投資学ぼうと見た解説サイトからLINEに誘導、3500万円詐取された女性「高校の頃からためた全て」「夫に言えず死も考えた」
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投資関連情報の提供をうたうサイトからLINEに誘導され、資産運用名目で現金をだまし取られる被害が後を絶たない。投資について学ぼうと、サイトを閲覧したのを機に約3500万円を詐取された岡山市の40歳代女性が取材に被害の状況を明らかにした。「高校生の頃からためたお金を全て失った。他の人に同じような目に遭ってほしくない」と話している。(岡山支局 小林沙世)
「勉強になるかも。話だけでも聞いてみたい」
女性は2月、子供の学費や老後の資金を確保しようと、スマートフォンで「投資 勉強」のキーワードで検索し、初心者向けと称した投資の解説サイトを見つけた。「更に詳しく勉強したい方はLINEを登録」との文言があり、タップすると、論客として知られる実業家の名前と顔写真のアカウントが表示された。女性は「勉強になるかも。話だけでも聞いてみたい」と、半信半疑でLINEの「友だち」に登録した。
株の購入歴や今後の投資方針を書き込むと、丁寧な返信があり、その後、アシスタントを名乗る人物のアカウントに誘導された。「あなたの資産を運用し、利益を確実に増やすことができる」と促され、投資用の口座を開設。カスタマーサービス担当を名乗る人物に促されて50万円を送金した。
サイト上では自身の口座に利益が出ているように表示され、投資の基礎知識を学ぶグループチャットに参加すると自宅に特典のリュックが届いた。「うまく資産を運用できている」と信じ込み、さらに1回あたり数十万~1000万円を十数回にわたって入金した。総額は約3500万円に上った。
「ゲーム感覚でだましとっている。悔しい」
詐欺を疑ったのは、5月上旬。カスタマーサービス担当を名乗る人物から「利益が投資額の30%を超えたので出金してほしい。手続きには税金として約820万円の支払いが必要です」とする内容のメッセージが届いた。「税金は税務署に納めるもの。企業に納めるなんておかしい」と思い、岡山県警に相談した。
県警は6月に被害届を受理し、詐欺容疑で捜査している。女性は「金額が大きくて夫に言えず、死ぬことも考えた。犯人たちは悪びれる様子もなく、ゲーム感覚でお金をだましとっている。悔しい」と語った。
「面識ない人からお金の話、すぐに詐欺を疑うべきだ」
資産運用や金融商品などに関する投資関連サイトが被害の入り口になるケースが相次ぐ背景には、投資熱の高まりがあるとみられる。警察当局や専門家が注意を呼びかけている。
警察庁によると、SNS型投資詐欺の被害は2023年に2271件(総額約278億円)だったが、今年は11月までで8217件(同約1071億円)と4倍近くに急増している。今年の被害の入り口となった接触手段を見ると、インスタグラム1677件(20・4%)、LINE1058件(12・9%)、ユーチューブ1040件(12・7%)の順に多く、投資関連サイトは4番目の908件(11・1%)だった。
投資関連サイトがきっかけの被害は4月に58件だったが、次第に増え、10月は2倍超の144件に上った。11月も95件あった。接触後にLINEに誘導されるケースがSNS型投資詐欺全体の約9割を占めた。
詐欺対策サービスを提供するIT会社「トビラシステムズ」(名古屋市)によると、投資初心者に関心を持たせるために元本保証や高配当をうたうほか、インターネット広告を使って投資サイトなどに誘導するケースが多いという。
同社のセキュリティリサーチャー、柘植悠孝さん(43)は「LINEのグループチャットのような閉鎖的な状況で話を進めて『他の人もやっているから大丈夫』と思い込ませ、周囲に相談させないようにするのが詐欺グループの狙いだ」と指摘。「面識のない人からお金の話が出た時点で、すぐに詐欺を疑うべきだ」と話している。