「黒ネコのタンゴ」の皆川おさむさん死去、腎臓移植を乗り越えた62年の生涯

私は、「昔のことはどうでもいい。でも、260万枚を売り上げたおさむ君の歌が昭和の歌の金字塔であることは間違いない!」と励まし、冷や奴をすすめた。

「黒ネコのタンゴは封印した」51歳時の貴重な証言

おさむ君が明かした。

「50を過ぎてから体調が悪いんだよ。糖尿病で腎臓を悪化させて、人工透析を受けていたんだ」 

国民的ヒット曲となった『黒ネコのタンゴ』
国民的ヒット曲となった『黒ネコのタンゴ』

そして、ポツリと衝撃的な告白をした。

「2年前に姉から片側の腎臓をもらい、移植したんだ。その上、首の調子もあまりよくない」

私は心配になって、「結婚はしているの?」と聞くと、「ずっと独身です。子供? いません」という。

酒のピッチがあがり、気が付くと焼酎が1本空いた。私はズバリ、「黒ネコのタンゴ」を歌いながら被災地をまわってはどうか、と持ちかけた。その場で、岩手の民放テレビの友人にも電話を入れると、友人は「皆川さんが被災地で歌ってくれるなら全力でバックアップします」と即決で約束してくれた。

ひばり児童合唱団といえば、安田祥子・由紀さおり姉妹も輩出している。このコラムでも紹介したが、由紀さんが福島・いわき市の幼稚園で園歌をうたうことをおさむ君に告げると、「由紀さん、がんばっているな」と下がり目の奥が光った。

「おさむ君、やろうよ。一緒に被災地をまわろう。『黒ネコのタンゴ』の出番だよ」と、私は実現の後押しを誓った。

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