キャッシュがあり、割安か

⑤キャッシュリッチである(キャッシュ創出力)

現金は配当の原資です。現時点でキャッシュリッチであればそれだけ配当余力があるということになります。そしてそれ以上に大切なのは、キャッシュの創出力です。会計上の利益が大きくても、定期的な設備投資でキャッシュが一向に貯まらない企業というのは、長期で増配を続けるのが難しくなります。

具体的な確認方法としては、長期にわたり「現金同等物」が右肩上がりで推移しているかと、本書第2部で説明する「資産価値を含めたPER(買収者視点による割安度)の確認」で見ても割安かで判断することになります。

⑥割安(低PER)である

増配狙い投資でも「割安」が前提です。極端な例を出せば、PER5倍の会社が利益を全て配当に回すと配当利回りは20%です。配当性向が50%なら配当利回りは10%、配当性向が30%なら配当利回りは6%です。これだけで低PERの会社のパワーがわかっていただけると思います。

低PERで配当性向が高い会社は存在しません。そのような会社の配当利回りは相当高くなるので、その会社の株は買い上げられてPERは上昇しているはずです。狙い目は、PERが低めの会社で配当性向が低い会社です。これらの企業が配当性向を市場平均並みに引き上げるだけで、配当利回りは大きく上昇することになります。

東京・汐留の高層ビル
写真=iStock.com/CHUNYIP WONG
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“成長性”を判断する3つのポイント

⑦成長期待がある

配当の原資は手元の資金と未来のEPSです。EPSの成長力が重要なことは言うまでもありません。私が企業の今後の成長性を判断する上で重視しているのは以下の3点です。

① 競争優位性
② 参入障壁
③ 成長余地(マーケット)

上記①②③は言い換えると、

・利益は「競争優位性」から来ているのか?
・真似されにくい強みなのか?
・成長余地はあるのか?

です。未来のEPSの予想において分析すべき項目は星の数ほどありますが、上記のような根本的な要素を押さえるだけでも、その精度はぐっと上がるものです。ここでは駆け足で「増配銘柄」を選定する上での重要ポイントを説明しましたが、本書の第2部の銘柄分析を読んでいただくとより深く理解できるようになると思います。

これら7つの項目を意識して銘柄選定をするとPF構成銘柄の増配確率・PFの増配率が格段に上昇します。そして何度もお話ししているように、増配を続ける銘柄の株価が上がらないわけがないのです。