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マンション市況不定期観測メモ(2025年10月末時点)

こんにちは そらまめです。

今回も各種月次指標の更新と余談を書いていこうと思います。

※自分で書いていても「これ読むのカロリーいるなあ」と感じます。。
面倒な人はChatGPTに読ませて要約させてみてください。





新築マンションの月次供給数

今月も不動産経済研究所から公表される数字を見ていきます。(リンク
2025年9月末(10/21公表)時点の実績を反映させました。

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2025年1-9月の供給戸数は「13,268戸」で、
年間の予定供給数に対する進捗率は、
予定:26,000戸 に対して
実績:13,184戸 となり進捗率51%となりました。
残り10-12月の3か月で約13,000戸を供給しないと予定未達になります)

ちなみに直近の4か月間(6-9月)は異例の供給数になっていて、いずれも予定を上回る供給でした。
6月予定1,500戸→1,641戸
7月予定1,500戸→2,006戸
8月予定1,000戸→1,301戸
9月予定1,500戸→1,908戸

予定はあくまでも不動産経済研究所が公表している数字のため根拠不明ですが、予定数を連続で超えてくる現象はここ数年ありませんでした。
予定より多く供給する”追い上げ”が年末まで続けば、節目になる「20,000戸割れ」は回避できることになりそうで注目しています。

首都圏全体13,184戸に対して、
23区 :5,241戸
その他:8,027戸
のため比率としては4:6で概ね例年通りとなっています。(23区だけが突出して多いわけではない)

個人的には販売不調のエリアが足を引っ張り、供給数が「ごりごり」削られていくかと思っていましたが、「じわじわ」減っているという表現の方が近いようです。

前回のnoteで以下のコメントをしましたが、年間の実績としては近い数字になりそうです。
>ちなみに2025年の予定は26,000戸となっていますから、
>例年通り予定の85%程度の供給とした場合は22,100戸となります。

※昨年(2024年)の年間供給数は23,003戸でしたから、引き続き供給数の減少には歯止めがかかっていない状況です。(観測史上最低を更新中)

供給戸数に対して契約率は少しずつ下がり続けていて、直近の9月単月は54%で低い水準となりました。
年間の契約率を平均で比較すると
2022年:69%
2023年:70%
2024年:67%
2025年:64% ← 9か月分
となっており、年間を通しても低い水準で着地しそうです。

契約率が低い=供給しているが契約されない状況なので、販売在庫は増えています。(9末時点で5,879戸 24年比854戸増加)

新築マンションの残戸数の前年比推移。(不動産市場動向データ集より抜粋)

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赤線が首都圏、矢印は筆者加筆

前年比で減少を続けてきた2019年~2022年頃、そこからじわじわ増加傾向に転換している2022年~2025年という推移になっています。

タワーマンションを中心に需要が旺盛な物件は「供給量を制限しながら」「引き渡し時期を先延ばしする傾向」ですから、供給サイド(デベ)の理由と
郊外を中心として高価格帯のニーズが薄く、シンプルに売れ残りが増えている需要サイドの理由が考えられます。

ここでも二極化の色が混ざり合う推移になっているので単一の理由で説明するのがかなり難しくなっています。

後述する中古では都心以外のエリアでも成約件数が増え、在庫が減り、価格も上がってくるなど、勢いを取り戻しつつありますから、郊外だから売れ残るという単純な構図でもなさそうです。
最近の新築マンションは駅遠の大規模も増えていますから真面目に分析するなら立地から紐解く必要がありますね。



中古マンションの成約価格推移

2025年9月の成約単価を反映すると
都心3区:217.0(2018年比で約2.1倍)
20区:169.6
都下+3県:142.8
となりました。

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都心3区:青 20区:オレンジ 都下+3県:グレー

グラフで示してみると、よく言われる二極化のような状況ではなく、三極化に近い動きであることがわかります。
厳密にはグラデーションになっているものを3極化で示しているという方が正確かもしれません。

都心3区の成約単価は5月にピークをつけて以降は更新されていない状況で、
20区は2025年に入ってからじわじわ高値更新しながら、過去最高値を更新中
です。

都下+3県は2023年後半から目立った動きがなく20区との開きが大きくなっています。

外側になるほどランドマーク物件以外は価格が停滞していることが多いものの、そこに建つ新築は「今の時代らしい価格」になっているので、中古相場と乖離した値付けになることが多いです。

※「都下+3県」は県全域ではなく、以下のエリアを平均した値になっています。
・多摩地区(都区部・島嶼部以外)
・さいたま市
・中央地区(川口市、戸田市、蕨市、上尾市)
・総武地区(市川市、船橋市、鎌ヶ谷市、浦安市、習志野市、八千代市)
・常磐地区(松戸市、柏市、我孫子市、流山市、野田市)
・川崎市
・横浜市

実態として、グラフの下限となる都下+3県でも(平均で)1.5倍ほどの価格になっています。
一般の物価水準と比較すると(品目によって異なりますが)概ね生活物価の上昇率と変わらないと思われます。

実需メインのエリアで「これ」ですから、構造的な変化が無い限りはコロナ前の価格に戻ることは無さそうです。

マンションは金額が大きいので、1.5倍でもインパクトのあるグロスになってきます。

70㎡換算で、
5,000万円で売っていた物件が7,500万円(坪236万 → 坪354万)
7,000万円で売っていた物件が10,500万円(坪331万 → 坪496万)
10,000万円で売っていた物件が15,000万円(坪472万 → 坪708万)

昔から市況を追っている人は、この数字を見ただけで「あぁ、あの物件の値動きがまさにこれだ」とイメージできるかと思います。

と言いつつ実際はコロナ前の時点で「億ション」は都心部と一部のエリアだけだったので、旧価格が10,000万円の時点で”都心”か”20区”のどちらかに属す物件となりますから、1.5倍どころじゃなくなります。
10,000万円で売っていた物件が15,000万円
10,000万円で売っていた物件が17,000~20,000万円
(ざっくり20区は1.7倍、都心は2倍の推移となるため)

個人的な目線ですが、上記程度の値動きは新しいベース価格になっている認識で受け入れるしかないかなという感想です。
(懐かしい坪200万倶楽部は坪400万前後倶楽部へ)

格差が広がるとみんなが同じレンジいる団子状態ではなく、少しずつ距離が離れることになります。(先頭集団との距離だけでなく中間層同士の距離も離れる)
新しいベース価格を受け入れられる層だけがデべから中間層扱いされていると言えるかもしれません。

今の市況の大枠はこんな色分けで見ています。
・投資マネーも大量に入ってくる都心部&タワー
・”それ”の連れ高を含みながら共働き・パワーカップルに人気の周辺区
・通勤至便の近郊郊外とキラキラニュータウン
・微動だにしない(むしろかなり苦しい)郊外

エリアが広いだけに”外側”の方が色合いが様々で、人気度合いの差が激しく、市場平均を上回る動きを見せる物件と下回る物件が顕著になっていますね。

このようにインフレ時は価格のバラつきが大きくなりますから、「平均」だけ見ていても目線がずれていくことになります。

同じエリアの中でもトップラインとボトムラインの差がかなり大きくなっているのは、買う人の属性が違いすぎるためです。
物件の個別性が色濃く表れるので(価格動向を気にする場合は)ミクロ視点の分析がより一層重要になってくる時代ですね。

22年あたりから24年にかけては実需エリアでも買取再販が大量に発生していましたが、24年後半から25年現在までは高額帯のタワマンや広い住戸を中心に買取再販がかなり増えた時期でもあります。

業者が引き続き強気目線だと下げる余地も限定的で、これまでより高い位置で拾われる形になり、安くなりようがない構造です。
(特に突出して活況なエリアでは)業者に買い負けた人も多いのではないでしょうか



都心3区のテクニカル指標

・移動平均線
・移動平均線乖離率
・RSI

株式取引と違い不動産にこの手の指標がないので作成してみたものです。
この指標をもって売買の判断を行うことはありません。あくまでも市場の温度感を可視化するための試みです。

移動平均線

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9月末時点の「都心3区中古マンション成約単価 移動平均線」は
中期(12ヶ月):223.5
長期(24ヶ月):201.3 となりました。

移動平均線乖離率

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10月の移動平均線乖離率は17.3%となりました。
赤い線は目安となる上下20%に引いています。

成約単価の推移で見たように直近は高値を更新していませんから、移動平均線が上昇する形で乖離率も20%を下回っている状況です。
それでも過去15年の中では引き続き乖離が大きい状況となります。

そもそも不動産取引は1つの取引に時間を要するので、直近の成約実績をベースに価格を判断し、次の相場形成には数か月~1年の時間軸で動く通常でした。

毎月価格を更新するのは、(都心は)売り手市場な点と、プライスリーダーになる新築を基準に価格が引き上げられている点が大きいと言えそうです。
直近の実績を確認する前に将来の期待値を先に織り込んだ動きになると、全員が先食いで意思決定するので更に加速していきますが、直近で加速がひと段落しているのは気になるところです。


RSI

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10月のRSIは69.5となりました。
直近で買われすぎの目安となる70を超えたのは、2025年4月、5月、7月、8月となっています。
10月は目安を下回る数値となっており、今後の推移に注目したいところです。

足元で株高が継続していることから資産効果が働いてもう一段ぐいっといきそうな気もしています。

従来から都心3区だけで指標を作成している通り、それ以外の地区は連動が薄く、都心だけ独歩高に近い状況になっています。

付け加えるのであれば、周辺地区においてもタワマンは活況で、以下の通りタワーマンション価格指数で見ると都心3区に近しい推移になっていることがわかります。(2005年~2024年までの推移)

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ニッセイ基礎研:https://www.nli-research.co.jp/files/topics/81724_ext_18_0.pdf?site=nli

通常の板状マンションと異なり、金融商品としても認識されるタワマンにおいては資産インフレの恩恵を受けられる結果となっています。




余談①:にゃんこそばさん著「東京格差」

個人的には可視化してほしいデータがかなり出てきたので面白かったです。
可視化されたグラフをそのまま引用できないので感想ベースになりますが、一部紹介していきたいと思います。

鉄道の本数からわかる「都会暮らし」の境界線

鉄道利用者の行動を分析したある研究※では、電車の運転間隔がおおむね7.5分を超えると、列車の時刻に合わせて駅に到着する人の比率が高まることがわかっています。
7.5分以内に次の電車が来る駅では、時刻表いらずの生活が送れる可能性が高いとも解釈できるでしょう。
※小林 渉、渡部翔平、岩倉成志、山下良久「都市鉄道の運転間隔と利用者の乗車町時間の推定モデル」良久

「東京格差」文中より抜粋

個人的にも電車の間隔が10分以上空くと利便性かなり損なわれる感覚があり、地元はそれ以上のレベルで本数が少なかったですが、やはり1本逃すと致命的な時間ロスになるため、運行本数と間隔は街を選ぶ際にも気にしていたポイントでした。

書籍の中では運行本数マップが可視化されており、わかりやすい表現になっています。
やはり都心直通の路線ではなく途中で乗り換えが必要になる支線的な路線だと運行本数が少なくなっていることがわかります。

郊外の中でもそのような駅は価格が一段おとなしい傾向になりますが、将来を見据えると、運行本数がさらに減少するリスクもあるため、選び方は慎重になりたいところです。

運行本数が少ない駅の駅近物件と運行本数が多い駅遠物件では、後者の方が持続的な利便性を享受できるかもしれません。


マクドナルドの駐車場でわかる電車社会と車社会の境界線

(マクドナルドの店舗は)都市型と郊外型が混在するハイブリッドな地域は、都心から30~50km圏まで続きます。
まさにこのエリアこそが「電車社会」と「クルマ社会」の間に存在する、東京のありふれた郊外だと言えるでしょう。この緩衝地帯の外側を環状に結ぶ国道16号を越えると、多くの店舗が郊外型となり、日々の移動もクルマが主役になります。

「東京格差」文中より抜粋

都心から30kmは、およそ立川、大宮、千葉、横浜あたりまでを含みます。
都心通勤を考えると快速で30分前後の距離感になりますから、この内側はマンションも多く建ち並ぶエリアも多く、外側になると戸建て+車の生活スタイルになってきます。

都心のベッドタウンの機能を持つ郊外の住宅地は過去から積み上げてきた形を表していますから、今のライフスタイルとはマッチしない部分も多くあります。

この10年、いや5年くらいでも「正社員の共働き」がかなり増えていますから、その観点からすると昔のベッドタウン機能ではカバーできない可能性が高いと思われます。

住宅コストだけがネックなのであれば、安い住宅を求めて通勤時間を犠牲にすればいいだけですが、通勤コストがネックな共働き世帯は「時間」を犠牲にする選択肢を取れず、ハザードや地位を犠牲にした住宅選定をする傾向があります。(あるいは築年数のケースも)

郊外で時間を犠牲にせずに済むのは駅前の立地(主にマンション)や学・商が集積した再開発エリアになってきます。

これらは最近トレンドになっている高齢者が郊外の都市部に移住する流れと重なりますから、共働き需要+高齢者需要となり、駅前立地のマンションだけが違う価格形成をしていくことになりそうです。


「広い家が集まる街」には共通点がある

広い家が集中するエリアに大きく2つのパターンがあることが読み取れます。(中略)
一つ目は、都心の歴史ある高級住宅地です。山手線の内側、港区から渋谷区を中心に新宿区、千代田区、文京区の一部に濃い赤色のエリアが見られます。(中略)
二つ目のパターンは、計画的に開発された郊外の新興住宅地です。東急東横線、大井町線、田園都市線沿線や、小田急線沿線、京王井の頭線沿線、中央線沿線が代表的です。(中略)
このように東京の家の広さを可視化してみると、「郊外だから家が広い」という単純な傾向が当てはまらないことがわかります。

「都心の狭い部屋で疲弊するくらいなら、郊外の広くて安い家の方がQOLが高い」論はもはやSNS界隈の伝統芸になっていますが、現実はそうならず、住宅コストの高いエリアの方が広く、安いエリアほど狭い構図になっています。(そもそも広い家が存在しない)

郊外に行ってもどうせ狭いのであれば、都心から近い場所で狭い方が上述の理由から時間コストを犠牲にせずに済むのでQOLが高いといえるかもしれません。

もちろんニュータウンを中心とした計画的に開発されたエリアは広い住宅が供給されますから、そういう(数少ない)エリアを選択できる属性の場合は「安いコスト+広い家でQOL向上」が叶うでしょう。


私たちは住む家を選ばされている?

本書で見てきたように、その個人の合理的な選択の集合体は、驚くほど整然とした地理的パターンを描き出します。(中略)
まるで、見えざる引力によって、人々が叱るべき場所へと引き寄せられているかのうようです。
その引力の正体は、都市が持つ構造です。
明治期に敷設された鉄道網、関東大震災を機に進んだ郊外住宅地の開発、高度経済成長期の団地建設、そして近年の都心・湾岸エリアの再開発。こうした都市開発の歴史が、住宅の供給パターンや価格帯を決定づけ、私たちの選択の「枠組み」をあらかじめ規定しているのです。

初めて家を買う際には個々の事情を考慮しつつ、(本人的には)総合的に判断しているように感じられますが、ここまで紹介してきたように時代によって明確に流行り廃りがあるのも事実です。

住宅とは、個々の個性的な「生活のあり方」を表すわかりやすい形であると同時に、抗えないトレンドの中にあるとも思います。

そのトレンドもその時点のものでしかない可能性はありますが、10年単位での変遷になるため、人生のタイムスパンで見ると非常に長いものになります。

5年近くマンション・住宅市況を見てきた感想で言えば、これらのトレンドには逆らわない方が賢明で、資産性やリセールだけでなくコミュニティ形成や情報取得のしやすさなど日々の生活を豊かにさせるものでも恩恵を受けやすいものになると思います。

今後のトレンド変化を捉える場合は、近く到来する大相続時代に資産がどう動いて、どのようなうねりが起こるか がカギになりそうです。
(大相続時代の話は別でまとめたいがいつになることやら)



余談②:バブル期に最も得した人はだれか

バブル期の振り返りについてこの辺の文献を参考にして見ていきます。結構面白いので興味ある人はぜひリンクから見てみてください。

「地上げ」の地勢から「都市再開発」へ
RIETI - バブル期の土地取引とキャピタル・ゲイン/ロスの帰着
バブル経済およびその崩壊期における首都圏近郊都市

これらの情報から見えてくる現代に対する教訓をいくつか書いてみます。

特に「バブル期の土地取引とキャピタル・ゲイン/ロスの帰着」が興味深かったです。以下のように表現されていました。

バブル期(1986年から1990年代初頭)には地価が急騰し、家計から企業部門へ土地が大規模に移転しました。この結果、家計部門は土地の純売却を通じて通算で約170兆円の実現キャピタル・ゲインを手にしました

この巨額の利益は、主に東京都心部(オフィスビル用地)を売却した約1万人の家計や、地方で山林(リゾート開発用地)を売却した約77万人の家計など、全世帯の1.7%強というごく限られた層に集中しました。

一方、高値で土地を購入した企業部門(特に不動産業やリゾート開発に参入した企業)は、地価暴落により通算で約105兆円のキャピタル・ロスを被りました。この企業の損失は金融機関の貸し出しによってファイナンスされていたため、不良債権の発生を招き、1990年代以降の長期停滞の主因となりました。このように、バブル期の土地取引は、限られた家計への巨額の富の移転と、日本経済全体の長期的な構造問題(不良債権と格差)を生み出しました。

土地売却によって170兆円という巨大な利益が発生したにもかかわらず、富の帰属が少数の世帯に限られていたため、このキャピタル・ゲインは日本経済を牽引するような需要を生み出すことはなかったとされています。
売却する土地を持っていた家計とその他の富の格差が開いただけになりました。

また、土地の売却自体は資産の移転にすぎず、それ自体としてのマクロ経済への貢献はゼロであるとされています。

現代も同じく、資産保有者と非保有者の格差拡大が不可避で、価格上昇が公共的な利益にはなっていないと思われます。

バブル期の企業は将来収益で返済できると誤信し、過大投資で破綻しましたが、現代の家計も同じ構図で、長期・高額ローン化が「個人版の過剰レバレッジ」になっている可能性もあります。
→ 金利上昇・景気悪化に脆弱になる
→ 家計のリスク許容度を超えた借り入れは危険

※言わずもがなこの点を適切にコントロールできている家計にとっては将来の変動も想定リスクの範疇になりますから特段問題は発生しないですね。

バブル期の企業は「今買わないと損する」という予想で購入した動きですが、現代も個人は FOMO(買い遅れ不安)で購買判断が歪んでいるかもしれません。
→ 高騰局面では合理判断が崩れやすく、誤った購入が将来の損失につながることを考慮して購入したいところです。

バブル期は「家計→企業」の巨大移転と言えますが、
現代は
若年層→中高年保有層
実需家計→デベロッパー・投資家
への所得移転が進む構図といえそうです。
→ これは一度発生すると修復不能で、格差固定化が加速。

負の遺産は“高値で買った人”が長期的に背負い続けることになります。
バブル期の企業は、地価が下がってもローンだけが残ったのと同様、現代の家計も同じで、住宅価格が調整すれば、最も苦しむのはピークで買った層→ 「買うタイミング」こそ最大のリスク要因になるといえます。


バブル期を振り返ってみて、現代と重なる部分が多いと感じます。

ただ、私自身も今年住み替えでマンションを購入して、さらに借金が増えています(増やしたとも言えます)から、現代がバブルだと思っていない部分もあります。

過去のトラウマに縛られる必要は無いものの、教訓として頭の片隅に入れておくことは大切だと思います。

結局中長期でのリスクコントロールが重要なので、短期のシナリオが一つ崩れるだけで家計が破綻するような戦略はやめた方がいいと思います。



余談③:日銀レポート

10月23日に日銀から⾦融システムレポートが公表され、不動産市況について記載されていたのでマクロの環境認識としてチェックしていきます。

不動産価格は、⼤都市圏を中⼼に上昇が続いている。
住宅⽤については、地価が東京を中⼼に上昇しているほか、不動産取引価格も、マンション価格に牽引されて東京における上昇が⽬⽴っている。

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「全国」や「三大都市圏」は東京を含む値のため、東京の数値に引っ張られることに注意
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図真ん中空室率と賃料からわかる通り「東京も空室が多いから供給過剰だ」という理論は誤りであることがわかる

需要⾯では、景気が緩やかに回復するもとで、とくに⾸都圏では⼈⼝増もあって賃料の上昇がみられている。
他⽅、供給⾯では、資材価格の上昇や⼈⼿不⾜などの影響を背景にマンション⼯事費が顕著に上昇しており、開発の採算性の悪化などに伴って新築マ ンションの供給の遅延や減少が起きている。
資産保有・転売⽬的の⼤規模⼟地取引が増加する⼀⽅で、住宅販売⽬的や賃貸⽬的の⽤地取得は減少している。

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価格上昇に賃料上昇が追い付かないため期待利回りは右肩下がりが継続

近年の⾸都圏における新築および中古マンション価格の上昇について、 需要要因と供給要因の⼤きさを試算※したものである。
試算結果をみると、新築価格については、緩やかな景気回復や⾸都圏への⼈⼝流⼊を背景とする住宅需要の増加が⼀定程度寄与するもとで、2022年頃以降は供給要因に牽引されている⾯が⼤きいことが⽰唆される。
また、中古価格には、新築マンションの供給要因が相応に波及している可能性がある。
推計結果の定量感や解釈には⼤きな幅をもってみる必要があるが、⾜もと、マンション投資にかかるイールドギャップは低下して おり、価格上昇期待に基づく投資需要等も反映している可能性がある

需要要因は、新築マンションの発売増加とともに価格上昇が⽣じるようなショックによる影響、供給要因は、⼯事費上昇や発売減少とともに価格上昇 が⽣じるようなショックによる影響を指す。

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>賃料は上昇してきているものの、不動産リスクプレミアムを⽰唆するイールドスプレッドの低下傾向は続いており、先⾏きの不動産需要等に関する市場参加者の⾒⽅が変化する場合には、不動産価格が調整する可能性も考えられる。
⾦融機関の不動産関連エクスポージャーが趨勢的に増加していることも踏まえると、引き続き、不動産市況の動向に注意していく必要がある。


マクロの環境認識としては、新しい情報はなくこれまで見てきた情報と大きな差異は無さそうですが、レポートの中で言及されている通り、急激な価格上昇に伴う調整局面については「注視」する必要があると思います。

問題は「市場参加者の見方が変化」するイベントはどんなものがいつ発生するのか、ということですが、それがわかれば苦労はしません。

注視する対象はやはり需要側に制約を与えるもので、金利、銀行の融資姿勢、行政の転売に対する規制などゲームのルールを根本から変えるようなものは影響の度合いと合わせて見ていく必要がありそうです。


長くなってきましたので、今回はここまでとなります。


私はとりわけ書くのが遅いのですが「こういうのこそChatGPTに書かせたら楽なのにな」と思いつつ、”それっぽい記事”を出力させたところで自分の頭の中が軽くなった感じがしなかったので結局自分で書くことにしました。
マネタイズするなら自分の稼働時間を最小にしてChatGPTに書かせたものに値札をつけるのが一番コスパいいんでしょうね。

ということで今回は以上です。
次はいつ更新することになるかわかりませんが、できるだけ適宜更新していきたいです。それではまた。


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