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マイクロアグレッション(職場での自覚なき差別)の影響と対処法
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更新: 2025年4月29日
無自覚に行う差別は、顕著な場合もあれば分かりにくい場合もあり、意図したものである場合もあれば、差別だという意識がない場合もあります。
自覚なき差別を繰り返し受けることで、個人もコミュニティも、長期にわたって打撃を受ける可能性があります。自覚なき差別は蔓延しており、毎日の生活では気づかれないことが多いため、職場でこの問題がどのように生じる可能性があるか、十分に理解しておく必要があります。自覚なき差別はどこにでもあるということを理解することは重要です。実際には、自然な会話の中でも起こり、自分に向けられたものではない場合は気づきにくく、あなたも自覚なき差別といえる言動をとってしまっていた可能性も十分にあります。
スー氏は次のように述べています。「人種、性別、性的指向に基づく偏見がまったくない人はいません。過小評価をされている集団の人を含め、誰もが偏見や先入観を持っており、他の人に差別的で攻撃的な態度をとることがあります」職場における自覚なき差別は、対象となる人の精神的安定性や仕事のパフォーマンス、同僚との関係を脅かしかねません。インクルージョンを重視する職場環境を推進することは、社員だけでなく企業にとっても重要です。ある調査では、他の社員に受け入れられていると強く感じることで、仕事のパフォーマンスが56% 向上し、離職のリスクが50% 低下することが分かっています。職場における自覚なき差別の例を挙げてみましょう。ジェンダーに関する自覚なき差別の例
- 女性に対して「偉そうだ」と言うこと - 女性の指導力や管理スキルをおとしめている
- 本人が望む人称代名詞を確認せずに、相手を「彼」「彼女」などの三人称で呼ぶこと - 相手の性自認を無視した呼び方となる恐れがある
- 「出身はどちらですか?いや、本当の出身地は?」などと質問すること - 相手が米国生まれでないと思い込み、よそ者扱いしている
- 有色人種の人に「はっきりと発音されますね」と言うこと - 有色人種の人は発音が悪いと決めてかかっていた
- 宗教的または文化的な祝日に重要な締め切り日を設定すること - 米国で一般的な祝日(米国独立記念日、クリスマスなど)のみを優先するというメッセージを伝えている
- 「整理整頓好きなので自分は OCD (強迫性障害)だ」と言うこと - OCD(強迫性障害) と闘っている人の経験を過小評価している
この記事では、職場における自覚なき差別への対処方法について考えます。別の人に向けられた差別であっても、あなたに向けられた差別であっても、できることはあります。また、自覚なき差別をしてしまった場合に取るべきステップについてもご紹介します。
自覚なき差別を指摘するかどうかを判断する方法
心理学者のデラルド・W・スー氏は、自覚なき差別を指摘することに関する「ジレンマ」について述べています。自覚なき差別を指摘しなければ、腹が立ったり、落胆したり、後悔する可能性があります。他方、差別的な表現であることを指摘すると、指摘された人が身構えたり拒絶して、さらなる対立を生む可能性があります。つまり、自覚なき差別を指摘するかどうかを判断するのは簡単ではないということです。心理学教授であるケビン・ナダル博士の、自覚なき差別を指摘するかどうかを判断する際に自問できる質問のリストをご紹介します。
- 指摘したら、自分に身体的な危険が及ぶだろうか?
- 指摘したら、相手が身構え、口論につながってしまうだろうか?
- 指摘したら、相手(同僚、家族など)との関係はどうなるだろうか?
- 指摘しなかったら、何も言わなかったことを後悔するだろうか?
- 指摘しなかったら、その態度や言い分を容認していると思われるだろうか?
あなたに向けられた自覚なき差別に対処する
ナダル博士は、3つの対処方法挙げています。受動攻撃的に対応すること(皮肉っぽいコメントを言う、あきれた表情をするなど)、強硬に反応すること(大声をあげる、感情的な態度をとるなど)、
きっぱりと対応すること(落ち着いて話し合う、きちんと説明するなど)です。
状況によっては他の対処方法が適切な場合もあり得ますが、職場では大抵の場合、きっぱりと対応することが有効です。自覚なき差別が自分に向けられると、感情的になり、ストレスを感じる可能性もあります。皮肉を言ってしまったり、感情的になり大声をあげてしまったりすることは自然なことですし、そうしないと腹の虫が治まらないと思うこともあるでしょう。
しかし、職場において、建設的な話し合いにつながり、最善の結果が得られる可能性が高いのは、きっぱりと対応した場合です。きっぱりと対応する際には、次の点を考慮してください。
- 差別的な言動をした人に対して、「私」という言葉を使って穏やかに問題を指摘し(「こう言われて私は傷ついた」など)、状況(「私が傷ついたのは … だから」など)を説明します。そうすることで、差別的な言動をした人は、自覚なき差別が相手に直接どのような影響を与えたかを、明確で率直な言葉によって理解できます。
- 相手に話をする前に、時間をかけて考えをまとめます。相手と直接話した方がよいか、メールを送った方がよいか、じっくり考えましょう。相手が何を言ったのか、それを言われて自分がなぜ、またどのように傷ついたのかを伝えます。
「人種差別主義者なんですね」などと言うと、相手が身構える可能性があります。むしろ、「先ほど仰られたことは、人種差別と受け取られ、他の人の感情を害し兼ねないですよ。なぜなら...」などと言うことで、より建設的な話し合いにつながる可能性が高くなります。 - また、セルフケアの重要性を忘れないでください。自覚なき差別を受けた場合は、信頼できる同僚、家族や友人、メンタルヘルスの専門家などにそのことを話し、経験したことを整理するとよいかもしれません。ナダル博士は、「そうすることで、ネガティブで有害な感情をため込まないようにできる可能性があります。こうした感情をため込むと、メンタルヘルスに影響が及ぶことがあります。」と説明しています。
別の人に向けられた自覚なき差別に対処する
職場において、過小評価されている集団が抑圧されているのを目撃した場合は、声を上げることができます。上に挙げたのと同様の方法で、別の人に向けられた自覚なき差別を指摘できます。ここでは、上記のヒントとわずかに異なる点のみ取り上げます。まず、過小評価されている集団に自分が属していない場合は、自覚なき差別を特定することが難しいです。自覚なき差別を目撃したと思うものの確信が持てない場合は、その状況について信頼できる同僚に話すと良いでしょう。その同僚がその場にいた場合は、特に有効です。また、差別的な言動をした人から、過小評価されている集団に属していない部外者は、自覚なき差別を指摘する「資格がない」と言われる可能性があります。こうした状況で有効なのが、きっぱりと対応する方法に含まれる「説明」の部分です。自覚なき差別によって自分が個人的に傷つけられたわけではないため、相手の言動が人種差別などの差別と受け取られ兼ねなかった理由を説明すると、納得してもらえる可能性が高くなります。関連記事:職場でより良いアライになるための5つのステップ自覚なき差別をしてしまった場合
先述のように、自覚なき差別はどこにでもありです。あなたが過去に自覚なき差別をしてしまった可能性もあれば、今後再びしてしまう可能性も否定できません。私たち人間は間違いを犯すもので、間違いを犯したときには、自身の言動は努力次第で成長させることができる、成長型マインドセットを維持することが役立ちます。 自分の言動が、過小評価されている集団にネガティブな影響を与えてしまったかもしれないと気づいたら、責任を持って真摯に謝罪してください。その際には、他の人の注意を過度に引いて相手をさらに気まずい状況に置くことも考えられるため、個人的に謝罪することを検討しましょう。また、自覚なき差別を行ったことに気づかず、他の人に指摘される場合もあります。その場合は、自分を守ろうと身構えることなく、指摘してくれた人の意見に耳を傾けてください。指摘に対して「そうじゃないんです。人種差別ではないですよ。」などと答えると、相手の不快な気持ちを過小評価していることになり、状況を悪化させてしまう可能性があります。そうではなく、相手を傷つけたことを認め、自分の言動がどのように相手の感情を害したかをよく考え、指摘してくれたことに感謝しましょう。言われたことを真剣に受け止めることで、インクルージョンを尊重する従業員になることができ、インクルージョンを重視する職場環境作りに貢献できます。
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