足している。
2. ニーズの変化と技術動向から見た後継ゲームの形
本章では、デレステと学園アイドルマスター(学マス)の比較から、 この10年間でユーザーが求める体験価値がどのように変化したかを整理し、 AI技術が後継ゲームにどのような新たな価値をもたらし得るかを検討する。
2.1 デレステと学マスの体験価値の違い
● デレステ
Pが“関与する余地”が大きい
当事者意識が育ちやすい
しかし体験価値は固定的で、現代基準ではやや簡素
● 学マス
高品質な演出と没入感
しかし P の関与余地は小さく、当事者意識は育ちにくい
● 10年間で起きた変化
現代のユーザーは 「高品質な体験」と「当事者意識」の両立 を求めるようになった。しかし、従来のゲームデザインではこの両立は難しい。
2.2 AI技術がもたらす“両立”の可能性
AIは、
・個別最適化された体験
・動的な物語生成
・キャラの反応の変化
・マルチエンディング
を可能にする。
(本稿では、ニューラルネットワークおよびLLMを含む広義のAIを指す)
つまり、 「高品質な体験」と「当事者意識」を同時に成立させる唯一の技術である。
しかし、AIのスマホゲーム適用には重大な課題がある。
個別最適化ゆえに、
・体験が共有されない
・語り合いが生まれない
・コミュニティが成立しない
・結果として売上が伸びない
これは、プレイヤー間のコミュニケーションを媒体として売上を生み出すスマホゲームにとって、重大な課題である。
2.3 解決策:共通文脈AI × 個別学習AI
この課題を解決するためには、 AIを二層構造で運用する必要がある。
(1)共通文脈AI
・全キャラの関係性
・世界観
・コミュ歴史
を保持し、語り合える“共通の土台”を作る。
(2)個別学習AI
・Pの選択
・推し
・行動履歴(失敗の履歴までも)
を学習し、Pごとに異なる体験を提供する。
● 二本立ての効果
個別最適化される
しかし語り合える
コミュニティが成立する
売上が伸びる
2.4 シンデレラガールズが最適な理由
● 文脈の複雑性が極めて高い
190名、10年以上の歴史、膨大なユニット・コミュ・イベント。
● コミュニティ文化が成熟している
担当文化、二次創作、MV文化、AR文化、語り合い文化。
● AIゲームに必要な条件をすべて満たす
個別体験 × 共有文化の両立が自然に成立する。
3. デレPが取り得る具体的なアクション
AI時代のゲームでは、 コミュニティの存在そのものが価値になる。
その中でデレPが取り得る行動は次の三点に整理できる。
(1)文脈の共有と可視化を続ける
担当語り、MVスクショ、二次創作、コミュ考察など。
(2)当事者意識を持った創作・発信を続ける
担当へのコミットメント、SNSでの語り合い。
(3)AI時代のIPとしての適性を示す
「文脈の豊かさ × コミュニティ文化」が最大の強み。
結論
本稿では、
・売上推移
・体験価値の変遷
・AI技術の要請
・コミュニティの役割
を踏まえ、 シンデレラガールズが次世代IPとして選ばれる可能性を検討した。
結論として、 AI時代のゲームが求める条件を最も満たしているのはシンデレラガールズであり、 後継タイトルが開発される可能性は十分にある。
ただし、その未来を支えるのは、 デレPコミュニティの日々の発信と文化の継続である。
同僚Pへの提言
要は「今まで通りデレステを遊びつくし、 シンデレラガールズを発信し続けろ、ってことだ」 という話である。
最後に
本稿の内容は公開データと技術動向に基づく一つの推計に過ぎず、 将来の展開を保証するものではない。 したがって、 本予想が外れたとしても、一切の責任は負いませんし、負えません。
ただし、 シンデレラガールズというIPが持つ潜在力と、 デレPコミュニティが育んできた文化の価値は、 いかなる予測を超えて確かなものである。
付録A:2030年までのアイマス市場予測の算出根拠と推計手法
本付録では、本文第1章で用いた売上推計の算出根拠を整理する。 本文では論旨の明瞭性を優先し、デレステ・学マス・ウマ娘・アイマス総計の 最小限の指標のみを扱ったが、推計の再現性を確保するためには、 データ取得方法、補正係数、ライフサイクルモデルなどの前提条件を明示する必要がある。 以下では、本文の分析に用いた統計的手法を体系的に示す。
1. 過去実績データの取得方法(Game-iの活用)
過去の売上実績は、国内最大級のアプリ売上予測サイト 「#セルラン分析/ゲーム株『Game-i』」 のデータを基礎としている。
取得手順: 各タイトルの年度(1月〜12月)ごとの予測合計額を抽出。
特性の理解: Game-iの数値は、App Store / Google Play のランキング推移から算出された「予測値」であり、 実売上とは一定の乖離がある。
本稿での扱い: 本文では以下の4指標に絞って整理している。 - デレステ - 学園アイドルマスター(学マス) - ウマ娘(市場構造変化の外部指標) - アイマス総計(ミリシタ・シャニマス・シャニソン・SideM等を含む)
これにより、個別タイトルの比較ではなく、 「IP全体としての市場構造の変化」 を把握するための最小限のデータセットとしている。
2. 「実質売上」への補正:ASOBI STORE(Web決済)分の推測
近年、Apple/Googleの手数料回避の流れを受け、バンダイナムコは ASOBI STORE(Web決済) を通じた直接課金を強化している。
そのため、Game-iのストア売上予測に対し、以下の補正を行った。
補正係数: 1.2〜1.3倍(Web決済比率20〜30%)
補正の根拠: - コアファン比率が高く、Web決済への誘導が比較的容易 - 業界全体の DTC(Direct to Consumer)シフト - 2024年以降の規制環境(いわゆる「スマホ新法」)によるWeb決済比率の上昇
本文の表では、この補正後の値を 「実質的な年間売上規模」 として扱っている。
3. 売上推移モデル(ライフサイクルカーブ)の設定
スマホゲームには、リリース後の売上推移に一定のライフサイクルが見られる。 本稿では以下の標準モデルを採用した。
基本モデル: 「5年で売上が約半分になる(年率約13.5%の減少)」
根拠: - 長期運営タイトルの平均的な推移 - 新規ユーザー獲得の難化 - 技術的負債の蓄積による運営コスト増加
例外的調整: デレステのようにリリースから10年近く経過したタイトルは、 「成熟期を過ぎ、売上が緩やかに低下するフェーズ」 にあるとみなし、 標準モデルよりやや急なカーブを設定した。
4. 2026年〜2030年の予測算出ロジック
未来予測値は、上記のライフサイクルモデルを各タイトルの現況に適用して算出した。
学マスの予測
2024年の立ち上がりと外部分析(Sensor Tower等)を参考に、 2025年をピーク(約280億円) と仮定。
2026年以降は、育成シミュレーション特有の 「需要の一巡後、徐々に落ち着く局面」 を想定し、標準モデルを適用。
既存タイトル(デレステ等)
すでに 成熟期を過ぎ、売上が逓減するフェーズ にあるとみなし、 2025年実績を起点に「5年で半減モデル」を機械的に適用。
ウマ娘の扱い
アイマスIPではないが、 2021年以降の市場構造変化を示す外部ショック指標として採用。
5. 本予測の意義:2028年に生じる「売上の谷間」
本稿の予測は、 「2028年までに新規大型タイトルが投入されない」 という前提に基づく ベースケース(現状維持シナリオ) である。
この前提のもとで推計すると、
2028年頃にアイマス総計が200億円台に落ち込む
IP全体として“売上の谷間”が生じる
という構造が浮かび上がる。
この「売上の谷間」は、 バンダイナムコが2028年度までに新規タイトルを投入する必然性を示す 経営的・統計的根拠 と解釈できる。
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この記事は noteマネー にピックアップされました



面白かったです。 シンデレラガールズはキャラが多すぎるために、内容が薄く、浅くなりやすいのがもったいないと感じています。 再スタートするにしても、シャニソンや学マスのように、ガチャで手に入れた衣装着たアイドルが、ライブで踊りますよー、なんていうやり方ではユーザーはついてこない…