反対に、賃貸人は転借人に直接義務を負わないこと|伊澤 大輔

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サブリースでも家主は入居者に対し、直接家賃を請求できる?

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弁護士 伊澤 大輔

十数年間にわたり、パートナー弁護士として、大手企業法務や不動産、損保業務を多く取り扱ってきました。それによって培われたスピード感、知見、交渉力を融合させ、ストレスを感じさせないリーガルサービスを提供します。

反対に、賃貸人は転借人に直接義務を負わないこと

他方、民法第613条1項本文は、賃貸人に転借人に対する義務を負わせたり、賃貸人と転借人との間に賃貸借契約関係を成立させる規定ではありません。
 
したがって、入居者は、家主に対し、同条項に基づき、建物の修繕を請求したり、費用償還の請求をしたり、敷金の返還請求をしたりすることはできません。
 
また、賃借人(転貸人)であるサブリース業者が賃料を滞納している場合、家主は特段の事情がない限り、入居者に対し、賃料の支払いを催告する義務はないというのが判例の立場です。
 
ここでいう特段の事情がある場合とは、入居者が家主に対し、予めサブリース業者が賃料の支払いを怠ったときは自分が賃料を支払う旨の申し入れをしていたとか、入居者を追い出すため、家主とサブリース業者が共謀の上、意図的に債務不履行状態を作り出したような場合です。
 
賃貸借契約(マスターリース契約)が、サブリース業者の賃料不払いなど債務不履行を理由として解除され、家主が入居者に対して明渡を求めた場合には、転貸借契約は終了し、入鋏者は明渡をしなければなりません。
 
これに対し、家主とサブリース業者が、賃貸借契約(マスターリース契約)を合意解除しても、入居者に不信な行為があるなど特段の事由がない限り、合意解除を入居者に対し対抗することはできず、入居者はその後も転借部分を使用収益することができ、明渡する必要はありません。
 
家主が転貸を承諾しているにもかかわらず、家主とサブリース業者との任意の合意によって、入居者の権利が一方的に消滅させられるのはあまりにも不当だからです。
 
賃貸借契約(マスターリース契約)の期間満了時に、サブリース業者が更新拒絶をし、賃貸借契約が期間満了により終了した場合にも、信義則上、賃貸借契約の終了をもって、入居者に対抗することはできないと解されています。
 
これらの場合、家主が賃借人(転貸人)であるサブリース業者の契約上の地位を引き継ぐと解されています。
 

公開日:2021年1月30日

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