男系男子へのこだわりは皇室の方々を苦しめる
これは、常軌を逸した特定の論者による、孤立的な暴論に見えるかもしれない。だが、「男系男子」限定ルールを不動の前提とする限り、避けがたく出てくるタイプの議論と心得るべきだろう。
しかし、悠仁殿下はすでに筑波大学に進学された。さらに海外留学については、何よりもご両親でいらっしゃる秋篠宮、同妃両殿下がそれを強く希望しておられる。
昨年(令和6年[2024年])11月25日の両殿下のトルコ公式訪問前の記者会見では、お2方そろって次のように述べておられた。
「若い時に、もし機会があれば、海外で生活を送り、また、そこの大学で、学校で学ぶ機会があれば良いのではないかと話すことがあります」(紀子妃殿下)
悠仁殿下ご本人もご成年記者会見で、海外留学に前向きな姿勢を示唆しておられた(令和7年[2025年]3月3日)。
まさか両殿下や悠仁殿下ご本人に対して、「わかっていないか偽善者だと……断じ」るつもりだろうか。
男系男子限定にこだわると、上記のような暴論が平気でまかり通ることになる。これは一例にすぎないが、男系男子限定ルールに固執することが、いかに皇室の方々を苦しめる結果になるかをよく示している。
世襲なら「愛子天皇」が最も自然
皇位は、親から子への継承を軸とする「世襲」とされている。そうであれば、天皇、皇后両陛下にお子さまがおられないならばともかく、現にお健やかでご聡明というレベルをさらに超えた、人々に笑顔の連鎖を生み出す敬宮殿下がおられるのだから、次の天皇にはこの方が即位されるのが最も自然であると考える国民が多くて、当たり前だろう。
しかも皇位継承の安定化のためには、先に述べたように「男系男子」限定ルールの見直しが欠かせない。その見直しによって構造的な欠陥が解消すれば、「直系優先」の原則(皇室典範第2条)によって、ただちに敬宮殿下が皇位継承順位第1位の「皇太子」(皇嗣たる皇子)の地位につかれる。それは次の天皇が敬宮殿下に確定することを意味する。
そのためには、欠陥ルールに基づく皇位継承順序を、あたかも揺るがぬ事実であるかのように受け止める錯覚から、早く抜け出すことが必要だ。

