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「カイロス」ロケット3号機、4者が打ち上げ契約–3者は2号機と同じ
2025.09.02 17:00
スペースワン(東京都港区)はアークエッジ・スペースなど4者と打ち上げ輸送サービス契約(Launch Services Agreement:LSA)を締結した。スペースポート紀伊(和歌山県串本町)から「カイロス」ロケット3号機で打ち上げる。
8月31日に発表した。打ち上げ日は未定。LSAを締結したのはアークエッジ・スペース(東京都江東区)のほかにSpace Cubics(札幌市中央区)、テラスペース(京都府京田辺市)、広尾学園(東京都港区)。
アークエッジ・スペースがカイロス3号機で打ち上げるのはキューブサット「AETS-1」。3Uサイズであり、衛星バス技術の技術実証を目的としたミッション。成果は、同社の主力である6U衛星や現在開発中の100kg級衛星への技術的フィードバックとして活用することを目指している。
2018年6月に設立されたSpace Cubicsは、宇宙用コンピューターの開発が専門。カイロス3号機で打ち上げるのは、3Uのキューブサット「SC-Sat1a」。
SC-Sat1aは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が国際宇宙ステーション(ISS)で培った信頼性設計技術をもとにキューブサット用に最適化した、自社開発の宇宙用コンピューター「SC-OBC Module A1」を2台搭載して、機体の制御を担う。SC-Sat1aの長期運用を通じて、宇宙空間でのSC-OBC Module A1の耐障害性能を実証し、キューブサット用コンピューターのデファクトスタンダードを目指すとしている。
テラスペースがカイロス3号機で打ち上げるのは70kg級超小型衛星「TATARA-1R」。打ち上げ後に、「軌道上サービス実証実験」として「人工衛星軌道投入サービス」と「ホステッドペイロードサービス」の実証実験を行う。
人工衛星軌道投入サービスは、軌道上で超小型衛星を分離することで、ロケットからの放出だけでは賄いきれなかった多様な投入軌道ニーズに対応するというサービス。今後増大するであろう超小型衛星や衛星コンステレーション計画でロケットのみでは実現できない多様な投入軌道ニーズへの対応が可能と説明する。
TATARA-1Rにはキューブサット用放出機ポッドを搭載しており、軌道上での動作を実証する。同サービスで複数衛星を複数軌道に投入するトータルコストの削減と運用機会の損失低減を実現するという。
ホステッドペイロードサービスは、依頼を受けた宇宙用部品や材料、デバイスなどを搭載し、軌道上実証や運用を行うサービス。宇宙用部品などの軌道上実証や運用のニーズは宇宙ビジネスの広がりとともに拡大の一途を辿っており、今後も増加することが予測されると説明する。
TATARA-1Rには、JAXAが開発した「衛星レーザー測距(Satellite Laser Ranging:SLR)」用の小型の反射器(リフレクター)である「Mt.FUJI」などの複数のホステッドペイロードを搭載して、宇宙用部品などの軌道上実証を実施する。
広尾学園は2007年創設の中学高校一貫校。独自の英語教育システムでハーバードやスタンフォードをはじめとした海外大学合格者数の連続国内ナンバーワンを続けてきたという。
生徒たちが開発している衛星「Hiroo Engineering for Orbit」(HErO)を3号機で打ち上げる。HErOはLEDによる光通信で基板の温度情報を地上に送信するミッションに挑戦する。
Space Cubics、テラスペース、広尾学園はカイロス2号機でLSAを締結。2024年12月に打ち上げられた2号機は、高度110kmに到達するもミッション達成は困難と判断され、飛行中断措置が取られた。
カイロスは固体燃料の3段式ロケットで、これに加えて軌道投入精度を高めるための液体推進系キックステージ(PBS)を備える。ペイロードは地球低軌道(LEO)へ約250kg、太陽同期軌道(SSO)へ約150kgを投入可能。高さは約18m、全備重量は約23トン。