【ワシントン=大内清】米保守系活動家チャーリー・カーク氏が銃撃・殺害された事件が、米国の言論空間を揺るがしている。右派はカーク氏を「言論の自由」のために闘った〝殉教者〟として扱うことで同氏に批判的な言論の封じ込めを図っており、トランプ政権はそのために国家権力を用いる姿勢も示す。
カーク氏は、米国は「キリスト教国家」であるべきだと主張するキリスト教ナショナリズムの論客として知られる。各地の大学などで討論イベントを開き、相手を挑発したり論難したりする様子を配信することで保守層の人気を獲得。トランプ大統領やバンス副大統領とも近い関係にあった。人種差別的な発言や、妻は夫に服従するべきだといった男尊女卑的な考えを公言するなど、その言論活動は常に物議をかもしてきた。
事件後、右派はカーク氏を「米国第一主義の殉教者」(バノン元首席戦略官)などと称揚。返す刀で、カーク氏を批判したりその死を巡る右派の言動を揶揄(やゆ)したりすることは「言論の自由への攻撃だ」との主張を展開している。