【MTG】アルケミー 洞窟バラッド デッキガイド
はじめに
本記事はアルケミーに訪れた大強奪環境を駆け抜けた洞窟バラッドデッキを供養するための記事である。
皮肉なことに、11/12付のアルケミー再調整により合唱関連カードが大幅にバフされたことで、今まで合唱を採用していた本デッキが相対的に弱体化してしまった。
「供養」としたのは、既にアルケミー環境にて勝ち残れないデッキと化しているためである。
これについても後述する。
デッキリスト
原案はかめしば氏がスタンダードにて構築していたもの。
調整のしすぎでリストはめちゃくちゃ多いので、Xで「from:@kamesibaP 洞窟」で検索するとよい。
その中でも最も近い形を以下に示す。
第189回 #アシムマジック は、
— かめしば (@kamesibaP) March 8, 2024
なかなか3勝できない洞窟で2-1でした!
ソーサリー除去を腐らせて勝つデッキなんですが、みんなソーサリー除去サイドで減らしてそう!ぐぬぬ
でもミシュランで殴るのは健康によいぞ!
なお3枚目は宿屋が裏返る直前に割られた瞬間です
すまねえ…すまねえ… pic.twitter.com/aIXoz5VGdO
先述の通り既にアルケミー環境での旬は過ぎており、再調整後は体感かなり勝ちにくくなっているため、再調整後のリストで試される場合は注意されたい。
11/12 再調整前
11/12 再調整後
Why 洞窟?
冒頭に触れた通り、アルケミー:サンダー・ジャンクションのリリース後のアルケミーは大強奪環境であった。
「強奪」は相手のデッキの土地でないカードから特に有効なカードを選びつつ、相手のデッキを希薄化できるため、普通のミッドレンジデッキに対して滅法強い。
これは、ミッドレンジデッキが汎用性の高い強力なカードで構成されたグッドスタッフ的立ち振る舞いをするためである。
強力なカードをデッキに入れれば入れるほど相手に利用されやすくなるというジレンマに陥り、現在までのアルケミー環境における構築を難しくしている。
この強奪に対してアグロ戦略以外で抗う手段はいくつか考えられる。
以下にその代表的な対策例を示す。
ブリンク
強奪されてもオーナーは変わらないため、ブリンクすると奪い返せる。
アルケミー環境でサイドボードに当然のように《逃走のまやかし》がいたりするのもこのため。
とはいえブリンクできるのはパーマネントだけだし、クリーチャー以外の相手のパーマネントをブリンクする手段もごく限られている。
バウンス
ブリンクと同じ理屈でバウンスもそこそこ対策になる。
呪文バウンスであればすべての強奪カードに対応できるし、ブリンクよりは汎用性は高い。
再調整でバフされた《タリオンの玉座守り》あたりが有力。
死亡時復活・墓地再利用系
これも大体ブリンクと同じ理屈。
ローテ前はアルケミーのバフを受けた《ラノワールの後家蜘蛛》が割と良い対策になった。
アーキタイプ専用カード
ここまではグッドスタッフに戦える範囲で強奪メタカードを紹介したが、数枚程度の対策ではメタカードを事前に強奪したりすることで抗えるため、根本的な対策になりにくい。さすがはトップメタ。
そこで、デッキ単位でこれに抗うのが最後に本項で示す対策である。
自分のデッキでは最大のポテンシャルを発揮できるが、強奪デッキ側では単体で使いこなせないカードを増やすことで、相対的に強奪デッキ側のプレイを弱体化できる。
しかしながらこの戦略には一つ弱点があり、複数回強奪されると強奪したカード間でシナジーを形成し始めるのである。
デッキの土地以外のカードが減り希薄化するのは同じであり、結果的にこのシナジーで負けることも対強奪あるあるである。
筆者はこの弱点を回避するため、強奪側にも存在する一つの弱点に目をつけた。
強奪の弱点とは、土地カードは奪えないことである。
したがって、シナジーを「特殊な土地カード」前提としたものにすれば、いくら強奪されようが相手はシナジーを発揮できない。
同じポイントに目を付け、一定の存在感を放っていたのが砂漠である。
サンダー・ジャンクションの無法者(OTJ)で再登場した砂漠は、アルケミー:ブルームバロウでもなぜか《砂塵雲の先触れ》というオリカを入手し強化されていた。
OTJの砂漠関連カードも強力であり間違いなく対強奪のソリューションの一つであるが、その存在感が増したために一定レベルでミラーも発生しやすくなっていた。
《砂塵雲の先触れ》の効果から類推される通り砂漠ミラーもなかなかに不毛な戦いとなり、筆者としてはこれを脱したネクストレベルのデッキを開発したかった。
そこで筆者が目をつけたのが、イクサラン:失われし洞窟でテーマとなっていた洞窟である。
砂漠と異なりアルケミーで1枚も専用オリカを貰えなかった悲しいメカニズムであるが、触れば触るほどアルケミー環境にマッチしていた。
既にあるスタンダード版デッキとのローテの違いによる影響も小さく、これを雛形にアルケミー版洞窟デッキの開発に着手した。
個別カード解説
かめしば氏の調整していたスタンダード版と共通のカードを先に紹介し、追ってアルケミー専用の要素に触れる。
スタンダード版共通
開花の亀
いきなり洞窟シナジーカードではないのだが、洞窟デッキの要でありロード。
洞窟デッキは終盤こいつの着地からミシュランでいきなり殴りかかるのが一番の勝ち筋であり、わからん殺しの権化かもしれない。
もちろん4ターン目に雑に出して対処を迫るのも良く、即除去されてもランプできているので悪くない交換となる。
ただし、対強奪では一応相手にも活用されてしまうためサイドでよく抜く。
コズミュームの合流点
洞窟デッキの絶望招来。
《悪夢編み》のような打ち消しにこそ弱いが、通せるときに通せば大体勝てる。
環境を定義するエンチャントの多いアルケミーにすこぶるマッチした一枚であり、オルゾフ系のエンチャントやランプの大主を纏めて対処できるし、対強奪の負け筋である《勝利の逃走》もついでに割れる。
そして3つもモードがあるのに強奪側は1つも使えるモードがないので、大抵他のカードを強奪されるか唱えずに追放されたままである。
洞窟探検
テンポ担当。
対アグロにはゲインが偉く、ミッドレンジ以上には3T目《洞窟探検》→4T目《コズミュームの合流点》+3マナの動きで一気にテンポ差を付けたりする。
対強奪でもあまり抜かないが、《悪夢編み》のパーマネントカウントにはなるのが難点。
壊滅的な落盤
洞窟ラス。
不安定さは否めないが、4マナで打てるのは唯一無二の利点。
終盤はほぼラスであるし、ミシュランとの相性がすこぶる良いため採用。
勿体ぶらず割とすぐ打つ。
見るからに強奪しても何もしないためほぼ強奪されない。
事件現場の分析者
序盤に洞窟カウントを稼ぎながら、中盤以降はランプ手段に。
終盤は処理されたミシュランを復活できるのも偉い。
強奪されても緑マナは宝物くらいからしか出せないためそんなに悪さされない。
洞窟めいた大口
ここから肝心の洞窟紹介。
洞窟デッキのエースであり、数少ない勝ち手段の一つ。
《開花の亀》との相性が異常に良く、相手のライフを即座に危険水域まで攻められる。
めちゃくちゃ理解してる相手はこれを《死人に口無し》や《一巻の終わり》等で抜いてくる可能性があるので、最優先で《コズミュームの合流点》で出しがち。
沈んだ城塞
色マナ安定源かつミシュランの相棒。
《開花の亀》の存在下では《洞窟めいた大口》x2とこれ1枚(実質計3マナ)だけで8点打点になるのは中々にチート。
捧げ物の穴
メインから搭載できるサーチ可能な墓地メタ。
《引き抜き》や《リッチの騎士の征服》を採用するタイプのリアニや、オルゾフコウモリの《星界を呼ぶ者、ゾラリーネ》を止めるのに貢献する。
最近も《嵐呼びの才能》でスペル回収するデッキが増えているためちゃんと強い。
なお、《コズミュームの合流点》で永劫を割ってからこいつをサーチしてもAPNAPルールのため追放する前に復活されるので注意。
不安定な断層
バリューランド対策もピン刺し。《噴水港》を割ることが多い。
《寓話の小道》を採用しないタイプの多色デッキでは基本土地を切り詰めていることもあり、たまに《開花の亀》で再利用しまくってランデスできる。
滅多に見ることのない土地のため相手が油断してミシュラン起動してきたりするのも嬉しい。
忘れられた聖像
筆者の洞窟デッキは緑をベースにしつつ黒・赤・青をタッチしているため、マナベースの台所事情は中々に苦しい。
それを一手に担っているスーパー色サポートである。
実は《コズミュームの合流点》のサーチ先すら確定で色を出せる土地はこれと《沈んだ城塞》だけのため、ダブシン等のリスクを感じている際は1枚サーチしたりする。
これと《沈んだ城塞》・ミシュランのせいでオートタップは全く機能せず、手ごね推奨。
諜報土地
《開花の亀》や《壊滅的な落盤》のために土地を墓地に溜めたいことは多く、キーカードを探すためにも多めに採用。
ミシュラランド
それぞれの役割が異なる上に色マナ源としても重要なため散らして採用。
墓地対策もゲインも偉い《眠らずの小屋》が抜けて強いが、《洞窟めいた大口》が殴りやすくなる《眠らずの蔓草》も中々。
消耗戦では《不穏な浅瀬》も決定打になり得るが、《不穏な尾根》は中途半端なので入れ替え対象。
アルケミー版専用(再調整前)
菌糸類のバラッド
デッキ名に洞窟と並べるほど、このデッキの核となるカードと位置づけている。
当時は当然ながら強奪デッキ側が合唱カードを採用することはなく、合唱を唱えることでの初期強度UPの恩恵はこちら側だけが受けることができた。
加えて、ソーサリーの全体除去はこちらのデッキに対してはほぼ無力であり、対強奪ではサイド後に《開花の亀》を引っ込めれば無駄牌に成り下がる。
対アグロではゲインも非常に偉く、《軍勢の武勇、タージク》のような《壊滅的な落盤》で処理できない破壊不能持ちにも強いのが素晴らしい。
リバルド・シャンティ
正直単体性能は弱いが、言い換えれば強奪されても弱いのでシナジーありきで採用。
肝である《菌糸類のバラッド》に繋げる分には1/1トークンでも処理しておきたいのでそこまで使用感は悪くなかった。
最序盤にこのカードを強奪されても大事な《洞窟めいた大口》のタフネスに届かないのはありがたいが、育ったこいつでよく除去されるのでサイド後は抜きがち。
このデッキの弱点である《幽霊議員テイサ》をメインから処理できる貴重な手段である。
時代賛歌
巻き返し役として少しだけ採用。
強奪の当たり枠にはなってしまうのだが、育つ前なら小当たりなのでセーフと考え許容。
対強奪以外でサイドインするのでも良いくらいの性能。
苦渋の記憶
アルケミー:ダスクモーンから何か入れたいと試していた枠なので自由枠。
土地の多いデッキなので土地を捨てれば相対的にキーカードにアクセスしやすいと考え採用したが、強奪の当たり枠になるためそこまで勧めない。
アルケミー版専用(再調整後)
対強奪の相性が著しく悪化しており、対策カードをメインから投入している。
中心核の瞥見
強奪のゴミを増やすために採用。
必然的に《森》を採用せざるを得ず、事故率は上昇。
止められぬ斬鬼
死んだら取り返せる枠①。
素直に3ターン目着地での圧もそこそこあり、《菌糸類のバラッド》に巻き込んでも痛くないのも良い。
再調整後の洞窟は若干早めのキルターンを意識した方が良くなっており、サイドと合わせて4枚積む。
最深の裏切り、アクロゾズ
死んだら取り返せる枠その②。
取り返せないとまずいのでちゃんと処すべし。
死人に口無し
追加のラス枠。どちらかというとデッキ追放が目当て。
強奪されると追加した斬鬼とアクロゾズには効くのだが、こまめに墓地追放しておけば相手が証拠収集しにくくなる。
サイドボード
まずサイドボーディングについて筆者なりのこだわりがあるとすれば、サイド後のデッキ枚数は必ずしも60枚に拘らない。
弱いカードは抜くし強いカードは入れる。
その上で平均マナ総量も変わりがちなので、総デッキ枚数で土地バランスを調整していた。
サイドに1枚《捧げ物の穴》を差しているのは墓地対策としてだけでなく、対強奪ではサイドインしたい非土地カードが少ないため。
紅蓮地獄
ボロスハツカネズミやオルゾフコウモリ向けのサイド。
元々沢山入っているラスを増量する形になるので、軽い気持ちでラスを打ててかなり有利に持ち込める。
地味に《荒々しい財宝略奪者》を処理できる上にこちらにタフネス3もいないため、対強奪でも《リバルド・シャンティ》と入れ替える。
穿孔するクロコダイル
こちらも対アグロ。
ミッドレンジでも《モスライトの行列参加者》や《ミストムーアの大主》を採用する型にもよく刺さる。
対強奪でも亀をしまって入れたりする。
集会の季節
エンチャやファクトが並ぶデッキへの対策。
《洞窟めいた大口》《沈んだ城塞》を含む7マナが出る状況であれば3ドローも付いてくる。
森の轟き、ルムラ
対ミッドレンジのずらし枠①。
出た時点で仕事するので貴重なインスタント除去をこいつに消費させて、あとでミシュランで困らせたい。
乱伐者、ボニー・ポール
対ミッドレンジのずらし枠②。
単体除去には強いので、ラスをサイドアウトしてきそうな相手に入れたい。
ドッペルギャング
対ミッドレンジのずらし枠③。
X=3以上で打てれば大体勝つ。
盤面に何もなくてもミシュランをコピーすることも多い。
幻影の抽出
後手用サイド。
あんまり具体的な仮想敵もなく入れている節があるので自由枠かもしれない。
除霊用掃除機
メインから墓地対策しているとは言え、一部のリアニには間に合わないことがあるため採用。
大振りなデッキ相手に対してはまあまあ追加の勝ち手段にもなる。
洞窟の現在地
11/12の再調整で、洞窟バラッドに採用されていた2枚のカードが大幅に上方修正された。
初報では、元々これらを採用していたデッキなので純粋に強化されたものだと喜んだ。
しかしながらこの再調整がもたらしたものはそんな甘い現実ではなかった。
まず起きたのは、強奪デッキによる合唱の採用である。
これにより先に述べたこちらの合唱カードの利点である「相手には初期強度UPの恩恵がない」という前提が崩れてしまった。
加えて、両カードの極端な低マナ化により合唱カード全体のパワーが格段に上がってしまい、合唱カード(特に《時代賛歌》)を最優先で強奪されるようになってしまった。
元々汎用カードに劣る性能のお陰で強奪の価値を下げていたのに、汎用カードに成り上がったための悲劇である。
そして、特に強化された《時代賛歌》を背景に、アルケミー環境での青いデッキの存在感が増しており、肝である《コズミュームの合流点》に打ち消しを構えられやすくなってしまった。
《巨怪の怒り》の禁止と《心火の英雄》ナーフにより元々比較的得意としていたボロスハツカネズミが数を減らしたことも大きく、かくして環境の隙を突いていた洞窟バラッドの時代は終焉を迎えた。
おわりに
前回の再調整では比較的寛容な対応となった強奪であるが、さすがに運営に目は付けられてしまっており全盛期以上に隆盛することは考えにくいだろう。
言い換えれば、強奪の隙を突いてきた洞窟バラッドも御役御免となったに違いない。
それでも、本記事の読者が別の角度から洞窟で戦える余地を見出すかもしれない。
そんな絵空事を呟きながら、本記事を締めたい。
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