参院議員秘書の性的暴行で国に賠償命令 “職務と密接に関係”

報道機関で記者をしていた女性が「上田清司参議院議員の公設秘書から性的暴行を受けた」と訴えた裁判で、東京地方裁判所は国に440万円を支払うよう命じました。

訴状によりますと、記者をしていた女性は5年前、前埼玉県知事の上田清司参議院議員の公設秘書だった男性から、会食の後に性的暴行を受けるなどしてPTSD=心的外傷後ストレス障害になったとして、公設秘書について賠償責任を負う国に慰謝料など1100万円を支払うよう求めました。

公設秘書は書類送検されたあと、自殺したということです。

国は女性の主張は信用できず、公設秘書の職務に関係するものではないなどとして争いました。

24日の判決で、東京地方裁判所の中村心裁判長は「公設秘書は性的暴行などを行ったと認められる。性的暴行は、取材対応としての会食の後などに行われていて、公設秘書の職務と密接に関係する」として国に440万円を支払うよう命じました。

上田参院議員「ハラスメントの根絶へ向けて努力してまいります」

判決について、埼玉県の前の知事の上田清司参議院議員は「訴訟の当事者になっておらず、判決の内容などを知る立場にありませんので、判決について申し上げることはございません」としたうえで、「女性が今もつらい思いを抱えておられることに対し、そのお気持ちは、安易に推し量ることすらはばかられるものであり、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。今後とも、自身として、また、事務所に関わる者の法令順守を徹底するとともにあらゆるハラスメントの根絶へ向けて努力してまいります」などとコメントしています。

女性「主張が認められてほっとした」

女性は弁護団を通じて、コメントを発表しました。

女性は「主張が認められてほっとしました。現場では『これくらいは我慢しなきゃ』『性的な発言は聞き流そう』と立ち振る舞うことが求められてきました。そのため警察に被害届を出したときも2次被害を恐れました。被害に遭うと、自責の念にかられて自信をなくしたり、周りの理解が得られなかったりするかもしれませんが、まずは相談することが大事だと体験しました。被害者が勇気をもって声をあげようとしても、それをためらわせる社会は変えたい」と、コメントしました。

弁護団の長谷川悠美弁護士は判決後に開かれた会見で「取材や報道の自由に対する侵害の違法性を評価して国の責任を認めた判決だ。取材を受けることは秘書の業務の範囲内だという判断は、これまでなかなか認められなかったので、意義がある。一方、上田議員の監督権限については違法性が認められなかったので、問題が大きい」と述べました。

国「適切に対応」

東京法務局訟務部は「判決を精査の上、適切に対応してまいりたい」とコメントしています。

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