「ミス! ミス・ジュラー! 逃げるんだ、魔物がっ──」
「落ち着け青年、ゆっくり息をしろ」
まろぶように入ってきたのは、若い男だった。
ノルトはすぐに立ち上がって、腰の皮袋から水を飲ませてやる。
「ぷはっ、すみません。……あんたたちも逃げてくれ。トロール族だった! スノウトロールだ!」
「なに、本当か?」ノルトはライヴェンとフィノーラを見る。
ライヴェンは頷いた。
「放ってはおけない。数は覚えてますか」
「二体はいた……鉄砲で威嚇したら、一体は下がったけど、流れ弾で一体が興奮しちまって、村に……!」
頷いて、ライヴェンはマフラーを巻いた。
フィノーラはカッフェをぐいっと呷ってから椅子に引っ掛けていた毛皮張りのコートに袖を通す。
「ジュラーさん、この方を頼みます。俺たちはスノウトロールをどうにかします。ノルト、フィノーラ」
「ま、腹ごなしの運動には悪くねえな」
「構わない。鈍りそうで困ってた」
ジュラーはふっと微笑む。
「頼んだ。食事の勘定は、トロールの毛皮で頼むよ」
「おいおい、法外じゃあないか」ノルトは冗談めかしていって、ライヴェンの肩を叩く。「油断するなよ。フィノーラも」
「もちろんだ」「任せろ」
三人は外に出た。
吹き付ける寒風が肌を軋ませる。幻冬季は命眠季より冷えるのが通例で、今日は年明け初日なのに特に冷えていた。
手が悴んで、使い物にならなくなる──なんてこともあるから、一行は常に指を閉じたり開いたりして温めていた。
もちろん、毛皮の暖かい手袋をしている。
と、ズドン、と銃声がした。
東から火薬の焦げたようなにおいと、そして血の香りがした。
ライヴェンは足を風車のように素早く動かし、駆ける。
背負っていた鞘を左肩に跳ね上げてから抜剣、刃渡りだけで一アーム
ACT2 魔物
ストック構築が著しく悪いため、またまたしばらくお時間をいただきます。ご了承ください(うまいこと文章を練れなかったりしています)
コメント
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Lance
相変わらずの読み応え、迫力、素晴らしいです。よくここまで書けるものです、本当に凄いです^^
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Lance
2025年11月7日 18時50分
夢河蕾花
2025年11月7日 20時37分
ありがとうございます! 一話あたりのカロリーがこっていしていて高いので、読んでいて疲れさせてしまわないか時々不安です( ˘ω˘ )
※ 注意!この返信には
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夢河蕾花
2025年11月7日 20時37分
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