僕が「資産価値ゼロ」の分譲地を訪ね続ける理由……人気動画チャンネル「資産価値ZERO -限界ニュータウン探訪記-」誕生秘話
「限界ニュータウン」を発信するということ【前編】
雑草に埋もれた空き家、雑木林に覆われた空き地……かつて乱開発され、今は誰も住まない、買わない、そんな分譲地を「限界ニュータウン」と名づけ、妻とともに実際に住みながらその現状を綿密に調査し、ブログや動画で情報発信を続ける一人の男性がいる。
その男性、吉川祐介さんの動画チャンネル「資産価値ZERO -限界ニュータウン探訪記-」はチャンネル登録者数13.5万人(2023年8月現在)を抱える人気ぶりで、昨年出版された著書『限界ニュータウン』も版を重ねている。
それにしても、吉川さんはなぜこうした活動を始めたのか。
これまで語られなかった吉川さんの思いをこのたび寄稿していただいた。前後編に分けてお届けする。(文中の写真はすべて吉川さんが撮影。)
きっかけは自分が暮らすための家探しだった
『限界ニュータウン』などという書名の著書を出し、同じく「限界ニュータウン」と銘打ったブログや動画チャンネルを運営しているためか、僕は「限界ニュータウン」という言葉の直感的な印象から連想されるような、衰退した 郊外住宅地の欠点ばかり強調する配信者というイメージができてしまっている。
実際、現在の僕の仕事は、かつて投機目的で分譲されたものの、その後十分管理も行き届かない状態にある乱開発の分譲地を「限界ニュータウン」あるいは「限界分譲地」と呼んで、その問題を指摘する活動が主なので、そう思われても仕方ないとしか言いようがない。が、書籍の中でも少し触れたように、僕は本来、自分で暮らすため、自分で使うための家探しが「限界ニュータウン」の調査を始めたきっかけであり、基本的にそのスタンスは今でも変わっていない。
もちろん、この題材で生計を立てるようになって以降は、れっきとした取材で分譲地を訪問する機会も多くなったとはいえ、その合間で、僕は今でも家探しを続けている。僕が現在住んでいる横芝光町の家は借家であり、本当はこの家を買うのが一番都合が良いのだが、今のところ家主より売ってもらえる保証もないので、あてもなく家探しを続ける日々が続いている。