嘘の夢の話 5月17日
冬物のコートをクリーニングに持っていくことにする。ポケットの中を確かめるために手を入れると、ひんやり、かつぬるっとしたものが指に触れる。驚いて中身を引っ張り出すと、それはフグである。昨年の暮れ、友人たちとフグ料理専門店に行った時に、酔った勢いで生け簀からフグを盗んできてしまったのかもしれない。
私はせめてもの罪滅ぼしに、フグを近所の河原に埋めてやることにする。途中100均に寄ってスコップを買い、河原の木陰になっているところに穴を掘っていく。しばらく掘り進めると、錆びたお菓子の缶が出てきたのでフタを開けてみたところ、その中には500円玉がぎっしり詰まっている。一瞬持って帰ろうかと思ったが、自分は贖罪のためにここに来たことを思い出し、フグと一緒にその缶も地面に埋め直す。それでもあの500円玉貯金はなかなか魅力的で、帰り際に埋めた場所を何度も振り返って見てしまった。


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