不変のうた
聞きたいんですけどね
上杉さん:ん・・・・アマチュアの時にビデオクリップを観て体に電気が走って、ああ、もう、
これしかないって思ったのが”ウェルカムトゥザジャングル”なんですよ。
●ガンズ(&ローゼス)ですか?でも、それはたぶん、スタイルとか全部ひっくるめてですよね。
上杉さん:あ、ああ、そうですね。うん
●そう、何ていうか”いつ聴いても泣いちゃうんだよね、この曲は”とかってありません?
柴崎さん:中学生くらいの時に何にも音楽的なことも分からないで聴いていいなあって思った
曲って、その頃の感覚に戻れるというのはありますよね
●うん、戻りますよね、そのまま
上杉さん:あの、俺、友達あんまりいないんですけど、昔、親友が二人いたんですよ(笑)
●はいはい、いたと(笑)
上杉さん:(笑)で、一人は凄いヤンキーだったんですけど、元々内蔵どかが悪いヤツで普通の
小学校には通えなかったんですね。で、その反動もあって中学からは普通の学校に通い始めたんですけど
グレ始めちゃって。そいつも友達とかあんまりいなくて一緒になって遊んだりしてたんですけど。
そしたら、段々俺の影響を受けてロックの方にくるようになったんですよ。
パンチパーマだったんですけど、それがちょっとロン毛で茶髪になったりして
●ロック少年化してきたと。
上杉さん:ええ。でも、もう内蔵の方の影響で耳が聴こえなくなってきてて。そいつが、
俺がデビューしてすぐ亡くなっちゃったんですよ。唯一、俺がデビューした時に泣いて
喜んでくれたくらいのヤツなんですけど。そいつが一番好きだったのが”ガンズの”ペイシャンス”
で・・・んー、だからそいつが死んだ時から、命日には毎年かけてるんですけどね
●・・・・ん・・・・そのことによって癒されたり助けられたりしてるんでしょうけど。
・・・・ん・・・ダメなんですよ、俺そういう話、マジでまともに喋れなくなりそうなので
上杉さん:・・・はははは(少し弱々しいけどニコニコ笑ってくれる)
●ごめんなさい。勝手に次に行かせてもらいますね。あと単純な話、どういう系統の曲が
好きなんですか?
上杉さん:元々根暗なんで、最近特にストレートに弾けてるのはあんまり好きじゃないですね。
ヴァンヘイレンとかは聴かないですね。
柴崎さん:俺、ああいうの好きですよ(笑)
●(笑)じゃ、どの辺りが好きなんですか?
上杉さん:最近はレインコーツとか、あと、メルヴィンズの暗いヤツとか、急に叫びだすヤツとか(笑)
でも、今日のテーマはフェイバリットを探るってことなんですか?
●いやいや、結局あれですよ。二人の好きな音楽を辿って、どういう音楽を理想として目指してるのか
探ってみようかなってとこなんですよ
柴崎さん:ああ、永遠に変わらないのはメロディと和音(コード)の組み合わせで、どういう感情
というか、フィーリングを与えられるかってことなんですけどね
上杉さん:最近、チベット民謡っていうんですか?チベットの音楽に興味があって。まあ、まだ興味
があるだけで、これからいろいろ探索しようかなって思ってるんですけど、どこから手をつけていいのか
分からないですから
●なるほど。でも別にチベット方向にいくってわけじゃないですよね(笑)
上杉さん:あははは、何かそういうのをロックに取り入れたいなあっていう
●あの、基本的に”痛い”というのは毎回言ってるんですけど、アルニコは音全体の触感が
ザラザラしてるって感じなんですよ
上杉さん:んー、それはミキサーのせいもややありですかね(笑)
●生々しいっていう方が近いのかなあ。
柴崎さん:それもミキサーのせいでは(笑)
●何だ、ミキサーのせいだったのかあ(笑)・・・って、違うって!
あの、「晴れた終わり」の時もそう感じたんですけど、こう漠然と見えてるんだけど
はっきりしないものを試行錯誤しながら形にするっていうんですか。そういう方法論を
取ってますよね。
上杉さん:そうですね。漠然としていて、はっきりしないんですけど、ペリーファレルは好きかなくらい
ですね。姿勢として。あの、常に新しいことをやろうと企んでる感じが好きなんで(笑)
柴崎さん:ただ、珍しいだけだと分析はしてもあんまり、好んでは聴けないというのは
あるから、ただ、新しいんじゃなくて、いつの時代も変わらないものというか、それが曲の
コアの部分だと思うから
●んー、だから”歌”ですよね、やっぱり。絶対風化しない
上杉さん:そうですね。”歌”ですね。
●スタイルとかは上に乗っかるものですから変化はしますけど、それこそ”不変のうた”を作りたい
わけですね。
上杉さん:ああ、そうですね、それを確立していけばいいですね
●しかし、具体的なようでやっぱり、やっぱり全然具体的じゃないなあ(笑)
上杉さん:あはははは、んー、でも、何だろう?パンクが好きなので。自分にとってのパンクというのは
あらゆる音楽法であったり、いろんな固定観念から開放されたところで、極めて自由でフリーダムなものだと
思ってるんですけど。そういう意味だと、言葉で言っちゃうとちょっと安っぽいけど”ネオパンク”みたいな
ことを目指してるんですけどね
●パンクの概念としては、ぶち壊すというよりフリーダムとしての感覚の方が強いんですかね
上杉さん:んー、でも両方ですよ、うん
●まあ、ぶち壊さないと創れないし、それが自由にも通じるから結局同じなんでしょうけど
上杉さん:ああ、うん、ですね。で、特にかつて適当にやってたわけでは決してないんですけど
やってたことがやってたことですから、ちょっと気合入れてやらなくちゃいけないとは
思ってますけどね(笑)
●それは反動ですか?
上杉さん:っていうより、影響力というものがあったと思うから、そういう音楽だけじゃないんだって
いうことも分からせたいというか
●そういう意味だと、やはり音楽の持ってる力自体を信じてるというか。大抵のことは音楽から
教わってきたって感じですか、やっぱり
柴崎さん:でも、そういうのって中学とか高校の頃に歌詞を読んで教訓を学んだとか、そういうんじゃない
のかなあ。俺ね、歌詞ってほとんど読んでなかったから。
上杉さん:でも最近隠れて歌詞を書いてるんだよね(笑)
●本当っすか?
柴崎さん:んーちょっとね(笑)2~3行ほど(笑)でも、さっきの音楽に教わったっていう感覚は
ないんですよ。俺は。癒されたいというより、気持ち良いというか緩和されるとか、気持ちいいとかそういう
感じですね。ストレスが緩和されたり、こう落ち込んでるのがバカらしく思えたりね。何かそういう作用は
あるじゃないですか、やっぱり
●でも、その作用って凄くでかいことじゃないですか?
柴崎さん:そうですね、それが音楽をやめられないところというか、うん
●そういう作用なり、癒しなり助けなりを貰ってきたわけですよね、音楽から。じゃあ、今度は返す番だ
という自覚はあります?
上杉さん:ああ、そうっすね、うん
柴崎さん:俺はそういうのはありますね。そういうこお心の動くようなものを、自分も残したいというか
●あの単純に2人を”暗い””明るい”という風に分類するとどうなるんですかね、傾向としては
柴崎さん:どっちも”暗い”と思う(笑)
中学の頃、オフコースが好きで、周りに暗いよねとか言われて。ただ気持ちいいから、聴いてた
だけなのにね
●その気持ちよさっつーのは”切なく”て気持ち良かったんですかね。
柴崎さん:どうなんだろう?そういうのをうまく言うのは苦手だなあ(笑)
上杉さん:それじゃあ、雑誌の取材にならないって(笑)
●ナイスフォローでございます(笑)