ロックの原点と自由を求めて
名はal.ni.coで、まもなくデビューマキシシングルの「TOY$!」が到着!むちゃくちゃカッコいいので
ワクワクしながら待っていて欲しいと思うが、「まずはハダカの自分たちを見て欲しい」という彼らに
ユニット結成までの経緯を含めて語ってもらった
●まずはおふたりがWANDSを脱退した理由から聞かせてほしいんですが
上杉さん:ええ。まず、WANDSはもともとプロデューサーによって集められたバンドだったんですけれど
そういう形だったこともあって、プロデューサーが考える枠組みの中で、毎回、どこまで自分自身を
出していけるのか勝負してきたところがあったんですね。作品をだすごとにその枠組みを広げようとしてきたん
だけれど、ある日気づいたら、これ以上は無理だなという限界に来ていた。プロデューサーの意向とは
違ったとしても、枠組みをとっぱらうこともできたかもしれない。
でも、それをやったらWANDSではなくなってしまうんじゃないかって。
●要するに思うがままに自分を表現したら、WANDSとは色が違うバンドになってしまうと?
上杉さん:ええ。で、自分でもデビュー当時の曲と後期の曲とでは、かなり、ギャップがあると感じていたし
ファンの人がイメージするWANDSと自分が目指していきたい音楽のイメージが違ってきてるなって感じ
でたんですね。もちろん、無理してWANDSを続けていくこともできたかもしれないけど、自分としては
継続することがすべてとは思えなかった。続けていくことでWANDSのイメージが崩れてしまうなら、脱退
という形を選ぶのもありだなって
●ということは、けっこう長い期間、考えた末の結論ですね。
柴崎さん:上杉が”やめたい”っていったのは3回目ぐらいだったから。”いや、まだやれるよ”って
説得したりしたんですけど、最後は納得して・・・で、上杉がやめることがわかった時点で、
自分のこともいろいろと考えたんですけど、やっぱり作品の方向性を自分たちだけでは決められない
ということにやりにくさは感じてたんですね。デビューしたときの状態から発展して、自発的なバンドに
近い状態になってはいたけれど、それでも普通のバンドとは違うところがあったから、上杉がいなくなった
時点で俺も興味がなくなって、やめることにしたんです。
●脱退したのが96年の6月で、al.ni.coを結成したのが97年の11月やめてから、1年半の時間が流れて
いますけれど、その間はどのように過ごしていたんですか?
上杉さん:最初はそれぞれバラバラに曲を作ってデモテープ作りをしてたんですね。たとえ一緒に
やれなくても音楽的な部分ではよき相談相手になってたんだろうなというのはあったんですけど・・・
やっぱり、新しい人と音楽を作る場合って、”この曲はインドの葬式みたいな感じにしたいんだ”って
いったとしてもなかなか通じないじゃないですか?でも、柴崎にはそれで通じるんですよ。
それは大きかったですね。みなまでいわなくてもわかる
柴崎さん:やめた当初はメランコリックになってた時期もあったけど
●俺、これから先、どうしたらいいんだろうって?
柴崎さん:それまでのビジョンにぽっかり穴があいたから。で、機材を買って一人で曲をつくって歌ったり
して、上杉は上杉で他のミュージシャンとレコーディングしてたんだけど、思ったように行かなかったらしくて、
ある日、電話で”シバのアレンジも聴いてみたいな”っていわれたのが1年ぐらい前かな。それからポツポツ
ふたりで作業するようになって、最初は上杉のソロプロジェクトを手伝うつもりで、al.ni.coも
その延長線上なんですけどね。
上杉さん:やっぱり”インドの葬式”っていうのを理解できないとね(笑)
●(笑)インドの葬式にやけにこだわりますねえ。
上杉さん:いや、別に”サウジアラビアの雨”でもいいんですけど(笑)
柴崎さん:いちいちこういう音でって説明するのはわずらわしいんだよね
●なるほど。ところで、al.ni.coって変わった名前ですよね。由来は?
上杉さん:ああ。自分たちの曲はアルファ波が出ていて、聴いてると自然とニコニコしちゃうから
アルニコになったんですけど(笑)
●ふたりともアルコールとニコチンの中毒だからアルニコだっていう説も聞きましたよ(笑)
上杉さん:(笑)そう答えてた時期もあったんですけど、今日はアルファ波の気分なんです(笑)
柴崎さん:それいいねえ(笑)
上杉さん:ほんとは磁石の名前でね。
柴崎さん:オーディオマニアやギターをやってる人ならなじみの名前なんですけどね
上杉さん:結成した時に、つねに新しい事をやりたいっていう気持ちがあったんですよ。
アルニコって最初に聞いた時から斬新な名前だったから、”これしかないな”って思ったんです。
●お互いから見てそれぞれのキャラクターはどう映ってるんですか?
上杉さん:柴崎はよくも悪くもこだわりがすごいですね。”別にそこまでこだわらなくても”と思う事
をクドクドクドクドと(笑)
●日常的な場面でも(笑)
上杉さん:いや、特にギターにおいてですね。日常、ゴミをきっちり分別してるかはわからないけど(笑)
ギターはもう何千分の1みたいなミクロの領域までこだわってますよ
柴崎さん:そういう意味じゃ、上杉の歌もついていけない。ピッチ(音程)に対して感度がよすぎる
というか、こっちが大丈夫だと思うレベルをはるかに越えてる
●性格的なところも似てます?
上杉さん:どうなんですかね。お互いに社交的じゃないかも(笑)
●人ごみも苦手な方とか?
柴崎さん:ああ、俺は祭りとかあんまり好きじゃないかもしれない(笑)
上杉さん:そう?俺は祭り好きだけど(笑)・・・っていうか、ふたりとも人見知りするんですよ
●家にこもりがちみたいな?
上杉さん:俺はもう完全にインドア派
柴崎さん:僕もインドアですね。たまに楽器屋をふらふらするぐらい
●音楽ばっかりですねえ
柴崎さん:音楽しかやらない(笑)テトリスはうまいけど(笑)
上杉さん:この人、昔テニスをやってたせいなのかテテニスゲームが得意で、俺もテニスゲーム
には自信があったから、俺の家にきたときに試合したんですけど、俺が勝ったんですよ。
それ以来やってないみたい(笑)
●ではこのへんでマキシシングルの話を。1曲目の「TOY$!」はいちばん最初にできた曲?
柴崎さん:いやいちばん新しい曲。最初、上杉にデモテープをもらって、ギターのリフひとつで
最後までいく曲だったから”うわっ!コアだな”と思って方向性がつかめなかったんだけど、
上杉に詞をFAXしてもらって見えてきたっていう
上杉さん:野性的なデモテープを渡しても理知的にしてくれるんで(笑)
柴崎さん:家に行った時も驚いたんですけど、ティッシュの箱にガムテープを貼ってマイクスタンドがわりに
使ってるんです(笑)誰もやらないやり方でテープを録ってる(笑)
上杉さん:WANDSの頃は作詞はしてたけど、作曲はあまりしてなかったですからね。
あの頃は曲は聴いてインスパイアされて詞を書いていたんですけど、今度は自分でつくってる
し、作詞家としての方向性や表現方法もガラっと変えたかった。で、最初は英語で歌ったりもしてて
●「TOY$!」の詞は凄いインパクトですよね。”枯れた心がまた歳をとる”っていう出だしからして
すごいなって思いました。
上杉さん:この曲に関してはいろいろ考えた末に、じゃあ自分が思ってることをストレートに書いちゃおうと
思って・・al.ni.coはきわめて自由なユニットでありたいと思ってるんだけど、ひとつだけ決め事があるとしたら
ロックでありたいんですよ。だから、最初のシングルとして飾りのないハダカのロックを打ち出しだかった
っていう。
●自分も含めて、ただのオモチャだって言い切っちゃってますし。
上杉さん:うーん。あんまり深くは考えてないけど、そのまんま感じた事を歌っちゃってますから。
とりあえず、ハダカの自分を見てくれってところはありますね。これからは新しい服を着るかも
しれないけど
柴崎さん:で、俺としては上杉の曲を聴いて、自分が感じたことをそこに何でも自由に
ぶちこんで行こうと思ってます