ユーザー視点が技術を動かす━━ペライチPdMが語る、受託開発から自社開発の現場に変わって見つけた自分の強みとは?
受託開発から自社開発の現場へ。開発だけにとどまらず、PdM(プロダクトマネージャー)としてビジネスやユーザーの課題に向き合いながらプロダクトを前進させてきた藤代さん。
「技術に尖っていなくても、ユーザーのためにできることがある」━━そんな思いを胸に、採用・カルチャーづくりにも積極的に関わっていると言います。本記事では、藤代さんがエンジニアとして歩んできた道のりと、その根底にある原点の思いに迫ります。
技術の入り口はコワーキングスペース、会社のビジョンと重なる経験とは?
━━現在の所属と役割について教えてください。
藤代さん:株式会社ペライチのプロダクト企画チームでプロダクトマネージャーを務めています。
ペライチは、ホームページを起点に、決済や予約といった機能もあわせて提供しているサービスです。その中でも私は、主にホームページ部分のプロダクト開発や改善に取り組んでいます。
━━藤代さんのこれまでのキャリアについて、簡単に教えていただけますか?
藤代さん:現在33歳で、業界歴はおよそ10年になります。実は新卒では就職せず、大学卒業後はフィリピンへ渡り、英語の勉強をしていました。そこで偶然、日本のWeb制作会社がフィリピン支社を立ち上げる話を知り、ご縁あってインターンとして関わることになったんです。それがエンジニアとしてのキャリアのはじまりでした。
フィリピンではブリッジSEやテスターとして約1年ほど勤務し、その後日本に帰国。Web制作会社に入社し、受託開発の現場でフロントエンドエンジニアとして経験を積みました。SESとして広告代理店の現場に入ったり、メガベンチャーの開発プロジェクトに参加したりと、さまざまな現場を経験しました。その後、現職であるペライチに転職して、現在4年目になります。
━━そもそも、エンジニアの仕事に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
藤代さん:大学時代に、コワーキングスペースで手伝いをしていたときの経験がきっかけです。そこに来ていた地元の事業主の方々が「Webで集客したいけど、どうしたらいいか分からない」と困っていて。そんな姿を見て、自分にも何かできるかもと、HTMLやCSSで手伝ってみたんです。それがすごく喜んでもらえて、自分の書いたコードが人の役に立つんだと感じられたのが、嬉しかったんですよね。
このときの体験は、のちにペライチへの転職を決める大きなきっかけにもなりました。「テクノロジーをすべての人が使える世界に」というペライチのビジョンが、自分の原点と重なったんです。
受託から自社開発へ━━転職の理由は「もっとユーザーに近づきたい」
━━受託開発から、自社開発のペライチへと転職を決めた理由は何だったのでしょうか?
藤代さん:受託開発やSESの現場では、どうしてもユーザーとの距離が遠くなりがちでした。予算と納期を守ることが最優先で、課題を深掘りする前に「まずは納品」という状況になりやすかったんです。「この機能で本当にユーザーは満足しているのだろうか?」という疑問が拭えませんでした。
そんな中、転機になったのはコロナ禍です。案件が急減し、会社も事業の方向転換を迫られたタイミングで、自分自身のキャリアも見直そうと決意しました。
もっとユーザーの声を直接聞いて、そのフィードバックをすぐにプロダクトに反映できる環境に身を置きたい━━そんな思いを持っていたときに出会ったのが、ペライチの掲げるビジョンでした。
━━転職後、自社開発ならではのカルチャーの違いを感じた場面はありましたか?
藤代さん:たくさんありました(笑)。中でも印象的だったのは、「ユーザーの目線に立って開発する」という姿勢の強さですね。自社開発では、ユーザーにとって本当に価値のあるアウトプットを、エンジニア自身がボトムアップで考え、作っていくことが求められます。
受託開発では、そこまでの意識を持たずとも業務は回っていたので、最初は正直、戸惑いもありました。ただ、ペライチではユーザーインタビューにエンジニアも参加できますし、Slackにも日常的にユーザーの声が流れてきます。自然と“生の声”に触れる機会が多く、顧客理解が深まっていくんです。
まずはユーザーの声を「聞いてみる」こと。それだけで意識は大きく変わります。振り返れば、受託の環境でもできたことかもしれませんが、ペライチという環境が、その意識を実際の行動にまでつなげてくれたと感じています。
━━自社開発に転職してから、勉強会などエンジニアコミュニティへの参加も増えたそうですね。
藤代さん:はい。Vue.jsのイベント「Vue Fes Japan」やTypeScriptのカンファレンスでは、スタッフとして参加したり、クラウドと生成 AI によるオペレーション改革をテーマにしたAWSのイベントに登壇したりしました。
受託開発時代は、日々の業務に追われてなかなか外に出る余裕がなかったのですが、自社開発に移ってからは「プロダクトをより良くするには、何を学ぶべきか」が明確になった分、自然と外にも足を運ぶようになったと感じています。
また、最近は採用やチームのカルチャーづくりにも関わるようになり、情報発信や学びの共有の大切さも実感していますね。自社開発では関われる領域が広がる分、自然と興味やコミュニティの幅も広がっていきました。
「技術と課題の橋渡し」を担うPdMとしてのこだわりとは
━━現在のPdMという立場で、技術的に意識していることはありますか?
藤代さん:ペライチは、ノーコードで誰でもWebページをつくれるツールですが、その裏側では、たとえばSEO対策や表示速度の最適化、アクセシビリティへの配慮など、さまざまな技術が動いています。そうした技術を、ユーザーに意識させたくないんです。技術的な複雑さを感じさせず、自然に「いい体験だった」と思ってもらえる。それって実は、ものすごくチャレンジングなことだと考えています。
また、自分のPdMとしての強みは、「技術に尖る」ことよりも「ユーザー視点で技術をどう活かすか」という考え方にあると感じています。課題解決と技術の橋渡し役として、生成AIなど新しい技術をキャッチアップしながらも、常に「この技術はどうプロダクトに生かせるのか」と意識していますね。
━━受託開発と自社開発で、技術へのアプローチはどのように変化しましたか?
藤代さん:受託開発の頃は、「納品して終わり」というケースが多く、プロダクトがその後どう育っていくのかまで考える機会はありませんでした。契約上、開発と保守・運用が分かれていることも多かったので、自分が関われる範囲が限られていたんですよね。
一方で自社開発では、プロダクトを中長期的に育てていくことが求められます。今使っている技術が、数年後、数十年後にどうなっているのかという視点を持つようになりました。
ペライチも、今は企業の情報を伝えるためのホームページ作成サービスを提供していますが、生成AIの進化など、技術や情報の伝え方が変われば、サービスのあり方自体が変わっていく可能性もあります。時代の変化を見据えながら、プロダクトの価値や技術選定を考えていく重要性を感じています。
━━藤代さんの考える、「エンジニアがより力を発揮できる環境」とはどのようなものですか?
藤代さん:プロダクトマネジメントを経験してきたエンジニアの立場として感じるのは、「多様な強みを持った人が補い合えるチーム」が、エンジニアの力をもっとも発揮できる環境だということです。
エンジニアには、それぞれ得意な分野やスキルのパラメーターがあります。たとえば僕は、技術に尖っているのではなく、どちらかというとユーザー視点に重きを置くタイプ。でも、そういう特性だからこそ、チームの中で必要とされる役割があると感じています。
ペライチの開発チームにも、バックエンドやインフラに強い人、視野が広く全体を見渡せる人、そして尖った技術を持つスペシャリストがいます。またペライチはベトナムに現地法人のオフィスがあり、ベトナム国籍のメンバーもいるため、多様性を前提として、それぞれの強みを認め合いながら働けることが、チーム全体のパフォーマンスを高める鍵だと思っています。そういう環境に自分が飛び込めるか、あるいは自分の手でつくっていけるか。その視点は、エンジニアとしてのキャリアを築くうえでも大切だと思います。
━━最後に、今後のキャリアや技術への展望を教えてください。
藤代さん:エンジニアとしての技術は、今後も自分の武器として持ち続けたいです。その上で、ユーザーの課題やビジネスの目的に向き合い、プロダクトをかたちにしていける存在でありたいですね。
僕はもともと自分に強い自信があったわけではありません。むしろ、技術に対してコンプレックスを感じていた時期もありました。でも、たとえ遠回りでも、誰かの役に立ちたいという思いがあれば、ちゃんとキャリアは築いていけるなと感じています。「技術で人を助けたい」という原点は、これからもずっと変わりません。
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