皇室の未来が行き詰まってしまう

今の皇位継承順序は、もともと持続可能性を期待できない、欠陥ルールに規定されたものにすぎない。にもかかわらず、この順序に手をつけずそのまま固定化すると、どうなるか。

あらためて言うまでもなく、皇室典範が抱える構造的欠陥を是正する道が閉ざされる。その結果、やがて皇室には悠仁殿下ただお1人だけが残される事態に陥る。

そのような未来があらかじめ見えていて、しかも「男子」出産を迫る強烈な重圧が予想される場合、失礼ながら悠仁殿下の結婚のハードルは極めて高くなってしまうだろう。そうなれば、皇室の未来は行き詰まるほかない。

したがって、もし皇室の存続と皇位継承の安定化を望むなら、今の皇位継承順序を決して固定化してはならない。

現に、これまで国会でも皇室典範の改正が繰り返し検討課題とされてきた経緯があり、今もまさに現実的な政治課題であり続けている。その点に無頓着な報道を多く見かけるのは残念だ。

秋篠宮さまは「悠仁天皇」を望んでいない

そもそも当事者の秋篠宮殿下ご自身が、欠陥ルールを前提とした継承順序の固定化を望んでおられないように拝察できる。

何よりも秋篠宮殿下のご年齢からして、実際に即位される場面はリアルには想定しづらい。

秋篠宮殿下は天皇陛下よりわずかに5歳お若いだけ。なので、仮に天皇陛下が上皇陛下の前例にならって85歳で退位される場合、秋篠宮殿下はすでに80歳か79歳というお年だ。それから即位されるシナリオは普通に考えてあり得ないだろう。

また、ご自身のお気持ちとしても、即位されるおつもりはないように拝察できる(プレジデントオンライン令和4年[2022年]4月29日公開拙稿 皇位継承順位は第1位でも「秋篠宮さまは即位するつもりはない」と言えるこれだけの理由 など)。

今の皇室典範のままでも、皇室会議の議決によって皇位継承順序の変更は可能だ(第3条)。制度上、秋篠宮殿下が即位を辞退されることは決して不可能ではない。

そうすると、天皇陛下からいきなり傍系の悠仁殿下に皇位が移るのか。秋篠宮殿下はそのことも望んでおられないのではないだろうか。

その理由はおもに2つある。

1つは、秋篠宮殿下が皇族の役割において男性皇族、女性皇族の区別はないと考えておられることだ。

もう1つは、皇位継承は本来、「直系」によるべきであるとお考えである事実だ。