ALS患者の嘱託殺人、医師の懲役18年確定へ 最高裁が上告棄却
米田優人
難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性(当時51)を、女性の依頼を受けて殺害したなどとして嘱託殺人などの罪に問われた医師の大久保愉一(よしかず)被告(47)の上告審で、最高裁第二小法廷(高須順一裁判長)は、被告側の上告を棄却した。10日付の決定。被告を懲役18年とした一審・京都地裁判決が確定する。
一、二審判決によると、大久保被告は元医師の山本直樹被告(47)と共謀し、2019年にALS患者の女性が住む京都市内のマンションで、女性から依頼を受けて、胃に直接栄養を送る「胃ろう」に薬物を注入して殺害するなどした。
弁護側は、女性の求めに応じた大久保被告の行為に嘱託殺人罪を適用するのは「憲法が保障する自己決定権に反する」として無罪だと訴えた。だが一審は、罪が成立しないのは治療や説明を尽くした場合に限られるなどと指摘。主治医ではない被告は、女性とSNSでやりとりしただけで症状も正確に把握せず、初対面の日に約15分と短時間のうちに殺害した点などから嘱託殺人罪が成立すると判断した。二審・大阪高裁も支持し、被告側が上告していた。
第二小法廷は決定で、上告理由にあたる憲法違反などがないとだけ判断した。