「タウリン」が肝臓の老化抑えるメカニズム解明 筋力低下などの予防の研究につながる可能性 福井県立大学の伊藤崇志教授グループ
福井県立大生物資源学部の伊藤崇志教授(47)の研究グループは、魚介類などに多く含まれるアミノ酸「タウリン」による肝臓の老化を抑えるメカニズムを解明したと発表した。タウリンが肝臓内で抗酸化物質を作り、老化につながる細胞の酸化や老化関連ホルモンの生成を抑えることを突き止めた。伊藤教授は、筋力低下や骨粗しょう症など全身の老化の予防に向けた研究につながる可能性があるとしている。5月9日に発表した。 伊藤教授によると、タウリンに老化防止や長寿化の効果があることはこれまでに確認されていたが、メカニズムは分かっていなかった。 伊藤教授らはマウスに老化を引き起こす肝毒性物質「四塩化炭素」を4週間投与して老化細胞を増やし、その後4週間はタウリンを与える実験を行った。タウリン投与で抗酸化物質の硫化水素が作られ、細胞の酸化を防ぎ、さらに老化関連ホルモン「IGFBP―1」の生成が抑制されることで、老化細胞の減少を確認した。 IGFBP―1は血液中にも含まれ、骨粗しょう症や筋肉の衰え、高血糖など老化が原因の病気に影響していると考えられている。実験では血液中のIGFBP―1が完全に抑えられたことも分かった。 県立大永平寺キャンパスで開いた会見で、伊藤教授は「肝臓で作られた抗酸化物質が全身に行き渡り、老化関連物質による全身での良くない作用を止めることができる可能性がある」とし、タウリンを豊富に含む魚介類中心の食生活が効果的だと説明した。 研究は伊藤教授や研究に携わった当時の修士課程の学生ら6人の連名で論文にまとめ、4月発行の国際的な学術誌「Redox Biology(酸化還元生物学)」に掲載された。