「数カ月〜1年という短期間で返済不能に陥るケースが複数の事務所で確認されており、従来の“長期間積み上がった負債”とは異なるタイプの相談が寄せられるようになっています」(同)
100万〜200万円前後の少額負債が原因のケースが多いのも特徴という。本人も気づかないうちに、あっという間に自己破産に陥るのは恐ろしい気もする。
その要因の一つとみられるのが、先に挙げた、信用情報の厳格な審査を必要としない後払いサービスの拡大だ。とりわけ20代前半は、アルバイトや契約社員、就職や転職した直後といった就労環境で収入が安定していない人が多く、利息をカットして返済期間を延長する「任意整理」による返済計画が成立せず、自己破産が実質的に唯一の選択肢となるケースが増えているという。
「任意整理は通常3〜5年の分割返済が前提となるため、『就労期間が短い』『収入が不安定』『家計余力が乏しい』といった理由から任意整理に必要な『月々の返済原資』を確保できず、返済計画が成立しないケースが少なくありません。結果として自己破産以外の選択肢が取りづらくなる例が増えていると聞いています」(同)
では、自己破産に陥らないためにどんな点に注意すればいいのか。
大泉さんは、▽「後払いサービス=借り入れ」という認識を持つ▽家計可視化アプリで毎月の支出を管理する▽小口借り入れの多重利用を避ける――といった対策を挙げたうえで、こうアドバイスする。
「相談が遅れるほど選択肢が狭まるため、生活費の赤字が続いた段階で早めに弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします」
自己破産手続きは「再出発のための制度」であるという認識を社会で共有することも重要だと、大泉さんは話す。
「破産は『人生の終わり』ではなく、借金で生活が破綻する前にリセットし、生活を立て直すための公的制度です。多くの専門家が、『適切なタイミングで利用することは、むしろ再出発に向けて重要だ』と強調しています」
(AERA編集部・渡辺豪)
こちらの記事もおすすめ 億ション購入で住宅「50年ローン」はアリなのか? FPに聞く老後破産しないコツ【試算付き】
















