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心理療法、実は効果ない説

と言うと詳しい方は真っ先に「いやいやメタアナリシス…類似研究を複数まとめて分析し、ある要因が特定事象と相関があるか調べる最も信頼性の高い研究…で心理療法ないし精神療法ないしセラピーの効果は確かめられてる」と反論する事だろう。実際にアムステルダム大学が2018年に行った最新のメタアリシスでも「出版バイアス(肯定的な結果が出た研究の方が発表されやすい)やリスクバイアス(研究の質)等を考慮したら従来考えられてたモノよりセラピーの効果量は大きく低下したよ。それでも具体的な効果量は0.46~0.61ぐらいだよ」と結論を出した。同研究では先行研究を参照したうえで鬱病治療における臨床的意義の閾値を0.24としており、従って下限値を採用した場合でもセラピーの効果はあると言える。

これで解散、お疲れ様でした…と言いたいところだが、よく読むと研究には奇妙な事実が記されている。それは「心理療法の特定の様式や種類は重要ではない」という1文だ。詳しく文を読むと研究では7つの主要な種類の心理療法(認知行動療法、行動活性化、対人関係心理療法、問題解決療法、第3世代療法、支持的カウンセリング、精神力動療法)を検討し、これらの療法の効果に有意差は見られなかったと結論した。雑に言えば「心理療法は誰がどのような療法を行っても同じ効果が得られる」ということだ。

これは幾らなんでも不自然だろう。研究者も「まぁ言うても認知行動療法と支持的カウンセリング以外は厳密な検討に必要な研究数が足りなかった」とは述べているが奇妙な話には違いない。

更に言えば同じ療法内でも「やり方や期間が違っても効果は大体同じだよ」という事がメタアナリスで示唆されていたりする。例えば精神力動的心理療法において短期的治療は長期的治療と同じぐらい効果的だ。またオンラインビデオ心理療法は対面療法と同じぐらいの脱落率かつ効果量であることが判明した。この2つの結果は繰り返すがメタアナリシスという現状では最も確度が高いとされる研究手法で出たものである。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S016503272201521X

https://www.liebertpub.com/doi/abs/10.1089/tmj.2021.0294

これについて「人間は手法によらず苦しみを打ち明けるだけで楽になるのだ」と解釈する方もいるだろう。実際その1面はあると私も思ってる。しかしながら、それではセラピーを行う方々…精神科医、心理学者、カウンセラー(欧米圏だと主にこの3者がセラピーを行う)…を精神問題に入念な知識を持ち実践するスペシャリストと評するのは難しい。ハッキリ言ってしまえば「単に自然寛解するものを治療効果として誤認してるだけでは?」とも解釈出来てしまうのだ。余談だがミクロの事例ではあるがXの精神科医の方々はそうした疑念を裏付けてくれる存在だ。

(論外。この方の発言は精神医学というよりフェミニズムの独自理論に基づいてるものが多く、暇があれば他の精神科医とあわせてnoteにまとめたい)

(自分の観測した範囲のサンプルで生活保護者は大体モラルないと主張する)

(他知的障害者へのヘイトスピーチやデマ多数。暇があれば他の精神科医とあわせてnoteにまとめたい)

(騎士)

尚心理士についてはコチラを参照

人間には相性というものがあるが、こういった方々とある種の困窮者が心理療法に必要とされる共通要因…絆の形成や未来への希望や期待を抱く事は控え目に言っても困難だろう。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/wps.20238

マクロの疑念においては「これだけ心理療法が発達し、様々な種類が生まれているにも関わらずうつ病や自殺率が減少していない」ことがある。これは「心理療法が発達したからこそ、これぐらいの悲劇に留まってる」という見方も出来なくはないが、逆にその程度の効果しかないとも言える。

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https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/taisaku/sesakugaiyou/
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https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000940708.pdf
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https://www.npo-jam.org/library/pt/26_4-2-2.pdf
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https://shinrishinotameni.c-office-m.com/certificationtransition

またセラピーの効果を測るのが難しいのは鬱病等の気分障害は何だかんだ自然寛解したり寛解と再発を繰り返す慢性疾患であることが多い点だ(寛解とは症状が良くなって日常生活に支障をきたさなくなる状態。気分障害は左記の事情で完治を測るのが困難な為、この状態になる事をkpiに設定している)。2018年のメタアナによれば治療を受けなかった患者の約32%が6ヶ月以内に寛解するとのことだ。

更に観察される事によって観察者の望むリアクションを意識的・無意識的にとってしまったり違和感を飲み込んでしまうホーソン効果、

そして効くと思うと効くで有名なプラセボ効果がある。というよりプラセボ効果に関しては上記の共通要因…「患者との間に絆を作り未来への期待と希望を持たせる」…と完全に1致する文脈であり、むしろプラセボ効果こそがセラピーの中核だと考えられなくもない。しかしながら、こうした文脈は当然に「つまりセラピーないしスペシャリストは必要なくね?」という疑問に繋がってしまう。

更に言えば現実世界において人間は自分がしなかった選択が辿るifの未来を観測する事は出来ない。例えばギャングの貴方は仲間と1緒に特等席で第25回天下一武道会を観戦していたが、突如額にMの字を浮かべたベジータが現われて観客席を気弾で攻撃してきた。貴方は助かったものの仲間は全員死んでしまい、しかも悪人なのでドラゴンボールでは生き返れなかった。貴方は1週間過ぎても気分が落ち込んだままでありセラピーを受けることを思いついた。半年後、貴方はすっかり元気になり極悪人判定されず生き返った仲間達と楽しくギャングライフを再開していた。気分の落ち込みは全くない。貴方は回復したのだ!さて、この事実はセラピーが役に立った事を意味するだろうか?答えは「なんとも言えない」だ。何故なら貴方がセラピーを受けなかった場合はどうだったのか?が分からないからだ。

その疑問を疑似的に解消するのがランダム化比較試験である。ランダム化比較試験では、患者を対照群と治療群にランダムに割り当て比較する。このグループの唯1の違いは治療の有無のみであり、疑似的に人間のifの未来を比較する。その研究を複数集めて結果を統合分析するのがメタアナだ。ほぼ完璧な手法であるが穴がないわけではない。

こうした研究の最初の落とし穴が出版バイアスだ。これは新規性や肯定的な結果を持つ研究が優先的に出版される傾向があり、効果がない研究が未発表のままになる的なバイアスがかかる事だ。単純に研究者が何人もの参加者や協力者を集め金をかけた研究において結果が芳しくない場合、「我々は何の成果も!!得られませんでした!!」と詳細に報告するモチベーションは最悪になることは想像に難くない。特に資金援助を受けた場合は尚更であり、筋トレ界隈では「企業がスポンサーになってるサプリメントや成分の研究結果は眉唾で聞いとけ」が常識だ。因みにCLAは私も騙された。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17381964/

実際にそれは精神医学でも同様であり、1972~2008年の間に米国国立衛生研究所がスポンサーになった研究では55件の内13件が発表に至らず、他の2件は開始に至らなかったことが判明している。発表された研究の効果量の平均は0.5である1方、発表されなかった研究の効果量は0.2であり、合計すると効果量平均は0.39に減少した。要は測らずとも研究者達は盛松してしまったということだ。(臨床的意義があるとされる効果量は0.24)

次に選択的報告という落とし穴も存在する。これは研究者が都合の良い結果のみを報告することだ。報告されない個所は報告された箇所より効果量が少ない事は言うまでもない。セラピーや気分障害には、その効果量の尺度としてハミルトンうつ病評価尺度、ベックうつ病調査尺度、ベックうつ病尺度-II、モンゴメリー・アスベルグうつ病評価尺度、患者健康質問票-9、うつ病の症状の迅速な調査(QIDS)、うつ病の症状の1覧表(IDS)等がある。雑に言えば、これらを適用していって良い数字が出たやつのみ論文に記すのだ。ある種のチェリーピッキングとも言える。

しかしながらコレを防ぐ為に研究では「事前登録」という手法が開発された。これは実際にデータの収集や研究分析を始める前に第3者に研究の仮説とデータの収集・分析計画を提出しておくことで、都合の良い分析方法や尺度の使用を出来なくてしておくことだ。しかしこれをやっても完全には防げないらしく、セラピーのランダム化比較試験における重要度の高いジャーナルにのった研究の調査では112件の研究のうち13件のみが正しく事前登録されており、尚且つ13件の内7件で選択的報告が見られた。ん?(断りを入れるとここまで透明性の低い研究分野は珍しく、他の分野では事前登録された研究は狙い通りこのような事が起きる方が珍しい)

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/acps.12647

こうした落とし穴に対処すべく研究者が8つの質「参加者はうつ病の診断基準を満たす」「治療マニュアルが使用される」「セラピストは訓練を受けてる」「治療の完全性が確認されてる」「治療意図分析が使用されてる」「50人以上のサンプルサイズ」「独立した団体の関与」「評価者が盲検化されている」を満たす成人の鬱病のセラピー研究をピックアップしたところ、115件の研究のうち基準を満たすのは8件であり、全体の効果量平均は0.74であったが8つの研究に絞った場合の平均効果量は0.22であった。(この効果量は上記で用いてるgではなくdである。詳細は余談参照。知らなくても大丈夫)

また2019年の最新のセラピーにおけるバイアス排除研究では325件の研究における効果量は0.7だが、その内バイアスのリスクが低いと考えられる75件の研究では効果量は0.38になり、最後に出版バイアスを排除すると0.31になった。

これらの事情を踏まえると恐らくセラピーの効果量は0.2~0.4ぐらいだと推測される。うつ病治療の臨床的意義の閾値を0.24を上回るか?と言えば、「上回ってそうではあるが断言は出来なさそう」が答えになるだろう。

最後にメンヘラ界隈には怪しいセミナー、集会、自己啓発、イベント、独自療法が跋扈している。これらが何故滅びないのか?というと、それによって参加者は実際に回復してしまうからだ。そして回復した参加者は当然に善意100%で周囲にそれを広めていく…こうして濃縮された異様な空間が出来上がることは決して珍しくないが、その原因がこうした背景…気分障害の患者は治療を受けない場合でもプラセボ薬を投与された場合でも、大部分は症状が改善する…にあることは間違いない。

実際東京農業大学の研究では「園芸やアニマルセラピーで患者の具合はめっちゃ良くなる」ことが発見された。当然指導してる方々の質や方法論は怪しいし、そもそも統1されたやり方もないが、それでも心理療法に迫る結果を出してしまっているのだ。

こうして気分障害の自然寛解率が比較的高い事と特定の治療の付加価値が低い事によりメンヘラ界隈はご覧の有様だよ。この記事が明確に否定出来るようになる日の到来を願う。

余談

・効果量gと効果量dは、どちらも2つのグループの平均値の差を標準化して表す指標だが、その計算方法が異なる。

-効果量d(Cohen's d): 2つのグループの平均値の差をプールされた標準偏差で割った値。 プールされた標準偏差とは、2つのグループの標準偏差を統合したもの。

-効果量g(Hedges' g): 2つのグループの平均値の差をプールされた標準偏差で割った値を、更に小さなサンプルサイズに起因するバイアスを補正したもの。

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コメント

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kawachi
kawachi

心理療法も宗教なのかも知れませんね。

私は有効だと信じる派ですが。

何はともあれ一概に否定してしまうと逆に怪しい自己啓発セミナーが増える気もします。

大麻解禁は止めた方が良いでしょう。
逆に医療用大麻な導入は積極的に推進すべきとは考えます。

kurokuroneko
kurokuroneko

心理療法ですが、ASDやADHD相手だと某精神科医(自称)の人のように質問箱を開設しないとあまり意味はないと思います。
まとめて特定の日にカウンセリングだと時間が足りないですし、5分診療だと日常の細かな悩みは診れない雰囲気があります。

※自称精神科医が本物かどうか判別する方法:「〇〇の場合、どういう薬を使うことが多いかですか?」、「××という薬が糖尿病でダメなんですが、代わりになる薬はありますか?」などの質問を投げかければ、ある程度はわかります。

よっさん
よっさん

自分も薬を飲んでとりあえず普通に近づけている
カウンセラーにしたがって座禅したことあるけど、あれはもっと安定した人がさらに安定を求める方法であって困窮した人間には効かない

kawachi
kawachi

私は発達障害(自閉症)と躁病で精神科に通院服薬中の身です。

受診前から腰痛持ちで地元の鍼灸整骨院にも通っていました。

今も定期的に通っています。

イギリスでは鬱病の治療に鍼治療(はりちりょう)が有効であると認められているとか。

しかしながら此処からが問題です。

薬に関してはゼネリック薬品が有るから安いです。

しかしながら鍼灸(しんきゅう)の技術料は安く有りません。

最低でも六十分六千円か、一部位二千円と見た方が良さそうです。

ただし此方は最低価格なので鬱(うつ)病や躁(そう)病の治療なら、技術料は高騰するでしょう。

私が高須クリニックの高須院長を好きになれない理由が、此処に有ります。

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