本当に好きなのか?「好きだ」と自分に言い聞かせているだけなのか?
プリンセスプリンセスというバンドが好きだ。通称「プリプリ」。
「Diamonds<ダイアモンド>」や「M」、「世界でいちばん熱い夏」といった楽曲が有名なバンドだ。
ピンと来ない人のために、
公式が載せている「M」のビデオを貼っておくので、
聴いてみて「あ~!これ歌ってる人達かぁ」などと各自思ってほしい。
このバンドは、1996年に解散してしまった。
私がファンになったのは、2021年。
ファンになったときには、もうバンドは存在しなかった。
私は2003年生まれなので、
生まれた瞬間からファンになっていたとしても、もう遅かった。
今回は、解散してしまったバンドを好きになってしまった結果、
どうなっていくのかをお伝えする。
PRINCESS PRINCESSとの出会い
私がファンになったきっかけは、テレビ番組「音楽の日」。
プリプリのVocal、岸谷香さんが「M」を歌唱しているのを、
母親がテレビで観ていた。
私は音楽番組に興味はなかったので特に観ていなかった。
母がテレビを観ている横の部屋で、学校の宿題をやっていた。
しかし、隣の部屋から聞こえてくる「M」があまりに良くて、
ペンを置いてすぐテレビを観に行った。
そして、
「なんて良い歌だ!」と感動した。
スマホで調べて、何度も聴いた。
毎日聴いた。
ある日、YouTubeでプリプリのライブ映像を見つけた。
約2時間の映像だった。
全部観た。
そして、
「M以外も、良い曲いっぱいあるじゃん!」と気付いた。
プリプリの楽曲を全曲聴いた。
良い曲ばかりだった。
プリプリのライブに行きたいと強く思った。
しかし、先ほども述べた通り、1996年に解散している。
2012年に東日本大震災の復興支援のため1年間限定で再結成したことがあるらしいが、それも終わっている。
でも、めちゃくちゃ好きなので、
どうしても生でプリプリの曲を聴きたい。
プリプリ関連のイベントは何かないか、探した。
プリプリとUnlock the girls
ボーカル岸谷香さんがソロライブを開催しているのを見つけた。
Kaori Kishitani 2022 Live Tour 55th SHOUT というツアーだった。
ツアー初日、名古屋公演のチケットを購入した。
プリプリのライブではなく、香さんのソロライブなので
ソロ楽曲も当然演奏される。
岸谷香さんのソロ楽曲を調べてみた。
調べてみると、どうやら香さんはここ数年、
「Unlock the girls」というバンド活動をしているらしい。
香さんがギターボーカルで、他のメンバーは
ベース、ドラム、ギターの3人で、3人とも30代の若い女の子たち。
香さんは50代。結構な年の差バンドだ。
バンド活動をしているが、
CDもライブも、バンド名ではなく岸谷香ソロ名義だ。
今度僕が行くことにしたライブも、岸谷香のライブと書いてあった。
でも、Unlock the girlsでの演奏らしい。
Unlock the girlsは2017年頃結成され、
ここ数年発売された岸谷香さんのソロアルバムは
「Unlock the girls」
「Unlock the girls2」
「Unlock the girls3 -STAY BLUE-」
といった具合に、
アルバム名にバンド名を入れている。
私はライブの予習のため、
この3枚のアルバムを聴いてみた。
何かが違うと感じた。
確かにプリプリっぽい曲もあるし、
気に入った曲もたくさんあったが、
プリプリとは何かが違う。
僕はプリプリのほうが好きだ。
何が違うのだろうか。
プリプリと同じ人がつくっているのに。
同じような音楽のはずなのに。
まず、キーボードが入っていない。
香さんのつくる音楽の良いところのひとつは、
ピアノの音の入れ方だと思う。
「M」のように、
ピアノが良い味を出している曲がたくさんある。
しかし、香さんがプリプリ解散以降発表したソロ曲、
Unlock the girlsの曲はピアノは無い。
(香さんソロの一部アルバムはピアノが入っているが。)
ガールズの曲でも、
香さんが弾いたキーボードの音が入っている楽曲もあるが、
プリプリの曲ほどピアノが入っているわけではない。
Unlock the girlsはギター、ベース、ドラムの3人で、
キーボードはいない。
プリプリ解散直後は男のサポートメンバーを入れてバンド編成でライブをしていたが、そのときもキーボードはいなかった。
プリプリとの差別化を図るためなのだろうか。
だとしたら、私の「なんか違う」という感想は正しい…のか?
過去の香さんのインタビューを漁ってみると、
答えが出てきた。
岸谷香:プリプリが成功して、でまあ「お腹いっぱい」「もうごちそうさま」っ感じで解散して、ソロになったんですけど、なんか面白くなくて。
──面白くない?
岸谷香:今だからぶっちゃける話しちゃうとね、なんて言うか…プリプリですごく大きなことを散々経験してきたから、結局何をやってもそれの縮小版としか感じられないの。
──刺激がない?
岸谷香:うん。だから新しいことをしたいと思って、キーボードのいない4人編成を組んだんです。ほんとはトリオをやりたかったんですけど、私の実力じゃちょっと無理と思って(笑)、私+トリオで。プリプリが解散して「自分に刺激を」と思って課せたのが、鍵盤がいないことだったの。私の曲は分数コードとか鍵盤が必要となることがものすごく多いから、私の音楽で「鍵盤がいない」ってありえないんです。だから「これは大変だろう」っていうことをわざとやろうと思って、男の子3人と私で4ピースのバンドを始めた。面白かったですけどね。歳も一緒くらいの男子ミュージシャンとのバンドもやったことがなかったし。
https://www.barks.jp/news/?id=1000181804
やはり、プリプリとの差別化を図るためだった。
Unlock the girlsにピアノがいないのも、そのためだろう。
僕は、やはりピアノがある香さんの音楽が好きだ。
とにかく、ソロの曲はなんか違う。
でも、仕方ない。プリプリのライブは今後開催される予定はない。
ソロのライブに行かなければ、プリプリのあの人の歌声は聴けない。
ソロのピアノのない曲も何度も聴いて覚えた。
音楽というのは不思議なもので、
「M」のように、1度聴いただけで「おぉ、これは素晴らしい曲だ!」と感動するものもあれば、
50回聴いて「なんか良い曲な気がしてきた」という場合もある。
「何回も聴くうちに、なんかこの曲好きになってきた!」という現象には実は名前がついているらしく、
「単純接触効果」というらしい。
(厳密に言うと音楽に限らず、何回もCMを見るとその製品が魅力的に思えたり、
同じものに何度も接触していると好きになってくることをいうらしい。)
もしかしたら、聴いているうちに、単純接触効果で
「Unlock the girls、良いじゃん!」となるかもしれない。
せっかくなら、プリプリ以外の曲も好きになりたい。
別に、単純接触効果で好きになってもいい。
「単純接触効果になんか、騙されないぞ!俺は、1回で好きにならないものは受け入れないんだ!!」とは思わない。
べつに催眠でもなんでもいいから、
ライブが楽しめたほうが良い。
プリプリの曲、ソロの曲、Unlock the girlsの曲、
何が歌われても良いように幅広くたくさんの曲を聴き込んで、
ライブの日を迎えた。
初めてのライブ
結局、
プリプリの曲のほうが好みだ、という思いは変わらなかった。
プリプリの曲、たくさん演ってくれ〜〜!!
そう祈りながら会場へ向かった。
調べたところ、前年のツアーでは、プリプリの曲は6曲だった。
今年も6曲、欲を言えば7曲、8曲くらい演奏してほしい。
ライブハウスに到着。
お客さんの年齢層は高め。
30年くらい前にプリプリを聴いていた人が集まっているのだろう。
ライブは、約2時間半。全19曲だった。
私はライブ中、
「次はプリプリの曲くるか~~~??」
「ちがった~~~~~」
「わ!!!!プリプリだ~~~~~最高じゃ~ん!」
「あ~~~~またプリプリじゃなかった~~」
と毎曲毎曲一喜一憂していた。
この日のセットリストを以下に記しておく。
「いや、曲名羅列されたって、読んでも曲わかんないし!」と思うかもしれないが、
ソロとUnlock the girlsの曲は普通の文字、プリプリの楽曲を太文字にして示しておくので
画面の一番下に1曲分だけ表示して、
画面をゆっくりスクロールしながら
「わ!プリプリの曲だ!」
「あ~~、プリプリの曲じゃない…」と一喜一憂しながら読み進めていくことで、
当日の私と同じ気分が味わえるので、やってみてほしい。
1.DREAM
2.恋に落ちたら
3.Diamonds<ダイアモンド>
4.LOVE FLIGHT
5.BOY
6.Wrong Vacation
7.リアルファンタジー
8.レミニセンス
9.M
10.And the life goes on(新曲)
11.デロリアンドライブ
12.Signs
13.HIGHWAY STAR
14.Unlocked
15.シャウト!
16.ミラーボール
EN1.ハッピーマン
EN2.Dump it!
EN3.STAY BLUE
全19曲のうち、プリプリの曲は4曲。想像していたより少なかった。
ライブ会場で仲良くなったおじさんも、
「プリプリ全然やらんかったな」
「『世界でいちばん熱い夏』、聴きたかった…」と言っていた。
でも、私は好きになったきっかけとなった大好きな曲「M」を生で聴けたので、とりあえずは満足であった。
ピアノがいないのでMは聴けないかと思ったが、
Mを演奏するときだけ、香さんがピアノを弾きながら歌っていた。
その他のプリプリ楽曲は、キーボードのパートもギターで演奏するなど
Unlock the girlsバージョンのアレンジで披露された。
キーボード無しでギターで演奏されたら違和感があるかなと思ったが、
特に気にならなかった。
曲が始まった瞬間こそ
「あ~~、プリプリじゃなかった…」と思ってしまうが、
初めて生で香さんに会えたということもあり、
初めて生でUnlock the girlsの音を浴びるということもあり、
2時間ずっと楽しくて、
プリプリ以外の曲も含めて、ライブは非常に満足度が高かった。
もっとライブに行きたいと思った。
プリプリの曲はまだ4曲しか聴けていない。
他にも、生で聴きたい曲は何十曲もある。
Unlock the girlsのツアーが終わると、
香さんがひとりでピアノとギターを演奏する、弾き語りのツアーが始まる。
弾き語りツアーにも行ってみることにした。
弾き語りコンサート
調べてみたら、弾き語りツアーは毎年曲数が少ない。
2時間のライブだが、全13曲。
半分トーク、半分歌といった感じで、
1曲か2曲ごとくらいに長めのトークが入るらしい。
曲数は少ないが、弾き語りツアーはプリプリの曲が多い傾向にあることもわかった。
毎年、13曲中少なくとも6曲はプリプリの曲を歌っている。
今回も、きっとプリプリをたくさん歌ってくれるはずだ。
セットリストはこんな感じだった。
例によってプリプリを太文字にして記す。
1.水の鏡
2.ひまわり
3.19 GROWING UP
4.MELODY MELODY
5.晴れた日に
6.世界でいちばん熱い夏
7.オーディナリーピープル
8.絶望的に泣いている生き物へ
9.M
10.Diamonds<ダイアモンド>
11.STAY BLUE
12.Signs
En.パパ
13分の7がプリプリの曲。
しかも、アンコールのときにリクエストを客席から募ってくれた。
「プリプリの曲で、なんか聴きたいのある~?今日コレ聴けてないよ~~、みたいなやつ。いいよ!叫んで!」
と、プリプリの曲のリクエストを募った。
「ジュリアン」「KISS」「HIGHWAY STAR」「パパ」と、4曲のリクエストが来た。
香さんは「全部やっちゃう!」と言い、
1番だけ、もしくはサビだけをピアノで弾き語りしてくれた。
めちゃくちゃ嬉しい。なんてサービス精神旺盛な方だろうか。
そうして「ジュリアン」「KISS」「HIGHWAY STAR」を歌った後、「『パパ』は、1番だけで切ったりするのはちょっと違うから…」と
本来のアンコールでは別の曲を歌うはずだったが、
この日だけは急遽「パパ」に変更された。
生で聴いてみたかったプリプリの名曲たちをたっぷり堪能出来て、
とても幸せであった。
できることなら、バンド編成のときに
プリプリをもっと聴きたかったが。
でも、弾き語りはとても良くて、なんだか僕もやってみたくなった。
そして、Amazonで8000円のアコギを買った。
ギターは今でも家で練習している。
1度バンド結成のお誘いを受けて、
メンバーが集結した初日に揉めて解散したりもしている。
翌年2023年、
弾き語りも、Unlock the girlsのライブも、
複数回参加することにした。
2023年は、
弾き語りツアーが先で、
そのあとにUnlock the girlsツアーだった。
2023年の弾き語りツアーは、
13曲中なんと10曲がプリプリの歌だった。
何公演も観に行って良かった。
プリプリの曲の中でも私の個人的上位に入る「STAY THERE」「SEVEN YEARS AFTER」も入っていて、大満足のセットリストであった。
せっかく何公演もチケットを取ったのに
プリプリの曲がほとんどなかったら、
2公演目以降、
「プリプリ無いのに東京まで遠征しなきゃいけないのか…」
などと、残念なセトリに何万円も払って後悔するところだった。
今回はリクエストコーナーこそなかったものの、
毎回同じ13曲でも、何度聴いても感動するし、楽しい。
できることなら、全公演行きたかったくらいだ。
隣の席のおっさんがとあるバラード曲で泣いていて
私もつられて泣きそうになったときもあったり、
前のほうで2人だけスタンディングオベーションしていたり、
オリジナルのうちわを掲げる人が居たり、
各地いろんなお客さんがいるのも面白い。
そして、弾き語りツアーが終わると、
11月から12月にかけてUnlock the girlsのツアーが行われた。
弾き語りもいいけれど、やはりプリプリはバンドだから、
バンドのサウンドでプリプリの曲をたくさん聴きたい。
去年はプリプリは4曲しかなかったし、
今年はもっとたくさん歌うはずだ。
一昨年は6曲歌っているし。
名古屋、大阪、東京、福岡の4公演しかない短いツアーだったが、
私は福岡を除く3公演、チケットを取った。
迎えたツアー初日、名古屋公演。
今度こそ、プリプリはたくさん聴けるのか?
プリプリは聴けるか?1年半ぶりのUnlock the girlsツアー
ライブが始まった。
まずは
プリプリ解散して2年後くらいにリリースした昔のソロ楽曲、Unlock the girlsの楽曲が1曲ずつ演奏された。
2曲が終わり、軽く挨拶したあと
「じゃあ次は、懐かしい曲やろうと思います」と言った。
私は「お!懐かしい曲ってことはプリプリ時代の曲だ!!何の曲かな♪」とワクワクした。
次の瞬間、香さんは「キッチン!」と言って歌いだした。
「キッチン」は、確かに懐かしい曲だ。
でも、プリプリじゃない。
プリプリを解散した次の年くらいに出したソロアルバムの曲だ。
この日はなんだかセットリストがいつもと違う。
最近のUnlock the girlsの曲と、
プリプリ解散直後のソロアルバムの曲が混ざった感じで、
プリプリの曲がなかなか来ない。
「え?またプリプリじゃない!」
「今日プリプリ無いの???」
「俺このあと大阪と東京のチケット取ってるんだけど、、、」
徐々に焦りが募った。
1公演だけなら、「まぁ、たまにはこんなのも良いか」と思えるが、
東名阪をまわらなければならないとなると、
つらいところがある。
この日のセットリストはこちら。
01. RELAX
02. デロリアンドライブ
03. キッチン
04. Unlocked
05. あいのうた
06. バタフライ
07. AND THE LIFE GOES ON
08. GLASS HEAVEN
09. Beautiful
10. BOY
11. Signs
12. A VISITOR
13. Singing
14. Diamonds<ダイアモンド>
15. STAY BLUE
16. WAR
En1. DING DONG
En2. レミニセンス
結局、プリプリは、18曲中3曲だけだった。
そして、なぜか今回は
プリプリ解散直後に出した、Unlock the girls結成より前の
ソロ楽曲が多かった。
Unlock the girlsの曲はそれなりに聴きこんでいるが、
プリプリ解散直後のソロアルバムの曲は、
ライブで演奏されることは近年あまりなかったため、
普段からそんなに聴いていなかった。
単純接触効果が表れるほど、聴きこんでいなかったのだ。
だから、あまり楽しめなかった。
まさかのレアな昔のソロアルバム曲攻めだとは思いもしなかった。
「あぁ、なんかそういえばこんな曲もあったなぁ」程度の曲がたくさんあった。
サビまで来て「あ、この曲かぁ」と気付くとか。
「これを観に行くのに、東京までの旅費は払えない」
そう思い、東京公演のチケットを売り払った。
定価では売れず、数千円損したが、一応売れた。
(高額転売などは良くないと思うが、私よりもっとソロ曲が好きな人もいるだろうし、私よりライブを楽しめる人が客席に居たほうが良い。間違った判断ではないと思う。)
大阪公演は名古屋公演の次の日だったこともあり、
売ることはせず、観に行った。
3曲ではあるが、「Diamonds<ダイアモンド>」はもちろんのこと、「DING DONG」も「GLASS HEAVEN」もプリプリの大好きな楽曲なので、この3曲のために大阪に行く。
その3曲以外にも、
Unlock the girlsのなかでは比較的好きな曲もやってくれたし。
そして、
私の中には「日替わり曲があるかもしれない」という考えもあった。
「日替わりで、もしかしたら、プリプリの曲が1曲増えるかもしれない」
そう思いながら、
大好きなプリプリ楽曲のプレイリストを聴きながら、大阪に向かった。
大阪公演は、
昨日の名古屋と全く同じセットリストだった。
ライブ帰りの考えごと
「楽しかった。」
「あぁ、DING DONG聴けてよかった!!!!」
「GLASS HEAVENをライブで演奏するのは、7年ぶりくらいらしい!レアなプリプリの曲聴けてよかった!!!!」
「ほとんど聴いて来なかったけど、プリプリ解散直後のアルバムもこれを機に聴いてみよう!!なんか、ライブで聴いたことをきっかけにCDで聴くようになって、それで好きになるパターンあるもんね!!」
私は必死に自分に言い聞かせた。
チケット代は確か1公演あたり8500円くらい。
2公演で、17000円。
ライブの行き帰りのバスで往復6000円くらい。
「全然!いちまんえん以上かけて観に行った価値あったよ!あった!」
「ライブという空間自体楽しいしね。」
「Unlock the girlsのギターの子可愛いし、見れてよかったよね!!」
自分にそう言い聞かせながら、
帰りのバスに乗り込み、イヤホンをつける。
ライブで聴きたかった、聴いてみたかった、プリプリの曲達を聴きながら、目を閉じる。
考えてしまう。
香さんはどういうつもりなのだろう。
どういう意図で、こんなセットリストを組んだのだろう。
本当は
「あの曲良かったな~~」
「生で聴くとやっぱり響くな~~」などと考えながら帰りたかったが、
どうしてこんなセットリストになってしまったのか?
これでファンは喜んでいるのか?
と、余計なことを考えてしまう。
お客さんは、基本的にプリプリの楽曲からファンになった人が多いはずである。
テレビで時々新曲を歌うこともあるので、
そこからファンになった人も当然いるだろうが、
やはりプリプリの過去のVTRが流れたり、
誰かがカバーしていたり、
親がカラオケで歌っていたり、
最近でもDiamondsがテレビCMで流れていたり、
今でもプリプリの曲のほうが世の中には流れている。
最近ファンになった人も、プリプリ楽曲から入った人が多いだろう。
プリプリの曲が聴きたくてライブに足を運んだ人も多いだろう。
3曲ではガッカリ、という人も多いはずだ。
プリプリの曲は飽きたのかな。
拗ねてるのかな。
何なのかな。
ふと、最近読んだインタビュー記事を思い出す。
――来た人全員に届けるためには、構成や流れも重要な要素になるんですね。
ある意味、「M」や「Diamonds<ダイアモンド>」の扱いって、とても難しいんですよ。これらの曲を何十年もやってきている側からしてみると、「『M』が良かったです」って言われることも、もちろんうれしいんですが、それだけじゃ困るというか。「今の岸谷香の音楽もいいね」「初めて聴いたあの曲、いいね。CD探してみようかな」って、他の曲にも興味を持ってもらいたいじゃないですか。
――ミュージシャンとしては当然の思いですよね。
私は“懐メロおばさん”みたいになるのはイヤだから、いかに昔の曲がコンサートの目玉にならないようにするか、いつも考えているんですね。
https://lp.p.pia.jp/article/news/289064/index.html?detail=true&page=2
今回のバンドツアーの前、弾き語りツアーをしているくらいの時期に公開された、インタビュー。
香さんは、懐メロおばさんになりたくないらしい。
懐メロおばさん、良いと思うけどなぁ。
オーディエンスの心を数十年前に戻せる、
おじさんおばさんに若かったあの頃を思い出させることのできる、
ライブ会場をタイムスリップさせられるアーティスト、素晴らしいと思う。
昔つくった楽曲を、懐メロとして今でも愛してもらえるなんて、
つくった甲斐があるじゃないか。
最近出てきたアーティストの曲なんて、
一時期TikTokで流行っただけで、数か月後には誰も聴いていない、
誰も30年後にライブに聴きに来ない、後世に残らない、なんて曲もたくさんあると思う。
(一瞬流行るだけでもすごいことではあるし、
最近流行った楽曲でも素晴らしい曲はたくさんあると思うが。)
でも、香さんは懐メロおばさんにはなりたくないらしい。
懐メロではなく、今の音楽を聴いてほしいのだ。
だから、プリプリの曲は3曲。
「M」も歌わず、ソロになってからの楽曲ばかりなのだ。
もう、プリプリをたくさん歌うライブは観ることができないのかもしれない。
彼女は今の岸谷香、Unlock the girlsの音楽を聴かせたいのだ。
確かに、わざわざプリプリではない別のメンバーとバンドをしているわけだから、
プリプリより今の曲を聴かせたいのは分からなくもない。
Unlock the girlsのライブであり、岸谷香ソロライブだから、
「懐かしい曲」はプリプリの曲ではなく
解散直後のソロになってすぐに出した曲なのだ。
もう、プリプリは4曲とか3曲しかやらないのだ。
あの曲、この曲、バンド編成で聴いてみたかった。
悲しい。
できればプリプリの曲をたくさんやってほしいが、
香さんはガールズと今の曲をやるのが楽しいらしい。
私がいくらプリプリをやれと言ったって、聞かないだろう。
ライブにアンケートがあるときは
「僕が生まれたときにはプリプリが解散していて生で聴けなかったので、プリプリ時代の曲をライブでもたくさん聴きたいです」と書いたりもするが、届いているのだろうか。
プリプリのほうがお客さんも集まるだろうけれど、
Unlock the girlsのライブでもお客さんはじゅうぶん集まっているし、
集客に困っていたりお金に困っているわけでもないので、
こちらの要望を聞くより自分のやりたいことをやるだろう。
それで儲けることができているのだから、仕方のないことだ。
アンケートで伝えられることは最大限伝えて、
あとは提供される曲たちを楽しむしかない。
ライブでは香さんの、ガールズの、今の曲を聴くしかないのだ。
でも、弾き語りでは、
Unlock the girlsの楽曲3曲、プリプリ10曲で
ほぼプリプリのセットリストだった。
今の音楽ではなく、昔の曲ばかりだ。
これはどういうことだろうか。
今年のライブの選曲で、スタッフから言われるまで気がつかなくて、びっくりしたことがありました。
――それはどんなことですか?
「今年はPRINCESS PRINCESSのオンパレードみたいだね」って言われたんですが、確かに多いんですよ。それもみんなが大好きなPRINCESS PRINCESSの曲ではなくて、ソロになって初めてやるPRINCESS PRINCESSの曲もいくつかあって。おそらく私が今年作りたかったシーンとPRINCESS PRINCESSの曲がたまたま合ったんだと思います。それらの曲をやるのがとても新鮮で楽しかったです。
――例えば、どんな曲ですか?
PRINCESS PRINCESSの再結成の時に初めて5人でやった「I LOVE YOU」とか、解散前に1回もステージでやっていない曲とか。選曲する時点でPRINCESS PRINCESSの曲かどうかを意識する必要はないな、その時々にやりたい曲をやるのがいいなって思うようになりました。
香さんが「あの曲歌いたいな。こんなテーマでステージをつくりたいな」と思って曲を13曲集めたら、たまたまプリプリが10曲になったのだ。
懐かしい曲をたくさん聴いてもらってプリプリファンに喜んでもらおう、ではなく。
とはいえ、過去のセトリを眺めてみると、
毎年弾き語りツアーでは少なくとも6曲はプリプリの曲が入っているし、
「Diamonds」「M」は毎回入っている。
多少意識しているところはあるのだろう。
Unlock the girlsでライブをするときは「M」が入っていない時もあるし、
「Diamonds」が無い時もあった。
なぜこの差は生まれるのだろうか。
Unlock the girlsのときのほうがプリプリが少ない理由はあるのだろうか。
Unlock the girlsで初めてツアーを回ったとき、
ガールズの曲はまだ5曲程度しかなかったので
香さんのソロ曲9曲、ガールズの曲5曲、プリプリの曲1曲のセトリでツアーを回った。
プリプリの曲はアンコールで歌われた「ROCK ME」1曲だけだった。
その次の年のツアーでは、ガールズの曲も増え、プリプリも6曲演奏された。
その、プリプリ6曲歌ったツアーのときのインタビューで
こんなことを言っている。
去年は無理強いしたくないと思っていたのでプリプリの曲はアンコールでちょっとやったくらいだったんですけど、今回はガールズが「プリプリの曲をやりましょうか」と言い出したんですよ。去年、3.11のイベントを仙台でやった時に『Diamonds<ダイアモンド>』をやったのがきっかけなんですけど。それから、フェスにも何本か出たんですけど、出る限りはみんなが知ってる曲をやってこそ意味があるという部分もあるし、私が出て行って『Diamonds<ダイアモンド>』も『M』も何もやらないで帰ったら、お客さんも怒るでしょ(笑)。それで、「やるんだったら、私たちっぽくやろう」ということでちょっとずつ変えていったんですけど、やってみるとすごく盛り上がったんですよ。私は、例えば“昔はキーボードが入ってたのに、ギターだけでやって変だな”みたいな反応があったら嫌だなと思ってたんですけど、すごく素直に楽しんでくれてたんで、自信がついちゃって(笑)。自分たち風にできるなって。演奏してるガールズたちもすごくいい感じで演奏してたし。それで、いろいろやり始めたら、ガールズのほうから「あの曲、好きだからやりたい」と言い出してきて。
そういえば、
香さんはライブのMCでもよく、
「ガールズにとって、プリプリを演奏するって、すごくプレッシャーだと思う。ファンの方のほうがよっぽどプリプリを聴いてきているわけだし」などと言っている。
Unlock the girlsのメンバーが大変だから、
プレッシャーだから、プリプリは少なめにしているのかもしれない。
でも、香さんとバンドをする時点で、プリプリの曲を演奏しなければならないことはわかりきっているだろうし、
それをわかったうえで組んでいるだろうし、
別にプリプリ楽曲を少なくする理由にならないような気もする。
そして、プリプリ曲はプレッシャーだけど
香さんのソロ楽曲は普通にできる、というのも変だ。
ソロ楽曲だって、ファンのほうがよほど聴きこんでいるだろう。
「自分たちでつくった、Unlock the girlsオリジナル曲以外できない。」というのだったらわからなくもないが。
というか、そもそも
ガールズは2年目にして
「プリプリのこの曲、やりたいです!」と言い出すまでになっている。
プレッシャーや責任を感じることもあるだろうけれど、
プリプリの曲も楽しく演奏しているのだろう。
過去のインタビュー記事などを思い出しながら、
なぜこんなセトリになるのか?
どうなるのか?
私はもうファンクラブを退会すべきか?
プリプリはもう聴けないのか?
いろいろ考えながら、大阪からバスで帰った。
家に帰ってから、
香さんのソロアルバムを聴き出した。
来年以降も、なんだかんだ言って、ツアーをまた何公演も観に行くだろう。
ソロアルバムの曲も全部聴きこんで、
好きな曲を増やさなければ。
ソロが多くてもガールズの曲が多くても、
どんなセットリストが来ても満足して帰れるように、
「お!この曲聴きたかったんだよね!」と思えるようにしなければ。
プリプリの曲が1曲しかないツアーが行われる日がまた来るかもしれない。
それでも楽しめるように備えなければ。
たくさん聴いて、歌詞カードを見なくても歌えるくらいまで覚えた。
ソロ曲をたくさん覚えたころ、
次のツアーが発表された。
2024年のツアーだ。
ツアー内容を聞いて、驚いた。
40周年バンドツアー
岸谷香、デビュー40周年を迎え、自身のバンド”Unlock the girls”とともに放つ、
『プリンセス プリンセスのアルバム1枚を”セルフカバー”』も入れ込んだ周年ならではのまたとない特別公演。
どのアルバムをカバーするかは公演初日まで一切発表無し。
売切必至!本日より最速先行開始!
『プリンセス プリンセスのアルバム1枚を”セルフカバー”』も入れ込んだ周年ならではのまたとない特別公演。
まさかの企画だ。
メンバーこそUnlock the girlsで、プリプリとは異なるが、
プリプリのアルバム1枚分、全曲歌ってくれるという。
プリプリの曲が10曲聴けることが確定。
「またプリプリ3、4曲だったらどうしよう」などとソワソワしなくていいのだ。
大好きなプリプリの曲が、しかもアルバム1枚分全てとなると
相当なレア曲も含めて聴ける。
安心してたくさんのチケットを購入した。
そういえば、プリプリが3曲だけだった前回のツアーで
香さんが「来年は40周年だから、ちょっと何か特別企画みたいなのやろうと思ってるんだよね。」とMCで言っている場面があった。
そして客席に「何だと思う?」と問いかけた。
「プリプリとコラボ!」
「ドームツアー!」などの声が上がった。
香さんは「やだ~。アリーナの前のほうちょっとしか埋まんないし」と言った。
それに対し
「プリプリも来ればいけるよ」という声が上がったが、
香さんは「プリプリじゃなくて、Unlock the girlsでやりたいの~」と否定。
プリプリじゃなくてUnlock the girlsで、と強調していたので、
特別企画はプリプリと関係ないと思っていた。
まさか、Unlock the girlsでプリプリをAlbum1枚分やるとは思わなかった。
ツアー初日。
初日は神奈川、川崎でスタートした。
なんと、最前列の真ん中の座席だった。
最前列で、プリプリをたくさん聴けた。
しかも、今回のツアーに選ばれたのは、
プリプリのアルバムの中でも私の中でかなり上位、
ファン全体の中でも人気の2nd Album「HERE WE ARE」。
「HERE WE ARE」を、全10曲、アルバムの曲順通りに演奏してくれた。
そして、アルバムには入っていないが「Diamonds」も演奏してくれた。
プリプリ楽曲を11曲聴くことができた。
しかも、「HERE WE ARE」の曲を演奏する際、
サポートメンバーとして、sugarbeans氏がキーボードを演奏しに来てくれた。
香さん+Unlock the girls+キーボードの5人で、
プリプリと同じ編成で、
原曲に近い形で「HERE WE ARE」を演奏してくれた。
演奏も、振り付けも、CDやDVDで観たまんま。
香さんの髪型も当時に寄せたポニーテールだ。
いま僕の目の前で歌っているのは、
ずっと観たかった、ずっと好きだった、ずっと会いたかった、
PRINCESSPRINCESSの香ちゃんだ。
私がこれまでに参加してきた音楽ライブのなかで、
いちばん楽しかった。
ファンクラブを辞めなくて良かった。
ライブのアンケートには、
アルバム1枚セルフカバー企画へのお礼と、
「次はプリプリのアルバム『LOVERS』を1枚演奏してほしいです」と書いておいた。
神奈川から帰るとき、
「『SHE』良かったなぁ…Dear my best friend 元気でいて~♪」
「GO AWAY BOY~!ご自慢の~♪」
と、「HERE WE ARE」の楽曲を口ずさみながら
ニヤニヤして、幸せのバイブスをまき散らしながら帰った。
ツアーはまだ初日。
これから何回も聴きに行ける。
これから始まる、約2か月間の旅。
ふだんライブでは遠征したことのない土地に行ったり、
旅行も込みで
本当に楽しいツアーだった。
広島で路面電車に乗ったりしたのも良い思い出だ。
ツアーの最終日には、
来年のUnlock the girlsでのツアーの日程が発表された。
さぁ、どうしたものか。
まだファンクラブでの申し込みは始まっていないが、
来年は何か所観に行こうか。
プリプリの曲はどれくらいあるのだろうか。
今思えば、去年プリプリが3曲しかなかったのは、
今年11曲やることが決まっていたからなのかもしれない。
では、一昨年4曲しかなかったのは…?
そう思うと、
今年11曲だから、というのは関係ないのか…?
来年は
「なぜプリプリを2曲しかやらなかったんだ…」などと思いながら帰ることになるのだろうか。
香ちゃんは今、何を考えているだろう。
「ん~、Unlock the girlsでプリプリのアルバムやってみたけど、なかなか楽しかったな~。次からはプリプリもたくさんやろうかな」
なのか、
「今年いっぱいやったから、来年は、今のUnlock the girlsの楽曲をメインに、今の岸谷香を観てもらおう」
なのか。
なんとなく、後者のような気がする。
来年のツアーは8公演。
あぁ、どうしよう。
一応、ソロ楽曲もUnlock the girlsの楽曲も相当聴きこんで、
好きな曲は増えた。
「この曲あんまり覚えてないなぁ…」というのはほぼない。
でも、プリプリのほうが嬉しいのは変わらない。
来年のツアーの前に、
まずは今年の弾き語りツアーが始まった。
弾き語りは、一応40周年アニバーサリーツアーとはなっているが、
プリプリ1枚やります、というような特別なアナウンスは無かった。
40周年弾き語りツアー
迎えた初日。
初日は富山県だった。
名古屋からバスで3時間半。意外と近い。
「40周年ツアーだし、代表曲多めかな?」
「もしソロ曲が多くても大丈夫!Unlock the girlsの楽曲でも大丈夫!全部聴いてきてるからな!!!!なんでもこい!」などと思いながら、
開演時間を迎える。
【注意】
この章では、
現在開催中のツアー KAORI PARADISE2024のネタバレが含まれます。
この部分については、スクショして切り抜いてTwitterに載せるなどの行為はご遠慮ください。
香さんは最初のMCで「今回は40周年ツアーということで、40年間私を支えてくれたもののお話をしながら、曲を聴いていただきたいと思います」と言った。
そして、
「私を一番支えてくれたのはこの曲です」と「Diamonds」を披露したり、
「私はたくさんの友達に支えられています」「大事な友達に向けて書いた曲」と友達に向けて書いた楽曲を歌ったり、
「家族に支えられている」と、自分の子どもへの思いからつくった楽曲を披露するなど
さまざまなエピソードを交えて、プリプリ、ソロ曲など幅広く聴かせてくれた。
ライブ中盤。
「やっぱり、40年間続けるには、健康だなと思います。健康で、大きな病気もせず、ここまでやってくることができました。
でも、唯一、私は、歯が弱かったです。プリンセスプリンセスのライブで、『友達のまま』という曲を歌う前、ギターを弾かなきゃいけなくて衣装の手袋を噛んで外そうとしたら、手袋が外れず歯が飛んでいきました。で、前歯が無い状態で友達のままを1曲歌ったんです」というエピソードを披露。
僕は話を聞いて「お!!!!!いいね!俺、『友達のまま』大好きなんだよ!!!良い曲だよね!!生で聴いたことない。初めて聴ける!うれしいなぁ~~~~」と思っていた。
しかし、香さんのトークはまだまだ止まらず、
「そんな私を見かねて、とあるアーティストの方が声をかけてくれました。『パール兄弟』というユニットのサエキけんぞうさんという方で、実は、アーティストなんだけど、歯医者をやっているんです。みんな歯医者のアーティストっていうとGReeeeNを思い浮かべるでしょ?元祖はサエキさんなんです。」と話を展開。
サエキさんに歯を治してもらったらしい。
話は続く。
「歯を治してもらったお礼に何かしたいです、と私が言ったら、
『僕たちパール兄弟に曲を書いてよ』と言われて、
曲を書きました。
私の歯を直してくれたお礼にパール兄弟に書いた、パール兄弟のアルバム『大ピース』に入っている、『CANDYへ』という曲を、
私今日初めて歌うんだけど、あのときの歯の治療のお礼の気持ちをたっぷりこめて、歌ってみようかなぁと思います」
そして、『CANDYへ』という曲を歌いはじめた。
僕は思った。
え?
『今日は歯がある状態に感謝して、歯のある状態で、友達のままを歌います』じゃないの???
サエキさんって誰??パール兄弟ってなに??CANDYへ???
『CANDYへ』という曲は、パール兄弟のアルバムに入っている曲で、
パール兄弟が歌っている。
私はUnlock the girlsや香さんのソロ楽曲のCDは全て聴いたが、
パール兄弟に楽曲提供していたことなど全く知らず、
そもそもパール兄弟の顔も声もわからない。
全曲予習したと思っていたのに、
まさか知らない歌を歌われるとは思わなかった。
しかし、この『CANDYへ』という曲、
めちゃめちゃ良かった。
歌詞もメロディもめちゃくちゃ良かった。
1回聴いただけで好きになれるタイプの楽曲だった。
曲の冒頭こそ
「友達のまま、じゃないのかよ!!!!」
「誰だよパール兄弟って!!!!」
と思っていたが、
気付けば
「いい歌だぁ…」と感動していた。
香さん、この曲を歌ってくれて、ありがとう。
結局、プリプリ5曲、その他8曲の13曲であった。
弾き語りツアーにしては珍しくプリプリが少ない。
正直、ツアー初日は少し残念に思った。
「40周年なんだから、プリプリの代表曲もっとやってほしかった...というか、やると思った…」と落胆した。
私は、過去の統計から、勝手に「少なくとも6曲はプリプリ楽曲を歌う」「Diamonds,M,世界でいちばん熱い夏の3曲は必ず演奏される」と割り出している。
初日は、MCのときも、ずっと
「あ、この友達の話ってことは、次はあの曲だな…」
とか、
「うわ!結婚の話しはじめちゃった!結婚したのはプリプリ解散後だから、次はプリプリじゃないのか~」
「え!子供の話か~。結婚とか子供生まれたのはプリプリやめたあとだから、次もプリプリじゃないな~」
「ソロ曲か。まぁまぁまぁまぁ、これも好きだよ。うん。プリプリのほうが好きだけど。」
「いま6曲目だろ?残り7曲だな…で、今プリプリ3曲やったから、あと7曲中最低3曲はプリプリあるな…でも、Mと世界でいちばん熱い夏はまだ歌われてないから、2曲はそれだな。だから、Mと世界一以外は少なくとも1曲、いや~、でも、2曲くらいは欲しいなぁ~~」
「M良い~~~~~~~何回聴いても良い~~~~~」
「あれ?11曲目なのに、まだプリプリ4曲だ!本編ラストとアンコールは絶対プリプリだ!どっちかが『世界でいちばん熱い夏』だ!」
「本編最後の曲、世界でいちばん熱い夏だった!この曲が最後か~。珍しいな~。アンコールは大体いつもプリプリの代表曲だし、まだプリプリ5曲だから、絶対アンコールプリプリだ!!何やるんだろ~~~」
「え!?!?!?アンコール、ソロ曲!?マジ!?プリプリ5曲!?え~~~~すくない~~~」
と思ったらライブが終わった。
純粋にMCを聞いて、曲を聴いて、
「お、次はこの曲が来たか~」くらいに思えて楽しめたらどれだけいいか。
でも、2公演目からは結構楽しめた。
富山で観た初日より、
その1か月後、愛知や岐阜で観た2回目、3回目のほうが
楽しかったし、感動した。
富山公演の日から愛知公演の日までの1か月に、
ソロ曲や、パール兄弟の「CANDYへ」などたくさん聴いて、
なんとなく好きになってきた気がする。
そして、最近、
徐々に客席の人たちとの仲間意識ができてきた。
前列はファンクラブ会員で、
どこの会場に行っても同じ人がいる。
「あの人、前もいたな…」という人が結構いる。
駅からライブ会場までいっしょにタクシーで行ったり、
おみやげを貰ったり、交流ができ始めた。
なんとなく会場で見かけると挨拶したり。
横、前、斜めと周囲の席の人に飴を配ってるおじさんもいた。
日本の素晴らしいところ、僕の好きな、日本の良さが出ているなぁと思う。
知らない人でも気軽に話しかけて、
ちょっと喋って、
お土産とかお菓子とかあげたりする。
隣の席の人とちょっと喋ってみる。
いいことじゃないか。せっかくの縁だ。
ライブが始まるまでの時間も楽しめる。
これでこそ、美しい日本だ。日本人だ。
しかし、
大学では、私が知人に「パン1個いる?」と聞いても断られるし、
同じ教室でたまたま隣になった人にちょっと話しかけてみると
「…はい?」という感じで、
その子はなぜか友達と目を合わせて首を傾げたりする。
私も同じ学部で同じ授業を履修している仲間なのに。
日本人の良さが失われている。
先日免許の更新に行ったが、
更新に来ていた60代くらいのおじさんとよく喋った。
「視力検査のアレ、何?なんで一番下のあと上行って、あれなに?どういう順序?」「そうですよねぇ。基準の境目でいいですよね。なんで一番下いくんでしょうね」「写真撮る奴も愛想ない」「カメラのここ見て、くらい言ってほしいですよね」などと盛り上がった。
でも、他の人たちは、講習の前や列に並んでいる時、
ただスマホを見るだけ。
列に並ぶ他の人と喋ろうとする様子もない。
話が逸れたが、
香さんのライブの会場は、ステキなお客さんに溢れている。
ライブ前から、もう楽しい。
そして、
ライブで生で演奏を聴いてから、
家に帰るとき、または後日、ライブの日を思い出して曲を聴くと、
ライブの楽しい思い出が楽曲に乗っかって、
その曲は、あの日を思い出させてくれる特別な曲になる。
あんまり好きじゃなかったあの曲が、生で聴くと意外と好きになる。
ただ、元もとあまり知らない曲、聴いたことのない曲は、
生で聴いても、好きになりにくいなと思う。
元の楽曲の記憶が薄いと、
ライブで聴いても「この歌なんだっけ」としか思わず、
なんかいつの間にか曲はサビに行くし、いつの間にか終わっている。
だから、去年のプリプリ3曲、プリ解散直後のソロアルバムたくさんのツアーのときは
記憶にも残らず、あまり楽しめなかったのだ。
あのときのライブの情景はあまり記憶にない。
元の楽曲をよく知っていると、
生で聴きながらアレンジの違いにも気づけたりするし、
ライブ会場の情景、生で聴いた歌声が記憶に残りやすい。
今年の弾き語りツアーは、
初日のあと、
次に参加する公演までの1か月の間に
ソロ楽曲も含めて好きになれた。
いつもツアー初日は、
「セットリストどんな感じだろう…私の好きな曲入ってるかな…」とドキドキして、曲を楽しむどころではない。
でも、2回目からは、セットリストが分かっているので、
曲や話に集中することができる。
今年の弾き語りツアーは、ソロ曲が多めでも、2公演目以降のチケットを売り払おうとは思わなかった。
順調に、好きな曲が増えている。気がする。
ツアー初日はどうしても、自分好みの、プリプリのあの曲があってほしい、
好きな曲の中でも特に大好きなあの曲があってほしい、あるかな、ないかな、などと期待と不安が入り混じり、
セトリを気にしすぎて純粋に楽しめない。
でも、
2日目以降は、内容を全部知っているので、
ただ曲だけを聴いて楽しめる。
でも、ふと疑問に思う。
私は本当に、プリプリ以外の曲が好きなのだろうか。
ソロ曲、Unlock the girlsの曲が本当に好きなのだろうか。
プリプリの曲が大好きなのは間違いない。
でも、ソロになってからの曲は、
最初は「何か違うな」「キーボードあったほうがいいな」と思ったはずだ。
でも、
ライブではよく演奏されるから、
ライブに行ったら聴かなければならないからと
何度も何度も聴いて、
なんとなく好きになったような気がする。
好きになったような気もするけれど、
本当にそうなのだろうか。
わからない。
本当に好きならば、
ツアー初日にセットリストをあんなに気にするだろうか。
プリプリへの愛が強すぎるだけで
ソロ楽曲やUnlock the girlsも好きなのは好き、という考え方もあるだろう。
好きだからこそ、家でも何度でも聴くのかもしれない。
今、Unlock the girlsの曲を聴きながらこの文章を書いているが、
僕は本当にこの曲が好きなのだろうか。
自分の脳に、
「この曲を聴け。いい歌、自分好みの歌だと覚えよ」
「プリプリの人が書いた歌だから、これもいい曲である」と言い聞かせて、
自分好みの曲だと錯覚させているのだろうか。
何度も聴いて自分を洗脳しているのだろうか。
私はこれからもずっと悩み続けるだろう。
本当に好きなのか?「好きだ」と自分に言い聞かせているだけなのか?
でも、
悩みながらも、
プリプリの曲を求めて、
これからもライブに通い続けるだろう。
私はどれくらい香さんのライブに行っているのだろう。
数えてみると、
去年は9回、
今年は12回だった。
来年は何回行くのだろう。
「プリプリ少なかった…」とガッカリしながら帰るのだろうか。
「プリプリ少なかったけど良いライブだった♪」と思えるのだろうか。
または、「プリプリいっぱい聴けた~~~!!!」となるのだろうか。
何の曲が来てもいいように、
今日も私は、
好きなのかどうなのか、
単純接触効果なのか何なのかよくわからない、
好きか嫌いか自分でも分からない曲達を
聴き続ける。
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コメント
7今回の記事も面白かったです!
今後もご自分で面白くないかもしれないと思っても公開してくださると嬉しいです。
特にライブレポは行った人が見ても楽しいし、行けなかった人からするとかなりありがたいので、需要があると思いますよ。
ミュージシャン側もお客さんがどう思っているか分からない部分はあると思うので、香さんにアンケートで正直な気持ちを伝えるのは良いことだと思いました。
最近の人が他人と交流したがらない傾向は本当にあるみたいですね。赤塚不二夫さんや秋元康さんも、若者は知らない人と会話できなくなったということを本に書いていました。
面白かったです🙆♂️
しゅんきさんってやたらと「日本人らしさ」「日本、日本人の良さ」みたいなことを仰いますけど、外国人の方と深く交流したり海外に行ったことはあるんですか?
自分が生まれ育った国を愛することを悪いことだとは思いませんが、「◯◯人は◯◯」などといった思い込みはそれ自体あまり良いことではないですし、危うい方向に転びやすいことに自覚的でいてほしいと思います。
まさかサエキけんぞうの名前をここで見かけるとは…
by ムーンライダーズファン