広がり続けるこの世界
●今日の時点では、3曲の収録予定のうち、1曲がまだ上がってないわけだけど、それは
どんな内容になるんだろう?
上杉さん:外で二人で一発録りしたものなんですよ。ゆずに対抗して”うに”って僕らは呼んでるん
だけど
●どんな場所で録音したの?
上杉さん:とりあえず、10ヶ所くらい試してみたよね
柴崎さん:うん。渋谷のパルコ前でやって怒られたり(笑)
上杉さん:ウルフルズのコンサートが終わった後に渋谷公会堂の前でやって、彼らのファンに
囲まれたり(笑)
柴崎さん:結局西武のA館とB館の間で録ったものを採用しました。
●普段からストリートミュージシャンに人気の場所ですね。
柴崎さん:2つのビルの壁があるから、音の反響がいいんですよ、あそこは。さすがにストリートの
人たちはその辺をよく知っている。
●ちなみに演奏したのは、どんな曲調のナンバー?
上杉さん:僕らにしてはわりとほのぼのした曲。歌のハモリとかも綺麗で。だから、スタジオで
ちゃんとレコーディングしてしまうと爽やかになりすぎると思って、外でやることにしたんです。
●外でやった理由は他にもあるのかな?
上杉さん:レコーディング中、二人してずーっと室内にこもりっきりで気分まで内側に向きかけて
いたんです。だから、ちょっと開放的な気分が欲しくなったという。
●こういう二人だけのアコースティックナンバーでも、ちゃんとリハはするの?
上杉さん:事務所で軽くしました。
柴崎さん:凄く低予算なリハ(笑)
上杉さん:かかったのはたこ焼き代ぐらいで
柴崎さん:外での録音は普通DATでマイクもよくコメント録りに使うようなやつだったし
●では、タイトルチューンの「カナリア」についても聞かせて下さい。
上杉さん:これは当初「晴れた終わり」の続編的なものにしようと思ってた曲なんですよ。
あれを作った時期に”本当はこういう歌にしたかった”っていうことを形にしようと思ったというか・・・
●ということは、上杉くんにとって「晴れた終わり」には表現していない部分があったと?
上杉さん:本当はもっと物事を客観的に捉えた内容にしたかったんですよ。だけど、あの時点ではそれが
できなくて”助けが欲しい!””シェルターが欲しい”っていう歌になってしまった。といって
「カナリア」も結局は悩みから抜け切れてない歌になってしまったんですけどね。今回の3曲目で
ある一番最後に作った”打倒ゆず”の曲でようやく少しは形にできたかな?っていう感じ(笑)
●「カナリア」の曲作りの方はいつものスタイルで?
柴崎さん:はい。上杉が作ったメロディーに対して、こっちがアレンジを考えていくというやり方で。
●上杉くんの場合は前にも話してくれたように、まずはキーも決めずに歌って、できたメロディーに
対して後からコードをつけていくという方法だったよね?
上杉さん:ハイ。今回も全くそのやり方だったんですけどね。いざ、完成してみたら、えらい
キーは高い曲になってしまって
柴崎さん:パートによっては限界に近い高さの声をださなければいけないくなっていた
●あのしぼりだすようなシャウトはキーが高すぎたってこともあったわけ?
上杉さん:そうなんですよ(笑)
柴崎さん:僕も僕でアレンジが終わるまでそのことに気がつかなくてってね。後から
”そういえばこれキーが高すぎるんじゃない?って気づいたという(笑)
上杉さん:で、こっちはうわーって叫びながら、もう頭の中で星が飛んじゃって(笑)
●この曲で初めて気がついたんだけど、パートによってまるでエフェクターで作ったような
すごく周期の細かいヴィブラートをかけた歌い方をしているよね。
上杉さん:ああ、変態ヴィブラートですね(笑)ヴィブラートというより・・アレは喉を細かく
震わすって感じで。これまでのシングルでもちょこっとやってたんですけど、今回はわりと
いっぱい使ってますね。
●あれは意識してやってることなんだ?
上杉さん:そうなんですよ。
柴崎さん:上杉は声でいろんなことができちゃうからねー。
よく”あのヴォーカル、どうやって歪ませているんですか?”って聞かれるんだけど、
彼の場合喉にディストーションがついているから地声で歪ませることもできるっていう(笑)
●パートによっては女性コーラスを起用したのはなぜ?そのことで曲の雰囲気が
和らげられていたけど。
上杉さん:そこはシングル曲ということで(笑)というか僕としては中島みゆきさんのイメージが
あったんですよ”ここに母性に包まれた女性コーラスが欲しい。だったら、みゆきさんしかいないだろう”
って。でも諸事情でそれは無理で、替りに来てくれたヴォーカルの人には歌う前に”女性の偉大さを
思い知らせるような歌い方をして下さい”ってリクエストして(笑)
柴崎さん:それを言ったらかなりみゆきさんに近い歌になったよね。あと、この曲では上杉の声も
コーラスで参加しているんですよ。声のっ性別を変化させるエフェクトを使って
●そういうやり方なんだ。
上杉さん:コーラス部分の自分の声はコブシが重要だったんです。そのニュアンスって他の人じゃなかなか
真似できない。だったら僕が歌ったものとまるで同じニュアンスのままハモリをつけてエフェクターを
使おうってなったんですよね。
●曲の拍子が「晴れた終わり」と同様の3拍子系ってデモテープの時点から?
柴崎さん:うん。そこは上杉のせいで(笑)
上杉さん:なんかねー気が付くと3拍子系の曲になっているってことが多いんですよ。
柴崎さん:同じ3拍子系でも、「晴れた終わり」は3/4でそれをいかにワルツっぽくさせないか
といったところで苦労したけど、「カナリア」は6/8この手は自分の引き出しにもあった感じで
わりとスムーズにアレンジできました
●中間部でいきなりジャズっぽくなる所は”おおっ”って思ったけど、あのギターソロのフレージング
かなりそっち系だったね。
柴崎さん:歌い方はロックだと思うよ。そっち系のギタリストのCDはよく聴いてたりするから
●2曲目の「PLAYER」これもギター好きなら思わず身をのりだしちゃうような内容だった。
構成としてはリズム隊なしのギターと歌のみ。ただ、そのギターの部分がエレキで、しかも
何重にもダビングされて未知の世界を作り上げていて
上杉さん:これは珍しく僕じゃなくて、柴崎が作った曲なんですよ
柴崎さん:上杉の曲をアレンジする時と同様、メロディーを先に作ってそこにコードやら
何やらつけていくっていう方法をとってみたという
●ライン録りにしてはえらく生ナマしい音だったけど。とくに歪み20%のクリーントーン
みたいな音色が絶妙で
柴崎さん:いや、これはラインじゃなくって自分でマイクをセットして録音したものなんですよ
●エーッ、だとしたらエンジニアの仕事をできるんじゃない!?あのクオリティーで録れるなんて
上杉さん:できますよね。
柴崎さん:たまたまこの曲はうまくいっただけで「カナリア」でも同じ方法をとろうとしたら
最悪だったし(笑)
上杉さん:そういえば「カナリア」を家で録る時、近所にあいさつに行ったんでしょ?
柴崎さん:うん。苦情にビクビクしながら弾くっていうのはイヤだったから”すみませんがよろしく”って
言って近所をまわって(笑)
●サウンドは自宅録音となると歌のみスタジオでやったわけね
柴崎さん:久々に人のメロディを歌うので、苦労したんじゃない?
上杉さん:そこはそうでもなかった。それよりウィスパーヴォイスに挑戦しようと思ったら
全然ウィスパーじゃなくなっちゃって(笑)最近、攻撃的な歌い方が多かったから、
優しく歌うのって難しくてね
●そういったところまで含めてこれまでにマキシシングル3枚、計9曲。常にトライがあるよね
柴崎さん:無意識のうちにいつも”何か違うアプローチ”をって探しているところがあるから
ギタリストとして言えば、ギターでできることはまだまだあるはずだって感じで。
上杉さん:僕は常にダークな部分はどこかに残しておきたいって感じかな?
明るすぎるものを前にすると何か・・・自分が取り残されたような気になるし
柴崎さん:ライヴは楽しくやりたいけどね
●そういえば来年、やるんでしょ?
柴崎さん:4月に。多分ギタリストをもう一人入れて。場合によってはベーシストにもギターを
弾いてもらうことになるかもしれない。ある程度、曲を再現するためにはね
上杉さん:僕はとりあえず、ムーンウォークを練習しておこうかなと(笑)
柴崎さん:ファンの反応が楽しみ(笑)
●まずバンドがプレイを始めて、そこにムーンウォークで上杉くんが登場してくるとか
柴崎さん:(笑)しかもその時の曲は「TOY$!」かなんかでね
●凄すぎる(笑)